技術者倫理

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 技術者倫理
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学専攻 対象学年 専2
開設期 集中 週時間数
教科書/教材
担当教員 中村 裕文,山路 哲平,下津 義博,藤原 稔,外山 真也

到達目標

【下津】技術者として生きていくために、基本となる社会との係わりでの義務と責任について理解し、説明できること.
【山路】企業内技術者の社会的責任について理解し、説明できること。
【外山】研究者が高い次元の倫理観および教養を必要とされる。それらの理由を理解し、説明できること。
【藤原】公務員と専門技術者は、社会と実施主体の関係において、類似していることを理解し、説明できること。また、公益の確保と信用失墜行為の禁止、環境倫理など基本的な技術士倫理について説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術者として生きていくために、基本となる社会との係わりでの義務と責任について理解・説明でき、更に応用までできる。技術者として生きていくために、基本となる社会との係わりでの義務と責任について理解し、説明できる。技術者として生きていくために、基本となる社会との係わりでの義務と責任について理解できる。
評価項目2企業内技術者の社会的責任について理解し、説明でき、更に応用までできる。 企業内技術者の社会的責任について理解し、説明できる。企業内技術者の社会的責任について理解しできる。
評価項目3研究者が高い次元の倫理観および教養を必要とされる理由を理解し、説明でき、更に応用までできる。研究者が高い次元の倫理観および教養を必要とされる理由を理解し、説明できる。研究者が高い次元の倫理観および教養を必要とされる理由を理解できる。
評価項目4 公務員と専門技術者は、社会と実施主体の関係において、類似していることを理解し、説明でき、更に、公益の確保と信用失墜行為の禁止、環境倫理など基本的な技術士倫理について説明できる。公務員と専門技術者は、社会と実施主体の関係において、類似していることを理解し、説明できる。 公務員と専門技術者は、社会と実施主体の関係において、類似していることを理解できる。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
【下津】技術者として、環境問題にどのように向き合っていくか、企業、公益法人、NPO法人等での体験と国際社会での活動を例示し理解する。
【山路】倫理規定、法律や企業倫理違反事例をもとに、企業内技術者の社会的責任を理解する。
【外山】技術者倫理の必要性、倫理問題についての対処方法、評価方法を学習し、理解する。
【藤原】公務員と専門技術者との類似性について概説し、組織活動とステークホルダーとの関係、環境倫理の重要性、政策立案と主体形成について実践的手法の重要性を理解する。
授業の進め方・方法:
1)日頃から新聞,テレビニュース等をよく見ておくこと.
2)授業中は積極的に質問たり,討議に参加すること.
3)技術者とは何かについて熟考し,その使命について自己学習しておくこと.
4)授業で出された課題に的確に応えられるように,題意を踏まえて論理的に記述することを学習すること.
5)授業中に課せられた課題について,授業内容を含み,レポートを作成すること.また,論理的に記述すること.
注意点:
【山路】授業に先立って配布された課題について自己学習し、授業にて学習結果を発表し、それを全員で討議する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明 授業計画の説明
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
2週 1.下津担当分 講師の紹介,これまでの経歴等を理解する
3週 1-1. 技術者の理念
1-2. 歴史の中の技術者
技術者として、必要な理念をどのように構築していくかを理解する
技術史、科学史の中の倫理。
4週 1-3. 生活者としての技術者
1-4. 具体的事例
家庭人、会社人、社会人、世界人として自己の位置付けはどこにあるかを理解する
技術者倫理が問われた最近の事例。
5週 2.山路担当分
講師の紹介,これまでの経歴等を理解する
6週 2-1. 企業に求められる倫理
2-2. 企業が順守すべき法律
企業の目的と責任
会社法、労働安全衛生法、環境基本法等の概要を理解する
7週 2-3. 技術者に求められる倫理
2-4. 企業倫理違反事例
日本技術士会等の倫理規定
最近の報道における違反事例(1.姉歯事件、2.六本木回転ドア事件、3.パロマ中毒死事故、4.シンドラーエレベータ事故、5.ミートホープ事件)、6.セウォル号沈没事故 の詳細を知る
8週 2-5. 課題発表
2-6. 発表内容の討議
課題レポートのテーマとまとめ方について理解する
2ndQ
9週 3.外山担当分 講師の紹介,これまでの経歴等を理解する
10週 3-1. 自己の現状分析
3-2. モラルと倫理
自己分析、モラルと倫理について理解する
試験結果のバラツキ、道路工事の事例研究
11週 3-3. 技術者の責任
3-4.倫理問題解決能力
STAP細胞事件について
立ち合い試験、地下水の水質検査の事例研究
12週 3-5.倫理問題対処方法
3-6.ヒューマンエラー
3-7.個の確立
対処方法の見つけ方と評価、人間は完璧ではない
13週 4.藤原担当分 講師の紹介,これまでの経歴等を理解する
14週 4-1. 行政活動の目的
4-2. 公務員と専門技術者の立場
行政の役割、IR活動の必要性
技術者と公務員の類似性と立場、環境倫理、専門家の役割を理解する
15週 4-3. リスクコミュニケーション
4-4. 住民と行政の協働
リスクマネジメントにおける情報管理、PI、世論形成について理解する
地方分権、市民参画
16週 4-5. 課題演習
4-6. ナレッジマネジメント
専攻別に類似した政策課題についてWS演習
個人知、組織知、暗黙知、形式知などの知の相互転換方法を理解する
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。4前3,前4,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前14,前15,前16
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4前3,前4,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前14,前15,前16
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。4前3,前4,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前14,前15,前16
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。4前3,前4,前6,前7,前10,前15
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。4前3,前4,前6,前7,前10,前15
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4前3,前4,前6,前7,前10,前11,前12,前14,前15,前16
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4前3,前4,前6,前7,前10,前11,前12,前14,前15,前16
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4前3,前4,前6,前7,前10,前11,前12,前16
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4前3,前4,前6,前7,前10,前11,前12
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4前3,前4,前6,前7,前10,前12,前14
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4前3,前4,前6,前7,前10,前12,前14
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。4前3,前4,前6,前7,前10,前11,前12,前14,前15,前16
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4前3,前4,前6,前7,前10,前11,前12,前14,前15,前16
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4前3,前4,前6,前7,前10,前11,前12,前14,前15,前16

評価割合

試験発表相互評価レポート小テストその他合計
総合評価割合0007013083
知識の基本的な理解/基礎的能力0005010060
思考・推論・創造への的能力/専門的能力000203023
総合的な学習経験と創造的思考力/分野横断的能力0008.750.757.50