到達目標
1)有機化合物の励起、励起状態、失活過程などの基礎が理解できること。
2)Woodward-Hoffmann則の基礎が理解できること。
3)光増感反応の仕組みが理解できること。
4)カルボニル化合物等の代表的な有機光反応の仕組みが理解できること。
5)光によってできる反応活性種が理解できること。
6)さまざまな光反応の場があることを理解できること。
7)ホトクロミズムの基礎が理解できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 様々な光反応の機構を説明することができる。 | 各種光反応において原料が示されれば、生成物を書くことができる。 | 有機化合物の励起、励起状態、失活過程などの基礎および各種反応の原理が理解できること。 |
評価項目2 | 種々の環化反応、閉環・開環反応に関してWoodward-Hoffmann則から反応の機構が説明できること。 | 環化反応、閉環・開環反応によってできる生成物が書けること。 | Woodward-Hoffmann則の基礎が理解できること。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE (d)
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JABEE B2
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教育方法等
概要:
有機光化学の基礎的な項目、励起状態、光化学反応の特質、光電子移動、増感反応についての基本的な事項を解説する。続いて、有機化合物の光化学反応(カルボニル化合物、アルケンおよびアルキン、芳香族炭化水素、ハロゲン化合物)の代表的な反応の仕組みを解説する。また、ホトクロミズムや化学発光ならびに自然界における光化学現象についての基礎的な原理についても解説する。
授業の進め方・方法:
配布資料をもとに、講義形式で進めていく。
注意点:
有機光化学を学習するのに必要な有機化学の基本を理解しておくこと。毎回の授業で課題を課すので、次回の講義の際にレポートして提出すること。予習を事前に行い、授業後は、復習を行うとともに、上述の通り課題をレポートとしてまとめること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業計画の説明 Ⅰ. 光化学の基礎 励起状態(その1) 課題:光を用いた技術について |
光の果たす役割および光の吸収について理解し、説明できる。
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2週 |
励起状態(その2) 課題:励起分子の運命について |
励起の起りやすさと吸収スペクトルその関係の性格と電子分布、励起分子の失活過程を理解し、説明できる。
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3週 |
励起状態(その3) 課題:蛍光について |
励起状態の性格と電子分布の基礎を理解し、説明できる。
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4週 |
励起状態(その4) 光化学反応の特質(その1)課題:結合性軌道と反結合性軌道について |
励起状態の酸性・塩基性、光化学の第1および第2法則、光化学反応の特徴を理解し、説明できる。
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5週 |
光化学反応の特質(その2) 課題:環化反応、閉環・開環反応について |
Woodward-Hoffmann則を理解し、説明できる。
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6週 |
光電子移動 課題:光電子移動反応の例 |
光電子移動反応の起こり方、電荷移動錯体、光電子移動反応によって起る反応を理解し、説明できる。
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7週 |
増感反応 課題:光増感反応の反応の例 |
光増感、励起エネルギーの移動、光増感反応の反応を理解し、説明できる。
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8週 |
Ⅱ. 光化学反応 有機光化学反応(その1) 課題:水素引き抜き反応の例 |
カルボニル化合物の光反応の仕組みを理解し、説明できる。
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4thQ |
9週 |
有機光化学反応(その2) 課題:アルケンの各反応 |
アルケンの各反応の光反応の仕組みを理解し、説明できる。
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10週 |
有機光化学反応(その3) 課題:共役不飽和カルボニル化合物の光反応例 |
共役不飽和カルボニル化合物の光反応の仕組みを理解し、説明できる。
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11週 |
Ⅲ. 光による反応活性種 課題:一重項酸素について |
励起一重項酸素の性質、発生方法、応用反応を理解し、説明できる。
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12週 |
Ⅳ. 光化学の場(その1) 課題:溶媒効果について |
光反応の場の分類、溶媒効果を理解し、説明できる。
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13週 |
光化学の場(その2) 課題:種々の光反応の場のまとめ |
界面活性剤を用いた反応、結晶状態での反応を理解し、説明できる。
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14週 |
V. ホトクロミズム 課題:ホトクロミズムの応用例 |
ホトクロミズムの原理、機構および応用について理解し、説明できる。
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15週 |
Ⅵ. 化学発光 課題:自然界の化学発光について |
化学発光の機構および反応例を理解し、説明できる。
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | σ結合とπ結合について説明できる。 | 5 | 後4 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 5 | 後4 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 5 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 5 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 50 |
専門的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |