工業力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工業力学Ⅰ
科目番号 0037 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 機械力学の基礎と演習 萩原 芳彦 編著 オーム社
担当教員 塚本 公秀

到達目標

物理で学習した力学分野をさらに機械の分野の問題に応用できるよう橋渡しをする。機械工学ではものの動きや現象を解析的に捉える目を養う必要がある。その基礎として様々な機械部品にかかる力で特に静止している状態での力を解析できること。直感的に理解できる問題をつりあい式で解析的に求める。力のつりあいを区分求積法(積分)を用いて数式で表し、これを解いて現実の現象を確認する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複数個の力が作用する構造体の静止状態において.力のつり合いとモーメントのつり合いから力の関係を求められる。3力の作用する場における力とモーメントのつり合いを求められる。作用力の関係を力の図示ができない。さらに二次元座標に力を分解できない。
評価項目2摩擦を考慮する場合の物体に作用する摩擦力を正しく把握し、物体に作用する力の関係を解析できる。摩擦を考慮すべき静止物体を運動させるもしくは運動している物体を静止させるために必要な力を計算できる。物体に作用する摩擦抵抗の方向を考慮したつり合い状態を方程式として表記できない。
評価項目3仕事と動力の定義を理解して損失を考慮した必要動力を解析できる。単純な運動における仕事量や動力計算ができる。仕事や動力の定義から単純な運動への適応ができない。
様々な種類の支点をもつ物体に集中、分布荷重が複数作用していても全支点における反力・モーメントを計算できる。等分布荷重を受けるはりや集中荷重を受けるはりなど単純な荷重の2支点における反力の計算ができる。等分布荷重を受けるはりの支点反力が計算できない。
三角形や長方形などの単純形状の重心を積分を用いて計算でき、単純形状の組み合わせによる形状の物体の重心を求められる。三角形や長方形などの単純形状の重心を積分を用いて計算できる。左右対称形状の単純形状の組み合わせによる形状の物体の重心しか求められない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工業力学Ⅰでは静的な力学(静止しているのは外力が働いていないときだけでなく、作用している外力と外力によるモーメントがつりあっていることです)を学びます。3年での工業力学Ⅱで学習する動力学と合わせて工業力学の分野と通常呼ばれています。
授業の進め方・方法:
教科書の章の学習後、例題と章末問題から何題かを宿題にするので、予習すること。このための専用の演習ノート(A4版)を準備すること。学習内容の確認小テストを実施する。予習、復習に自学学習の時間を多く充てること。
注意点:
数学の微積分の理解が必要です。3年での材料力学の基礎ともなります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス シラバスの説明
工業力学で使用する数学公式
2週 力の単位 SI単位で力の単位を説明できる.
力と重さの違いが説明できる
3週 力の合成と分解 一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる.
4週 力のつりあい 静力学問題解法の定石を説明できる
5週 モーメントのつりあい 力のモーメントの意味を理解し、計算できる.
回転運動をしない静止状態がモーメントのつりあい式で記述できる.
6週 つりあい問題 静止状態が力のつりあい式、モーメントのつりあい式で記述できる.
7週 偶力 偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる.
8週 復習と試験 達成度を確認する.
4thQ
9週 摩擦力 摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる.
10週 仕事と動力 仕事・動力の意味を理解し、計算できる.
11週 支点の種類 回転・移動・固定支点の種類を説明できる.
12週 支点に働く反力とモーメント 回転・移動・固定支点に働く力・モーメントが説明できる.
13週 区分求積法と定積分 区分求積法と定積分:分布荷重が積分式で表現できる.
14週 分布力 集中荷重と分布荷重での力のかかり方の違いが説明できる.

分布加重の作用するはりの支点反力が積分で計算できる.
15週 重心 重心の意味を理解し、平板の重心位置を計算できる.
複雑な形状の重心を重合の理で計算できる.
16週 復習と試験 達成度を確認する.

評価割合

試験確認テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000