反応有機化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 反応有機化学
科目番号 0018 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 山下 敏明

到達目標

1)原子・分子軌道、共有結合、混成軌道など有機化学反応を学ぶための基礎が理解できる。
2)求電子付加反応、ジエンの付加反応およびディールス-アルダー反応、芳香族化合物の求核置換反応および求電子置換反応、SN2・SN1反応、E1・E2反応、アルデヒドとケトンの付加反応、カルボン酸の求核的付加反応、アルドール付加反応の反応機構が説明できる。
3)各種化合物の合成法、他の化合物への変換反応が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1様々な分子の構造を分子軌道を用いて説明することができ、各種反応への応用が説明できる。様々な分子の構造を分子軌道を用いて描くことができる。原子・分子軌道、共有結合、混成軌道などが理解できる。
評価項目2本授業で取り上げていない反応についても自分の力で反応機構を説明できる。右に示す各反応の反応機構が説明できる。求電子付加反応、ジエンの付加反応およびディールス-アルダー反応、芳香族化合物の求核置換反応および求電子置換反応、SN2・SN1反応、E1・E2反応、アルデヒドとケトンの付加反応、カルボン酸の求核的付加反応、アルドール付加反応の違いが理解できる。
評価項目3未知の化合物のための、いくつかの合成法が提案できる。目的化合物を合成するための原料を示すことができる。 各種反応において原料が示されれば、生成物を書くことができる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学反応を反応ごとに分類し、種々の有機化学反応の本質を系統的に理解する。さらに、各々の有機化学反応の基礎的な知識が具体的な反応にも応用できるようになる。これらの修得をもとに、有機化学の本質を学べる知識と能力を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業計画に従い、講義形式で授業を進めていく。
注意点:
予習を事前に行い、授業後は、復習を行うとともに、上述の通り課題をレポートとしてまとめること。毎回の授業で課題を課すので、次回の講義の際にレポートして提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
有機化学の基礎(その1)
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
原子および分子の軌道、電気陰性度
2週 有機化学の基礎(その2) 混成軌道、イオン性および共有結合性化合物
3週 アルケンの反応(その1) アルケンの構造とマルコウニコフ則の本質
4週 アルケンの反応(その2) アルケンの反応性および種々の付加反応
5週 アルキンの反応 アルキンの構造および反応性
6週 ジエンの反応 ジエンの1,4-付加反応およびディールス-アル
ダー反応
7週 芳香族化合物の反応 芳香族化合物の求電子置換反応の反応機構
8週 芳香族化合物の反応 芳香族化合物の求核置換反応の反応機構
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
ハロゲン化物の反応(その1)
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
SN1およびSN2の反応機構
11週 ハロゲン化物の反応(その2) E1およびE2の反応機構
12週 アルデヒドとケトン(その1) アルデヒドとケトンの性質、付加反応の基礎
13週 アルデヒドとケトン(その2) 酸化・還元反応、互変異性
14週 カルボン酸の反応 カルボン酸の性質および求核的付加反応
15週 付加反応と縮合反応 アルドール付加反応
16週 試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学σ結合とπ結合について説明できる。5前1
混成軌道を用い物質の形を説明できる。5前2
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。5前2
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。5前2
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。5前2
共鳴構造について説明できる。5前7
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。5前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。5前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。5前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力2000001030
専門的能力6000001070
分野横断的能力0000000