分子生態学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 分子生態学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント類を配付し、教材とする。
担当教員 黒田 恭平

到達目標

1)土壌、海水、陸水等の性質を理解し,その環境に存在する複合微生物の機能・生態系について説明できる。
2)環境中の病原菌や有用微生物を分子生物学的手法を用いて解析する技術を理解し,説明できる。
3)微生物の機能による地球環境問題解決への可能性について考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1土壌、海水、陸水等の特性と、地球環境に果たすそれぞれの機能および生物の多様性を説明できる。 土壌、海水、陸水等の特性を説明でき、地球環境に果たすそれぞれの機能を説明できる。土壌、海水、陸水等の特性を説明できる。
評価項目2微生物の機能と環境の関係を理論的に説明でき、理論に基づく環境浄化等の応用技術を考察できる。微生物の機能と環境の関係を理論的に説明できる。環境微生物の機能を説明できる。
評価項目3環境中の微生物を分子レベルで検出し、他の生物と微生物の相互作用や相互依存の関係をを考察できる。環境中の微生物を分子レベルで検出する技術を説明でき、その応用面の課題を考察できる。環境中の微生物を分子レベルで検出する技術を説明できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分子生態学は、環境中に存在する複合微生物の存在を把握するだけでなく、その環境動態、複合微生物の役割を知る上で重要である。本講義では以下の3点の目的を通じて、分子生態学への理解を深める。
1.最新の研究動向を基にして、環境中の微生物と土壌、海水、陸水等の環境因子との関連を学ぶ。
2.環境中の病原菌や有用微生物を分子生物学的手法を用いて解析する技術を実際の応用例から学ぶ。
3.微生物を利用した物質生産や環境浄化の具体例とその問題点を述べ、微生物の機能による地球環境問題解決への可能性について論じる。
授業の進め方・方法:
注意点:
1)分子生態学の講義では、地球環境問題、微生物の系統、生育、生理機能に関する知識、分子生物学の基本原理を用いて行うため、微生物工学・生物工学・分子生物学・環境工学について理解を深めておくこと。
2)講義では、グループでの学習を行うため、自主的に講義に取り組む意識を持つこと。
3)日頃から地球環境問題について情報収集を行うなど、環境への意識を持つこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業計画の説明
土壌、海水、陸水、大気についてその構成因子、構造、地球環境における意義などを学ぶ。
分子生物学の全体像・重要性について説明できる。
地球環境における微生物生態の役割について説明できる。
2週 地球上の生物の多様性(種類や数)、および相互関係、環境因子の影響を学ぶ。(1) 地球上の生物多様性、相互関係について考察し、説明できる。
3週 地球上の生物の多様性(種類や数)、および相互関係、環境因子の影響を学ぶ。(2) 地球上の生物多様性、相互関係について考察し、説明できる。
4週 現在の地球環境問題の例をあげ、その原因と現状での対策を学び、更なる改善方法をグループで考案する。(1) 地球環境問題について把握し、その改善方法を提案できる。
5週 現在の地球環境問題の例をあげ、その原因と現状での対策を学び、更なる改善方法をグループで考案する。(2) 地球環境問題について把握し、その改善方法を提案できる。
6週 環境中に生息する微生物の種類と機能、およびこれらの微生物と環境因子の関係を学ぶ。(1) 環境中に生息する微生物の種類、機能と環境因子を結びつけて、環境動態を説明できる。
7週 環境中に生息する微生物の種類と機能、およびこれらの微生物と環境因子の関係を学ぶ。(2) 環境中に生息する微生物の種類、機能と環境因子を結びつけて、環境動態を説明できる。
8週 後期中間試験
レポート課題。課題による評価。
4thQ
9週 課題についての解説及びポートフォリオの記入。 間違った問題を正し、説明できる
10週 環境とは種々の生物が複合的に存在し、相互作用を及ぼしあう世界である。このような状態にある生物相の解析方法を理解する。 微生物群集構造解析の方法を把握し、説明できる。
11週 環境中の微生物を分子生物学的手法で解析した例を紹介し、その有効性と問題点を把握する。また、特定の環境中の微生物相を解析するための実験方法を学生主体で考案する。(1) 分子生物学的手法を用いた実際の解析例を学び、その有効性と問題点を説明できる。
12週 環境中の微生物を分子生物学的手法で解析した例を紹介し、その有効性と問題点を把握する。また、特定の環境中の微生物相を解析するための実験方法を学生主体で考案する。(2) 実際の分子生物学的手法による解析例を基に、その環境中で微生物がどのような働きを持っているか説明できる。
13週 微生物による環境汚染物質の分解浄化(バイオレメデーション)の例をあげその有効性と問題点を理解する。(1) バイオレメディエーションの方法、有効性、問題点を説明できる。
14週 微生物による環境汚染物質の分解浄化(バイオレメデーション)の例をあげその有効性と問題点を理解する。(2) バイオレメディエーションの方法、有効性、問題点を説明できる。
15週 地球環境問題解決への微生物利用の可能性について議論し、解決策を論じる。 学生主体で地球環境問題解決に向けた微生物利用方法を提案できる。
16週 学年末試験(レポート課題)
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
間違った問題を正し、説明できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学ヌクレオチドの構造を説明できる。5後10,後11,後16
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。5後10,後11,後16
DNAの半保存的複製を説明できる。5後10,後11,後16
RNAの種類と働きを列記できる。5後10,後11,後16
各種の光合成色素の働きを説明できる。3後1,後2,後3,後6,後7,後8,後9,後12,後16
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。5後1,後2,後3,後6,後7,後8,後9,後12,後16
炭酸固定の過程を説明できる。5後1,後2,後3,後6,後7,後8,後9,後12,後16
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。5後1,後2,後3,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。5後1,後2,後3,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。3後6,後7,後8,後9,後12,後13,後14,後15,後16
微生物の育種方法について説明できる。5後6,後7,後8,後9,後13,後14,後15,後16
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。5後6,後7,後8,後9,後13,後14,後15,後16
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。5後1,後4,後5,後8,後9,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポートその他合計
総合評価割合000001000100
基礎的能力0000060060
専門的能力0000030030
分野横断的能力0000010010