蛋白質工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 蛋白質工学
科目番号 0019 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:タンパク質工学の基礎(東京化学同人社)、酵素-科学と工学(講談社)
担当教員 野口 太郎

到達目標

1)蛋白質の構造や機能など基本的性質について理解し、説明できるようになる。
2)遺伝子工学的手法による蛋白質生産の基本原理について理解し、説明できるようになる。
3)蛋白質工学の応用について理解し、説明できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1蛋白質の立体構造と機能との関係性を理解し、蛋白質の機能改変を目的とした提言ができる。蛋白質の構造と機能との関係について説明できる。蛋白質の基本組成については説明できる。
評価項目2遺伝子工学を用いて蛋白質の発現や変異体作成の操作手順を提案できる。遺伝子工学と蛋白質発現の関係について説明できる。遺伝子工学の基本的な原理については理解できている。
評価項目3蛋白質工学と遺伝子工学の組合わせによる工業産業への貢献方法を提案し、そのための工程を立案できる。蛋白質を工業的に用いる利点について説明できる。蛋白質の工業的利用の説明はできる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 近年、蛋白質工学は産業の様々な場面で利用され始めている。本講義では蛋白質の構造、性質、機能などの蛋白質物性に関する基礎知識、および蛋白質を工業的に生産するために必要な遺伝子工学の基礎知識について理解する。また、天然蛋白質の改変、新規蛋白質の創製、実用化例などの応用例についても紹介し、将来蛋白質工学関連の仕事に就業したときに対応できるだけの能力を身につける。
授業の進め方・方法:
・授業前に生物化学、分子生物学を復習しておくこと。
・授業内容を説明できるように自分の言葉でまとめること。
・自己学習の成果としてタンパク質の立体構造を専用のソフトウェアを用いて解析し、提出すること。
注意点:
生物化学、分子生物学を十分に理解しておく。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
蛋白質の構造1
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
アミノ酸の種類およびペプチド結合について理解する。
2週 蛋白質の構造2 蛋白質の1次構造、2次構造、3次構造、4次構造について理解する。
3週 蛋白質の構造形成機構 超二次構造、モジュール、ドメインについて理解する。
4週 蛋白質の構造と機能の解析法 構造の解析法および機能の解析法についてその原理を理解する。
5週 蛋白質の構造と機能の解析法 構造の解析法および機能の解析法についてその原理を理解する。
6週 蛋白質の構造と機能1 現在明らかにされている蛋白質のモチーフ・ドメインについて調査する。
7週 蛋白質の構造と機能2 蛋白質のモチーフ・ドメインの機能について理解する。
8週 蛋白質の生理機能 様々な蛋白質の構造と機能について理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入
11週 遺伝子工学概論 遺伝子工学の概要について説明する。
12週 リコンビナント蛋白質の生産 遺伝子工学的手法を用いた蛋白質の生産方法について理解する。
13週 変異導入法 遺伝子工学的手法を用いた変異蛋白質の作成方法について理解する。
14週 蛋白質構造コンピューター解析 データベースから蛋白質立体構造データをダウンロードし解析を行う。
15週 天然蛋白質の改変 天然蛋白質の改変方法について解説する。
16週 前期末試験
試験答案の返却及び解説
試験問題の解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。5前2,前8
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。5前2,前8
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。5前2
タンパク質の高次構造について説明できる。5前2,前3,前4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3前12
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3前8,前15
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3前8,前15
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3前12
遺伝子組換え技術の原理について理解している。5前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な 理       解501060
思考・推論・創造 へ の 適 応 力301040
汎用的技能000
態度・志向性 (人間力)000
総合的な学習経験 と創造的思考力000