化学反応論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学反応論
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「化学熱力学中心の基礎物理化学」 秋貞英雄、井上 亨、杉原剛介(学術図書出版)
担当教員 岡部 勇二

到達目標

1) 一次反応や二次反応の速度式を導出し、速度定数を求めることができる。
2) 速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを求め、ポテンシャルエネルギー曲面の模式的な図を示せる。
3) 衝突理論および遷移状態理論に基づいて化学反応を説明できる。
4) 溶液反応や触媒反応における化学種の挙動や相互作用について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
評価項目1一次反応や二次反応の速度式を導出し、速度定数が求められることに加えて、反応機構について考察できる。一次反応や二次反応の速度式を導出し、速度定数を求めることができる。一次反応や二次反応の速度式が示せる。
評価項目2活性化エネルギーを求め、ポテンシャルエネルギー曲面の模式図を示し、遷移状態について考察できる。活性化エネルギーを求め、ポテンシャルエネルギー曲面の模式図を示せる。活性化エネルギーを求めることができる。
評価項目3理論に基づいて化学反応を矛盾なく説明し、速度定数や頻度因子の理論値を示せる。理論に基づいて化学反応を矛盾なく説明ができる。化学反応の理論について説明できる。
評価項目4溶液反応や触媒反応について速度式を提案できる。溶液反応の拡散律速や触媒表面の吸着について適切な説明ができる。溶液反応や触媒反応についてある程度説明できる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
反応系の熱力学、反応速度論や反応機構論の基礎から、気相反応、溶液反応、触媒反応、及び酵素反応への応用について解説する。また衝突理論や遷移状態理論、量子化学的な手法についても概観し、化学反応論が反応機構の解明に有効な手段であることを確認し、化学反応に対する本質的な理解を深める。
授業の進め方・方法:
1) レポートの提出期限を守ること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 反応速度論の概略 反応速度論における反応速度の表現、反応式から速度式の予測について理解する。
2週 反応速度論の概略 反応速度論における反応速度の表現、反応式から速度式の予測について理解する。
3週 反応系の熱力学 反応の熱力学定義、反応の熱力学的駆動力、化学親和力について理解する。
4週 反応速度の測定 速度の定義と測定原理、速度式の決め方、活性化エネルギーの決め方について理解する。
5週 反応速度の測定 速度の定義と測定原理、速度式の決め方、活性化エネルギーの決め方について理解する。
6週 反応経路の理論 複合反応と素反応、逐次反応の速度、律速段階、緩和型速度式について理解する。
7週 反応経路の理論 複合反応と素反応、逐次反応の速度、律速段階、緩和型速度式について理解する。
8週 素反応と衝突理論 アレニウスの式、活性分子の衝突反応説について理解する。
2ndQ
9週 素反応と衝突理論 アレニウスの式、活性分子の衝突反応説について理解する。
10週 遷移状態理論 衝突状態、反応ポテンシャル曲面、活性錯合体理論、活性化エントロピーについて理解する。
11週 気相反応 単分子反応、連鎖反応、爆発反応について理解する。
12週 溶液反応 溶液反応の速度論、温度ジャンプ法、超高速分光法について理解する。
13週 溶液反応 溶液反応の速度論、温度ジャンプ法、超高速分光法について理解する。
14週 触媒反応 触媒の作用、固体表面上の反応の速度式、吸着速度論について理解する。また酵素反応の解析方法を理解する。
15週 触媒反応 触媒の作用、固体表面上の反応の速度式、吸着速度論について理解する。また酵素反応の解析方法を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4
衝突理論を理解して、アレニウスプロットを説明できる。4
活性錯合体理論を理解して、アイリングプロットを説明できる。4
活性状態のエンタルピー、エントロピー、自由エネルギーの関係を定量的に説明できる。4
触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。4
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。4

評価割合

定期試験小テストレポート口頭発表成果品実技その他合計
総合評価割合60040000100
基本的な理解4003000070
思考・推論・創造への適応力2001000030
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力0000000