概要:
「線形性」という数学的構造は、数学の様々な所に内在し、またいろいろな形で現れ、通常、行列やベクトルを用いて表現される。この授業では、線形空間に関する抽象化された概念や理論の考え方を理解し、その観点から、行列やベクトルを扱う技術を向上させることを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業ごとに「授業プリント」と「課題プリント」を配付する。
各授業は、「授業プリント」に基づいて進め、「課題プリント」により予習・復習してもらう。
この科目は学習単位科目のため、事前・事後学習としてレポート(課題プリント)を課す。
注意点:
事前に本科で学んだ行列、ベクトルに関する内容を復習しておくこと。
「課題プリント」は必ず提出期限日までに提出すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
集合、線形空間、線形独立と線形従属 |
集合に関連した用語、記号、線形空間および線形独立と線形従属の定義と例、行列の階数との関係を理解する。
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2週 |
基底と次元、部分空間 |
線形空間およびその部分空間の基底、基底の変換の定義と例を理解する。また、その次元を求めることができる。
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3週 |
内積空間と正規直交基底 |
内積空間の定義と例を理解する。また、グラムシュミットの直交化法により、その正規直交基底を求めることができる。
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4週 |
共通部分・和空間・直交補空間 |
部分空間の共通部分・和空間・直交補空間を求めることができる。
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5週 |
線形写像の行列による表現 |
線形写像の定義と例を理解し、行列による表現ができる。
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6週 |
線形写像の核と像、次元定理 |
線形写像の核と像の定義と例を理解し、次元定理を用いて核の次元を求めることができる。
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7週 |
行列式 |
いろいろな手法を用いて行列式を求めることができる。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
固有値、トレース、ケーリーハミルトンの定理 |
固有値とトレースの定義と例を理解し、それらを求めることができる。また、ケーリーハミルトンの定理を用いて行列の計算ができる。
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10週 |
固有ベクトルと対角化 |
固有値と固有ベクトルを用いて対角化可能な行列を対角化できる。また、対称行列を直交行列を用いて対角化できる。
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11週 |
2次形式 |
2次形式を標準化できて、2次曲線の概形を描くことができる。
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12週 |
複素行列の対角化 |
エルミート行列をユニタリ行列を用いて対角化できる。
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13週 |
行列の平方根と指数関数 |
行列の対角化を用いて、行列の平方根や指数関数について計算できる。
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14週 |
2次正方行列のジョルダン標準形 |
2次正方行列のジョルダン標準形が求められる。
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15週 |
3次正方行列のジョルダン標準形 |
3次正方行列のジョルダン標準形が求められる。
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16週 |
前期末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 4 | 前1,前2,前8,前9,前10,前15,前16 |
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。 | 4 | 前1,前2,前8,前9,前10,前15,前16 |
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 4 | 前3,前8,前9,前15,前16 |
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。 | 4 | 前3,前4,前8,前9,前15,前16 |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前9,前10,前15,前16 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 4 | 前7,前8,前9,前15,前16 |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 4 | 前11,前12,前15,前16 |
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。 | 4 | 前5,前8,前9,前10,前13,前14,前15,前16 |
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。 | 4 | 前6,前7,前8,前9,前11,前13,前14,前15,前16 |