到達目標
1)地球環境を物理的に理解するための流体力学の知識を身につけること。
2)実際の海流や大気の流れを物理的に理解すること。
3)エルニーニョ現象など、海流と環境の影響について理解すること。
4)地球に関する基礎知識を踏まえて、地球環境問題について考察してレポートにまとめる力を身に着けること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安
A | 標準的な到達レベルの目安
B | 未到達レベルの目安
C | (学生記入欄)
到達したレベルに〇をすること。 |
評価項目1 | 地球の構造とその変動、変動に伴って生じる諸現象について理解し説明できる。 | 地球の構造とその変動、変動に伴って生じる諸現象について理解できる。 | 地球の構造とその変動、変動に伴って生じる諸現象について一部は理解できる。 | A ・ B ・ C |
評価項目2 | 地球表層(海と大気)の流体を記述する方程式を理解して実際に計算できるようになる。 | 地球表層(海と大気)の流体を記述する方程式の意味を理解することができる。 | 地球表層(海と大気)が流体力学で記述されることを理解することができるが、式の意味や計算はできない。 | A ・ B ・ C |
評価項目3 | 地球大気・海洋の循環の地球環境への影響について理解し、説明できる。 | 地球大気・海洋の循環の地球環境への影響について理解できる。 | 地球大気・海洋の循環の地球環境への影響について一部は理解できる。 | A ・ B ・ C |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 B
説明
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JABEE a
説明
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JABEE d
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教育方法等
概要:
近年では地球温暖化や異常気象と呼ばれるような問題を目にすることが多くなっている。これらは地球上の熱・化学物質・水・大気の絡み合いが引き起こす現象であり、理解するための基礎は熱力学・流体力学といった物理学である。本授業では、地球上の現象を物理的に理解するため、流体力学を用いた大気と海の循環について学ぶ。地球表面は陸地の上に水と気体が乗った系である。詳しく言えば、重力により密度が大きいものが下になるような層構造をしており、そこに重力・圧力勾配による力・自転の影響であるコリオリ力などがかかっている流体系である。この授業では、地球に関する基礎的知識を身に着けた上で、流体力学的な地球大気・海流の記述を学ぶ。そして、その応用として地球の環境問題について考察することを目的とする。
授業の進め方・方法:
黒板を用いた板書を中心に進める。また、理解の助けとなる演習なども行う。
注意点:
物理学の基礎を十分に理解しておくこと。
基礎から説明するが内容が高度なこともあるため、しっかりと復習すること。
ポートフォリオ
(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
(記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
・前期中間試験まで:
・前期末試験まで :
・後期中間試験まで:
・学年末試験まで :
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
(記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
・前期中間試験 点数: 総評:
・前期末試験 点数: 総評:
・後期中間試験 点数: 総評:
・学年末試験 点数: 総評:
【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
・総合評価の点数: 総評:
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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
・前期中間試験まで:
・前期末試験まで :
・後期中間試験まで:
・学年末試験まで :
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1. 地球の概観 1-1 地球の大きさと形、地球の内部構造と構成物質 1-2 地球の表面、大気と海流 |
地震波の伝搬などから推定できる地球内部の構造と地球表面で起こる循環について学ぶ。
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2週 |
2. 流体力学の基礎 2-1 流体とは、流体の運動方程式 |
流体とは何かを理解して、流体の運動方程式の意味を理解する。また必要な数学について学ぶ。
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3週 |
2-2 流体の運動方程式の性質 2-3 流体の波 |
流体力学の方程式の諸性質と波動の記述について学ぶ。
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4週 |
2-4 浅水波 |
波動の例として浅いところを伝播する波(長波)について学ぶ。
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5週 |
2-5 ここまでのまとめ、 2-6 地球上の現象への応用にむけて
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復習として演習を行う。またここまで学んだ内容を地球上の現象に適用するには何か必要か考察する。
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6週 |
3. 回転系の流体力学と自然現象 3-1 加速系と慣性力 |
回転系における流体の記述の必要性を理解し、非慣性系における見かけの力について復習する。
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7週 |
3-2 回転系とコリオリ力 |
回転系における慣性力としてコリオリ力が現れることを理解する。
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8週 |
前期中間試験 試験答案の返却及び解説 |
試験問題の解説
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2ndQ |
9週 |
3-3 回転系における流体の運動方程式 期末レポートの説明 |
回転系における流体の記述を学び、方程式の意味を理解する。 期末レポートで行う内容について理解する。
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10週 |
3-4 地衡流
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コリオリ力と圧力勾配が釣り合って発生する地衡流について理解する。
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11週 |
3-5 テイラー・プラウドマンの定理
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地衡流が満たすテイラー・プラウドマンの定理について学ぶ。その結果得られるテイラー柱という面白い現象についても動画を観て学ぶ。
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12週 |
3-6 ロスビー波 3-7 ロスビー波と偏西風の蛇行 |
ロスビー波がもたらす偏西風の異常蛇行について理解する。
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13週 |
3-8 陸棚波
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陸棚波の物理を通じて、異常潮位など生活や環境に及ぼす影響について理解する。
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14週 |
4. 地球環境の流体力学的理解 4-1 都市のヒートアイランド現象 |
流体力学で理解できる地球環境の例としてヒートアイランド現象について学ぶ。
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15週 |
4-2 海水の風成循環 |
風(大気の流れ)によって起こる海流の生成機構について学ぶ。
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16週 |
まとめと期末レポートについての評価
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授業のまとめとレポートの解説およびポートフォリオの記入
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス・アースサイエンス | ライフサイエンス・アースサイエンス | 太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。 | 4 | |
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。 | 4 | |
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。 | 4 | |
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。 | 4 | |
マグマの生成と火山活動を説明できる。 | 3 | |
地震の発生と断層運動について説明できる。 | 4 | |
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。 | 4 | |
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。 | 4 | |
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 | 4 | |
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。 | 4 | |
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。 | 4 | |
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。 | 4 | |
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。 | 4 | |
有害物質の生物濃縮について説明できる。 | 4 | |
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 中間試験 | レポート(演習問題) | 授業中課題 | 期末レポート | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 35 | 20 | 15 | 30 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 25 | 10 | 10 | 15 | 0 | 0 | 0 | 60 |
専門的能力 | 10 | 10 | 5 | 15 | 0 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |