概要:
本科で習得した力学と電磁気学の基礎知識を踏まえて、より広範な自然現象を理解できるようになることを目標とする。
上記の力学は物体の運動速度などが光速に比べて成り立つ理論体系である。非常に高速な場合も含めて考えるとニュートンの力学を変更(拡張・一般化)せざるを得なくなる過程を学び、アインシュタインの相対性理論についてもごく簡単な数学(高専本科1年生程度)をベースに学ぶ。必要な数学や概念はその都度丁寧に説明する。
授業の進め方・方法:
学習を促すための宿題を出すのでしっかりと取り組むこと。
板書を行うため、ノートを持参すること。
注意点:
数学的にはそれほど難しいところは少ないが、新しい概念(時空など)が登場するため、しっかりと復習すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
授業の概要と相対性理論についての概説を理解すること。
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2週 |
ニュートン力学とガリレイ変換 |
ニュートン力学についての復習として、理論体系と運動方程式について復習する。特に慣性系について理解すること。
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3週 |
電磁気学の復習:理論体系、基礎方程式、電磁波 |
電磁気学の復習としてマクスウェル方程式について学ぶ。マクスウェル方程式から得られる波動方程式により光=電磁波であることを理解する。
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4週 |
特殊相対性理論の導入 |
電磁気学と力学の考察から特殊相対性理論が生まれた経緯について学ぶこと。
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5週 |
光速度不変の原理と時空上の距離 |
光速度不変の原理を尊重する時空上の距離について学ぶこと。
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6週 |
光速度不変の原理とローレンツ変換 |
光速度不変の原理とローレンツ変換を通じて時空という概念を理解すること。
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7週 |
時空図 |
時空図とは何かを理解し、時間的・ヌル・空間的などの用語を理解し、因果構造について学ぶこと。また「同時」とは観測者ごとに異なることを時空図から理解すること。
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8週 |
ここまでのまとめとレポートについての説明 |
まとめとレポートの出題(テーマごとに自分で調べて小論文としてまとめる)をする。
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4thQ |
9週 |
相対論的な運動方程式(1) |
相対論的な運動方程式の記述と有名なE=mC^2の公式がどこから出てくるのか知ること。
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10週 |
相対論的な運動方程式(2) |
相対論的な運動方程式の記述と有名なE=mC^2の公式がどこから出てくるのか知ること。
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11週 |
特殊相対性理論のまとめと等価原理 |
慣性力と重力の類似点からアインシュタインが思いついた原理について学ぶこと。
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12週 |
時空の歪みと重力 |
重力が時空の歪みであることについて説明できること。重力による時間のおくれについても学び、GPS衛星と地上における時間の流れの違いを計算すること。
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13週 |
ブラックホール(1) |
時空図と時空上の因果関係について復習する。そして時空図を用いてブラックホールとは何か正しく理解すること。
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14週 |
ブラックホール(2) |
ブラックホールに関する研究について知り、現代物理学に関する知見を広げること。
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15週 |
ここまでのまとめ |
相対性理論について学んだことをまとめて、知識を整理すること。
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16週 |
レポートの返却および解説 |
レポートの解説及びポートフォリオの記入
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 物理 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 4 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 4 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 4 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 4 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 4 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 4 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 4 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 4 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 4 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 4 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 4 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 4 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 4 | |
運動の法則について説明できる。 | 4 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 4 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 4 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 4 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 4 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 4 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 4 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 4 | |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 2 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
波動 | 共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |