建築材料実験特論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 建築材料実験特論
科目番号 0029 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 原田 志津男,浅野 浩平

到達目標

1)各種要因がコンクリートの品質に及ぼす影響を説明できること.
2)コンクリートの品質管理試験方法を修得し,試験結果を正しく評価できること.
3)構造体コンクリートの品質のばらつき程度を理解し,実際のコンクリート工事におけるコンクリート打設時の問題点とその対策を説明できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種要因がコンクリートの品質に及ぼす影響を実験結果に基づき,説明できる.各種要因がコンクリートの品質に及ぼす影響を実験結果に基づき,理解できる.各種要因がコンクリートの品質に及ぼす影響を実験結果に基づき,理解できる.
評価項目2実験方法手順を他人に正確に説明指導できるとともに,試験結果に問題がある場合の対処方法を提案できる. 試験方法手順を他人に正確に説明指導できるとともに,試験結果に問題がある場合の対処方法を提案できる. 自ら試験を行い,試験結果を評価できる.指導助言を受けても,試験および品質評価を行うことができる.
評価項目3実験結果と実際の構造体コンクリートの性状の整合性を評価し,より実情に則した試験方法を提案できる.実験結果と実際の構造体コンクリートの性状の整合性を関連する文献,基準等を参照,引用し評価できる.実験結果と実際の構造体のコンクリートの性状の整合性を評価できる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は,各種要因がコンクリートの性状に及ぼす影響等について実験形式で授業を行う.また,普通コンクリートを用いた柱模擬試験体(500×500×250㎜程度)を製造し,同試験体から採取したコア供試体による構造体コンクリート強度試験を実践することにより,構造体コンクリート強度に関する基礎的知識についても学習する.
授業の進め方・方法:
実験は共同で学生が自発的に役割分担を行い,実施する.事前学習としては,高専の建築学実験(建築材料実験)で行った骨材の物理試験方法、コンクリートの調合設計法を十分に復習しておくこと.実験結果の考察においては使用材料およびコンクリートの品質等に関する各種基準(規準),規格を調査し,実験結果の妥当性についても十分な検討を行うこと.
注意点:
・実験中は作業着を着用し,電卓を準備すること.
・試験は実施しない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・授業概要の説明,セメント,骨材の物理試験及び柱模擬試験体の型枠作成 ・セメントの密度を測定できる.
・骨材の密度吸水率,単位容積質量を測定できる.
・所要の精度の型枠が製造できる.
2週 柱模擬試験体の作製 ・コンクリートの調合設計ができる.
・所要の性能を有するコンクリートの製造ができる.
・柱模擬試験体の製造ができる.
3週 フレッシュコンクリートの性状に関する実験計画 単位水量,細骨材率がフレッシュコンクリートの性状に及ぼす影響を確認するための実験を計画できる.
4週 フレッシュコンクリートの性状に関する実験(その1) スランプ試験,空気量の測定を正確にできる.
5週 フレッシュコンクリートの性状に関する実験(その2) スランプ試験,空気量の測定を正確にできる.
6週 柱模擬試験体に使用したコンクリートの調合強度管理試験 使用したコンクリートの圧縮強度に関する品質評価ができる.
7週 硬化コンクリートに関する実験計画 水セメント比が圧縮強度に及ぼす影響を確認するための実験を計画できる.
8週 圧縮強度試験体の作製(その1) 強度試験用供試体の作製ができる.
2ndQ
9週 1週強度試験(その1)及び圧縮強度試験体の作製(その2) ・強度試験用供試体の作製ができる.
・コンクリートの圧縮強度試験を正確にできる.
10週 1週強度試験(その2) コンクリートの圧縮強度試験を正確にできる.
11週 コンクリートの中性化試験 コンクリートの中性化試験を実施し,中性化速度係数を求めることができる.
12週 硬化コンクリートの4週強度試験(その1) コンクリートの圧縮強度試験を正確にできる.
13週 硬化コンクリートの4週強度試験(その2) ・コンクリートの圧縮強度試験を正確にできる.
・セメント水比と圧縮強度の関係式を求めることができる.
14週 高温加熱を受けたコンクリートの劣化度評価 受熱温度とコンクリートの劣化度の関係を説明できる.
15週 構造体コンクリートの強度試験 柱模擬試験体からコア供試体を採取し,コア供試体を用いた圧縮試験により,構造体コンクリートの品質判定をできる.
16週 レポート総評,ポートフォリオ記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。5前2
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。5前3,前4
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。5前6,前7,前8,前10
施工・法規型枠の組立て手順について説明できる。5前1
使用材料の試験・管理値について説明できる。4前1,前15
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。4前2
養生の必要性について説明できる。4前2
分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。4前1,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験結果を整理し、考察できる。4前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00010090100
基礎的能力000001010
専門的能力000008080
分野横断的能力000100010