生物物理化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物物理化学
科目番号 0032 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料【参考資料:生物物理化学、近藤保ら著(三共)(ISBN: 9784782702796);講座:生物物理、大沢文夫著(丸善)(ISBN: 9784621044407);細胞の分子生物学第3版、Albertsら著、中村桂子ら訳(Newton Press)(ISBN: 9784315518672)】
担当教員 高橋 利幸

到達目標

1)生気論と生物機械論について理解し、説明できる。
2)生物の基本構造について理解し、説明できる。
3)生物物理に関する計算問題を解くことができる。
4)細胞運動と生体分子モーターについて理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(A)標準的な到達レベルの目安(B)未到達レベルの目安   (C)(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1生気論と生物機械論および生物の基本構造について理解し、その内容を適切な専門学術用語を用いて的確に説明できる。生気論と生物機械論および生物の基本構造について理解し、説明できる。生気論と生物機械論および生物の基本構造の一部について理解し、説明できる。A ・ B ・ C
評価項目2生物物理に関する計算問題を解くことができ、またその生理的な意義を理解している。生物物理に関する計算問題を解くことができる。生物物理に関する計算問題の一部を解くことができる。A ・ B ・ C
評価項目3細胞運動と生体分子モーターについて理解し、その内容を適切な専門学術用語を用いて的確に説明できる。細胞運動と生体分子モーターについて理解し、説明できる。細胞運動と生体分子モーターの一部を理解し、説明できる。A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
複雑に見える生命現象も、原子や分子から構成される物質の相互作用により営まれている。本講義では、まず生物の基本構成成分である蛋白質、DNA、生体膜等の分子構造および熱力学、結合、酵素反応の基本を理解する。その後、どのような機構でエネルギー変換、形態形成、運動機能などの複雑な生命現象が機能するのか物理化学的に理解する。
授業の進め方・方法:
1)配布資料を中心に授業を進めます。
2)自己学習としては、授業中に配布したプリントや紹介図書などを熟読すること。
3)事後学習としての授業内容の課題問題は、オンラインクイズ形式で行います。
注意点:
1)本科で履修した生物化学、分子生物学および専攻科1年次で履修した蛋白質工学を十分に理解しておくこと。
2)復習に重点をおいて学習すること。
3)授業中に課題を課すので、その課題について調査し、期日までにレポート作成を行うこと。なお、課題は、自己学習の事後学習として評価する。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                     
 ・前期末試験まで :
                                      
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明と序論(生気論と生物機械論) 生物は機械のように物質の複合体であることを理解し、説明できる。
2週 生物の基本構造1 蛋白質、核酸、糖鎖の構造について理解し、説明できる。
3週 生物の基本構造2 脂質、細胞膜の構造について理解し、説明できる。
4週 細胞運動1 細胞運動に関連したそれぞれの細胞骨格蛋白質について、その重合・脱重合の分子機構を理解し、説明できる。
5週 細胞運動2 細胞運動や細胞構造に関連したそれぞれの細胞骨格蛋白質について、その重合・脱重合の分子機構を理解し、説明できる。
6週 細胞運動3 細胞運動の全体像を物理化学的見地から理解し、説明できる。
7週 生体分子モーター1 生体運動の一般論について説明できる。
8週 生体分子モーター2 筋肉運動と細胞内輸送を生体分子モーターの観点から理解し、説明できる。
4thQ
9週 細胞運動や生体分子モーターに関する課題演習 細胞運動や生体分子モーターに関する具体的な事例について説明できる。
10週 生物機能の物理化学(エネルギー代謝) 生物の代謝をエネルギーの観点から理解し、説明できる。
11週 生物機能の物理化学(酵素反応) Michaelis-Menten の式、Km、Vmax について理解し、説明できる。
12週 生物機能の物理化学(結合1) Langmuir の結合等温式、Scatchard プロット、Hill プロットの概念を理解し、式を導くことができる。
13週 生物機能の物理化学(結合2) Langmuir の結合等温式、Scatchard プロット、Hill プロットを理解し、それらの概念を説明できる。
14週 生物機能の物理化学(熱力学概論) 熱力学第2法則、エントロピー、自由エネルギー変化について理解し、説明できる。
15週 演習問題 生物機能の物理化学に関する演習問題に取り組み、正しい解答を得ることができる。
16週 修了試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。4
化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2
イオン結合について説明できる。4
共有結合について説明できる。2
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。2
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。2
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。2
基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。2
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。2
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3
グリコシド結合を説明できる。3
多糖の例を説明できる。2
脂質の機能を複数あげることができる。3
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。2
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。2
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。2
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。2
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。2
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。2
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。2
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。2
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。2
解糖系の概要を説明できる。3
クエン酸回路の概要を説明できる。3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4

評価割合

定期試験小テストレポート口頭発表成果品実技その他合計
総合評価割合90010000100
基礎的能力300000030
専門的能力5001000060
分野横断的能力100000010