応用物理特論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理特論
科目番号 0023 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は特に指定しない。授業中は板書を基本とするが、スライドを使用する場合は資料を配布する。
また、各テーマに対応した参考書は適宜指示する。
参考書:砂川重信著 「電磁気学―初めて学ぶ人のために 」 (培風館) 978-4563022372、砂川重信著「電磁気学 (物理テキストシリーズ 4)」(岩波書店) 978-4000077446、内山龍雄著 「相対性理論 (物理テキストシリーズ 8)」(岩波書店) 978-4000077484、A. アインシュタイン著「相対性理論」(岩波書店) 978-4003393413、ヨビノリたくみ著「難しい数式はまったくわかりませんが、相対性理論を教えてください!」( SBクリエイティブ) 978-4815604172
担当教員 野田 宗佑

到達目標

1) 本科3年生の応用物理で学んだ力学の基礎知識を復習し、やや発展的な力学の問題が解けるようにすること。
2) 本科4年生の応用物理で学んだ電磁気学の基礎知識を復習し、やや発展的な内容についての問題が解けるようにすること。
3) 力学と電磁気学に関する考察から生まれた特殊相対性理論について学び、時間と空間に関する固定概念を取り払うこと。
4) 特殊相対性理論から発展した一般相対性理論について触れ、なぜ時空の歪みが重力になっているのか知ること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1多くの物理概念・物理量を含んだ問題を解くことができる。物理量の意味をイメージでき、説明することができる。物理量を計算し、単位付きで表示することができる。物理量の定義を一部は説明することができる。定義式を用いた特定の計算はできる。  A ・ B ・ C
評価項目2様々な物理法則を数式を用いて説明することができる。それらを用いて発展的な問題を解くことができる。様々な物理法則を数式を用いて説明することができる。それらを用いて基礎的な問題を解くことができる。様々な物理法則の概要を説明することができる。  A ・ B ・ C
評価項目3実験装置のしくみや実験の原理を説明することができる。測定データから表やグラフを作成し、物理法則を用いて分析し、考察をすることができる。実験装置のしくみや実験の原理を説明することができる。測定データから表やグラフを作成し、物理法則を用いて分析することができる。実験装置のしくみや実験の原理を説明することができる。レポートに測定データを提示し、測定データから表やグラフを作成することができる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科で習得した力学と電磁気学の基礎知識を踏まえて、より広範な自然現象を理解できるようになることを目標とする。
上記の力学は物体の運動速度などが光速に比べて成り立つ理論体系である。非常に高速な場合も含めて考えるとニュートンの力学を変更(拡張・一般化)せざるを得なくなる過程を学び、アインシュタインの相対性理論についてもごく簡単な数学(高専本科1年生程度)をベースに学ぶ。必要な数学や概念はその都度丁寧に説明する。
授業の進め方・方法:
学習を促すための宿題を出すのでしっかりと取り組むこと。
板書を行うため、ノートを持参すること。
注意点:
数学的にはそれほど難しいところは少ないが、新しい概念(時空など)が登場するため、しっかりと復習すること。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                     
 ・前期末試験まで :
                                      
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業の概要と相対性理論についての概説を理解すること。
2週 ニュートン力学とガリレイ変換 ニュートン力学についての復習として、理論体系と運動方程式について復習する。特に慣性系について理解すること。
3週 電磁気学の復習:理論体系、基礎方程式、電磁波 電磁気学の復習としてマクスウェル方程式について学ぶ。マクスウェル方程式から得られる波動方程式により光=電磁波であることを理解する。
4週 特殊相対性理論の導入 電磁気学と力学の考察から特殊相対性理論が生まれた経緯について学ぶこと。
5週 光速度不変の原理と時空上の距離 光速度不変の原理を尊重する時空上の距離について学ぶこと。
6週 光速度不変の原理とローレンツ変換 光速度不変の原理とローレンツ変換を通じて時空という概念を理解すること。
7週 時空図 時空図とは何かを理解し、時間的・ヌル・空間的などの用語を理解し、因果構造について学ぶこと。また「同時」とは観測者ごとに異なることを時空図から理解すること。
8週 ここまでのまとめとレポートについての説明 まとめとレポートの出題(テーマごとに自分で調べて小論文としてまとめる)をする。
4thQ
9週 相対論的な運動方程式(1) 相対論的な運動方程式の記述と有名なE=mC^2の公式がどこから出てくるのか知ること。
10週 相対論的な運動方程式(2) 相対論的な運動方程式の記述と有名なE=mC^2の公式がどこから出てくるのか知ること。
11週 特殊相対性理論のまとめと等価原理 慣性力と重力の類似点からアインシュタインが思いついた原理について学ぶこと。
12週 時空の歪みと重力 重力が時空の歪みであることについて説明できること。重力による時間のおくれについても学び、GPS衛星と地上における時間の流れの違いを計算すること。
13週 ブラックホール(1) 時空図と時空上の因果関係について復習する。そして時空図を用いてブラックホールとは何か正しく理解すること。
14週 ブラックホール(2) ブラックホールに関する研究について知り、現代物理学に関する知見を広げること。
15週 ここまでのまとめ 相対性理論について学んだことをまとめて、知識を整理すること。
16週 レポートの返却および解説 レポートの解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
運動の法則について説明できる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
波動共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3

評価割合

レポート課題 宿題(演習問題)授業中課題(内容の習熟確認)合計
総合評価割合503020100
基礎的能力30151055
専門的能力20151045
分野横断的能力0000