構造設計演習

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 構造設計演習
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 建築学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 なし(資料を適宜配布する。)
担当教員 加藤 巨邦,山本 剛,大岡 優,浅野 浩平,浅野 浩平

到達目標

(1)加藤担当分(前期分の1/2)を以下に示す。
1)鉄骨造の建築構造物において、構造物の構造的特徴を理解し、建築物に適した構造計画の立案、鋼材の選定、及び、構造架構の選定を行うことができる。
2)鉛直方向荷重の算定方法及び荷重伝達方法を理解し、部材の適切な配置及び設計を行うことができる。
3)水平方向荷重の算定方法及び荷重伝達方法を理解し、耐震要素の適切な配置、及び、主架構(柱・梁・接合部)の設計を行うことができる。
・後期分を以下に示す。
1.木造建築物の壁量計算・構造計算などができる。
2.RC構造物の力学特性が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目標(可)
評価項目1(前期/加藤担当分)多種多様な建築物に対して、適切な構造計画・適切な鋼材の選定・適切な構造架構の選定を行うことができる。標準的な建築物に対しては、適した構造計画・鋼材及び構造架構の選定を行うことができる。鉄骨造の構造物において、一部の特徴に対しては説明することができる。
評価項目2(前期/加藤担当分)色々な建築構造架構において、鉛直方向荷重の算定を行い、適切な部材配置と設計を行うことができる。標準的な架構形式に対しては、鉛直方向荷重を支える部材の配置及び選定を行うことができる。一部の構造形式に対しては、鉛直方向荷重の伝達方法を説明することができる。
評価項目3(前期/加藤担当分)様々な使用状態の建築物において、水平方向荷重に抵抗する適切な部材配置と設計を行うことができる。標準的な形状の建築物においては、水平方向荷重に抵抗する部材の配置及び選定を行うことができる。一部の構造形式に対しては、水平方向荷重の抵抗方法を説明することができる。
評価項目1(後期)木造やRC構造の材料特性値を、表計算ソフトを用いて算出することができる。木造やRC構造の材料特性値を、図表から算出することができる。木造建築物やRC構造物の構法について説明することができる。
評価項目2(後期)いくつかの構造計算で必要な知識として、建物の固有周期や応答スペクトルなどの説明・計算ができる。構造計算に必要な基礎データとして、建物の重量や外力(地震・風)の計算ができる。木造建築物やRC構造物の構造計算をする上で必要なデータが何か説明できる。
評価項目3(後期)比較的難解な構造計算の概念が理解でき、コンピュータや表計算ソフトを用いて計算できる。許容応力度計算の概念を理解でき、各構造要素の計算ができる。比較的簡易な構造計算ができる。
評価項目1(前期/山本担当分)軸組構法住宅の構造設計に必要な関連法規をあげることが出来、その内容を説明できる。軸組構法住宅の構造設計に必要な関連法規をあげることが出来るが、概ね、その内容を説明できる。軸組構法住宅の構造設計に必要な関連法規を概ねあげることができる。
評価項目2(前期/山本担当分軸組構法住宅の構造設計の手順を説明でき、構造設計を行うことができる。軸組構法住宅の構造設計の手順を説明でき、設計例を参照しnagara 構造設計を行うことができる。軸組構法住宅の構造設計の手順を理解しており、モデル建物の構造計算を行うことができる。
評価項目3(前期/山本担当分構造計算書に記載すべき事項を理解しており、構造計算書を作成できる。構造計算書に記載すべき事項は理解しており、構造計算書の例を必要に応じて参照しながら構造計算書を作成できる。構造計算書に記載すべき事項を理解していないが、構造計算書の事例を模倣しながら構造計算書を作成できる。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
(1)前期/加藤担当分:本科過程で履修した鋼構造の知識を発展させ、全体架構を想定した上で、鉄骨構造物の設計演習を行い、建築構造設計について理解を深める。
(2)前期/山本担当分:木造住宅の構造設計に関する建築基準法上の規定を理解し、木造住宅の許容応力度設計法による構造設計ができ、構造計算書の作成ができること。
後期:木造建築物およびRC構造物における力学特性、構造計算方法について理解すること。
授業の進め方・方法:
(1)前期/加藤担当分:
1)配布資料や課題レポート等を通じて理解を深めること。
2)本科過程で使用した鋼構造の教科書及び当該授業時間で進行する部分に関連する教科書等を持参すること。
3)当該授業時間で進行する部分について、本科過程で履修した“鋼構造学”、“RC構造学”、“構造演習”、“構造力学”、”建築法規”を復習しておくこと。
4)自己学習の成果として、質問・確認事項がある場合には、A4用紙1枚程度にまとめて提出すること。
(2)前期/山本担当分:「木造軸組工法住宅の許容応力度設計/(公財)日本住宅・木材技術センター」の設計事例を通して荷重算定及び各部設計の方法を理解した後、各自で準備した木造住宅の設計図書を用いて構造設計書を作成する。
後期:
課題を与えられたら、その都度自己学習をすること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 (1)授業計画・内容の説明、設計荷重の設定-1
(2)荷重および外力-1
(1)設計に用いる荷重を理解する。
(2)固定荷重・積載荷重・積雪荷重・風圧力・地震力の算定方法を理解する。 
2週 (1)設計用荷重の設定-2
(2)荷重および外力-2
(1)設計に用いる積載荷重及び固定荷重を設定し、設計用床荷重の算定方法を理解する。
(2)固定荷重・積載荷重・積雪荷重・風圧力・地震力の算定ができる。 
3週 (1)応力計算のための準備計算-1
(2)耐力壁の設計-1
(1)剛比の計算、大梁のC ・Mo ・Qo の計算、常時柱軸力の計算について理解する。
(2)建築基準法施行令46条に定める壁量 耐力壁の配置と設計壁量及び許容耐力の算定ができる。
4週 (1)応力計算のための準備計算-2
(2)耐力壁の設計ー2
(1)剛比の計算、大梁のC ・Mo ・Qo の計算、常時柱軸力の計算について理解する。
(2)偏心率の算定 ねじれ補正係数の算定と鉛直構面の判定ができる。
5週 (1)応力計算のための準備計算-3
(2)床倍率の算定
(1)積雪荷重の計算、地震力の計算、風荷重の計算について理解する。
(2)火打ち水平構面の検討 存在床倍率の算定 水平構面の地震力および風圧力に対する検定ができる。
6週 (1)応力計算(鉛直荷重時)-1
(2)接合部の設計-1
(1)鉛直荷重時の応力算定について理解する。
(2)柱頭・柱脚の接合金物の検討ができる。
7週 (1)応力計算(鉛直荷重時)-2
(2)接合部の設計-2
(1)鉛直荷重時の応力算定について理解する。
(2)横架材端部接合部の検定ができる。
8週 (1)応力計算(水平荷重時)-1
(2)接合部の設計ー3
(1)柱の横力分布係数:D 及び 反曲点高比:y の計算について理解する。
(2)土台及びアンカーボルトの検定ができる。
2ndQ
9週 (1)応力計算(水平荷重時)-2
(2)軸力算定
(1)水平荷重時の応力算定について理解する。
(2)柱の長期軸力を算定できる。
10週 (1)応力計算(水平荷重時)-3
(2)柱の設計
(1)水平荷重時の応力算定について理解する。
(2)荷重の検討、めり込みの検討、短期曲げを受ける柱の検討ができる。
11週 (1)各種の規定値に関する検討
(2)梁の設計
(1)層間変形角、剛性率、偏心率の検討について理解する。
(2)長期の検討・短期の検討ができる。
12週 (1)H形鋼梁の応力分布状態
(2)母屋・垂木の設計
(1)H形鋼梁に荷重が作用している場合における、応力の分布状態について理解する。
(2)長期の検討・短期の検討ができる。
13週 (1)H形鋼梁の設計(検定)
(2)大引・根太の設計
(1)H形鋼梁の断面設計(検定)について理解する。
(2)長期の検討・短期の検討ができる。
14週 (1)H形鋼柱の設計(検定)
(2)基礎スラブの設計
(1)H形鋼柱の断面設計(検定)について理解する。
(2)地耐力の検討とスラブの設計ができる。
15週 (1)鉄骨小梁の設計(選定と検定)
(2)基礎罵詈の設計
(1)鉄骨小梁の断面設計(部材の選定と検定)について理解する。
(2)長期の検討・短期の検討ができる。
16週 (1)実建物の視察
(2)木造住宅の耐震補強
(1)実建物における各種接合部の視察を行い理解を深める。また、ポートフォリオの記入を行う。
(2)木造住宅の耐震補強方法の説明ができる。
後期
3rdQ
1週 (1)木材の力学特性
(2)RCの概要
(1)樹種によるヤング係数・強さの違いについて理解できる。
(2)RCの概要について理解できる。
2週 (1)木造建築物の構法
(2)RCの概要
(1)使用材料および構造について理解できる。
(2)RCの概要について理解できる。
3週 (1)木造建築物の水平抵抗メカニズム
(2)RCの概要
(1)外力(地震・風)に対する抵抗メカニズムについて理解できる。
(2)RCの概要について理解できる。
4週 (1)壁量計算(1)
(2)RCの力学特性
(1)概要・計算方法について理解できる。
(2)RCの力学特性について理解できる。
5週 (1)壁量計算(2)
(2)RCの力学特性
(1)概要・計算方法について理解できる。
(2)RCの力学特性について理解できる。
6週 (1)住宅性能表示制度による計算(1)
(2)RCの力学特性
(1)概要・計算方法について理解できる。
(2)RCの力学特性について理解できる。
7週 (1)住宅性能表示制度による計算(2)
(2)RCの力学特性
(1)概要・計算方法について理解できる。
(2)RCの力学特性について理解できる。
8週 (1)各構造要素の設計(1)
(2)RC梁の曲げ性状
(1)部材・鉛直構面の設計について理解できる。
(2)RC梁の曲げ性状について理解できる。
4thQ
9週 (1)各構造要素の設計(2)
(2)RC梁の曲げ性状
(1)基礎・水平構面の設計について理解できる。
(2)RC梁の曲げ性状について理解できる。
10週 (1)各構造要素の設計(3)
(2)RC梁の曲げ性状
(1)接合部の設計について理解できる。
(2)RC梁の曲げ性状について理解できる。
11週 (1)数値解析(1)
(2)RC梁の曲げ性状
(1)モデル作成方法について理解できる。
(2)RC梁の曲げ性状について理解できる。
12週 (1)数値解析(2)
(2)RC柱の中心圧縮性状
(1)地震応答解析について理解できる。
(2)RC柱の中心圧縮性状について理解できる。
13週 (1)限界耐力計算(1)
(2)RC柱の中心圧縮性状
(1)伝統木造建築物の耐震要素について理解できる。
(2)RC柱の中心圧縮性状について理解できる。
14週 (1)限界耐力計算(2)
(2)RC柱の中心圧縮性状
(1)建物の復元力の計算ができる。
(2)RC柱の中心圧縮性状について理解できる。
15週 (1)限界耐力計算(3)
(2)RC柱の中心圧縮性状
(1)限界耐力計算を行うことができる。
(2)RC柱の中心圧縮性状について理解できる。
16週 レポート講評・まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の特徴・分類を説明できる。5前2,前16
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。4前2,前15
物理的性質について説明できる。5後1
鋼材の性質について説明できる。5前2
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。5前2,前15,前16
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。5前2,前15,前16
構造建築物に働く力について説明できる。5前1,前2,前5
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。5前3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。5前3
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。5前3
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。5前2,前5
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。5前2,前5
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。5前3,前4,前12,前13,前15
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。5前3,前4,前12,前13,前15
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。5前3,前4,前12,前13,前15
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4前8,前14
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。4前8,前14
木構造の特徴・構造形式について説明できる。5後2
木材の種類・性質について説明することが出来る。5後1
木材の接合について説明できる。5後2
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。5後2
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。4前8
S造の特徴・構造形式について説明できる。5前11
鋼と鋼材の性質について説明できる。4前2
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。4前6,前7,前8
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。4前6,前7,前9,前10
曲げ材の設計の計算ができる。4前6,前7,前8,前9,前10
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。4前2,前5
地震による構造物の被害と対策について説明できる。4前2,前5
振動解析モデルについて説明できる。5後11,後12
部材の弾塑性の性質について理解している。4前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(レポート)合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力000007070
専門的能力000002020
分野横断的能力000001010