機械工作法Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械工作法Ⅰ
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 文部科学省検定教科書 機械工作1 嵯峨常生他11名著 実教出版
担当教員 東 雄一

到達目標

本科目では工作実習の内容を体系的に学習する.機械工学の総括的知識を必要とするが,専門教科として最初の科目であることから,機械工学の専門用語に慣れること.講義内容は前期の材料学Ⅰで学習した金属材料の機械的な性質が温度と関係することを理解したことを基に学習し,溶融加工として砂型鋳造法と特殊鋳造法での製品の製作法が説明できるようになること.実習で行う溶接加工についてガス,電気溶接について原理を説明できるようになること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ねずみ鋳鉄と白鋳鉄について,炭素・けい素の含有量と冷却速度による組織変化を説明できる.ねずみ鋳鉄と白鋳鉄について説明できる.ねずみ鋳鉄と白鋳鉄について説明できる.
評価項目2各種鋳鉄の特徴および各種模型・各種鋳型・鋳型の要件を説明できる.各種鋳鉄の名称および鋳造に関する専門用語を説明できる.各種鋳鉄の名称および鋳造に関する専門用語を説明できない.
評価項目3砂型鋳造法における模型製作上の留意事項,鋳型の種類とその特徴,鋳物砂の性質と粒度の関係について説明できる.砂型鋳造法の特徴を説明できる.砂型鋳造法の特徴を説明できない.
評価項目4分かり易いプレゼンテーション資料をグループメンバーと協力して作成でき,聴講者が理解できるようしっかりと発表できる.各種鋳造法のプレゼンテーション資料をグループメンバーと協力して作成できる.各種鋳造法のプレゼンテーション資料をグループメンバーと協力して作成できない.
評価項目5溶接の一般的な特徴および融接・圧接・ろう接の原理・特徴を説明できる.溶接法の分類できる.溶接法の分類できない.
評価項目6ガス溶接・アーク溶接の原理およびそれぞれの特徴,溶接棒,フラックスの役割,被覆材の役割を説明できる.ガス溶接・アーク溶接の原理を説明できる.ガス溶接・アーク溶接の原理を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
同時開講の工作実習(1-3年)で学ぶ加工技術の実際的知識を本科目により体系化する.工作法で学んだ知識を以後の設計・製図などに効果的に用いる.
授業の進め方・方法:
教科書を用いた講義を行う.
学習内容の確認テストをその授業の最後に実施する.
各種の鋳造法については,グループワークによるプレゼンテーションを通じて理解を深める.
関連科目:材料学Ⅰ,機械工作法Ⅱ,工作実習Ⅰ~Ⅲ
注意点:
① 総合評価にて単位を修得できなかった学生については,再評価試験は1回のみ実施する.定期試験,確認テストの勉強,レポートを怠ることのないように.
② グループワークによるプレゼンテーションの評価については,グループ内の貢献度を評価するためにメンバー同士の相互評価を取り入れる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
材料学Ⅰの復習
シラバスの説明
応力の計算ができる.
2週 鋳鉄 鋳鉄と鋳鋼の違いを理解し,説明できる.
鋳鉄の組織と性質を理解し,説明できる.
3週 鋳鉄の種類 ねずみ鋳鉄と白鋳鉄の違いを理解し,説明できる.
強靱鋳鉄と可鍛鋳鉄の性質を理解し,説明できる.
鋳鉄の加工性を理解し,説明できる.
4週 鋳造のあらまし 模型・鋳型・鋳物に関する基本的用語について理解し,説明できる.
鋳造で作られた製品の特徴を理解し,説明できる.
5週 模型と鋳型
模型の種類について理解し,説明できる.
各種鋳型(金型・外型・中子)について理解し,説明できる.
鋳型の要件を理解し,説明できる.
6週 砂型鋳造法のあらまし
模型の種類
中空丸棒の製作例を理解し,説明できる.
模型製作上の留意事項について理解し,説明できる.
7週 鋳型の構造と種類
鋳物砂
鋳型の要件,構造を名称と共に理解し,説明できる.
鋳型の種類を理解し,説明できる.
鋳物砂に望まれる性質を理解し,説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験の答案返却・解説
造型設備
溶解と鋳込み
試験において間違った部分を自分の課題として把握する.
砂型造型機の造形機構について説明できる.
溶解炉の種類と構造・用途について説明できる.
10週 溶解と鋳込み
鋳造の管理
鋳込みと後処理について説明できる.
鋳物不良とその原因・対策について説明できる.
11週 各種の鋳造法(グループワーク) 精密鋳造法,シェルモールド鋳造法,ダイカスト鋳造法
等の各種鋳造法について,それぞれの原理・特徴をま
とめプレゼンテーションをすることができる.
12週 金属の接合と溶接 溶接の一般的な長所と短所,融接,圧接,ろう接の原理について理解し,説明できる.
溶接法の種類について理解し,説明できる.
13週 ガス溶接 ガス溶接の原理,アセチレンガス,溶接棒,フラックスについて理解し,説明できる.
ガス切断法の原理,特徴,応用について理解し,説明できる.
14週 アーク溶接 アーク溶接の原理,直流アーク,交流アークについて理解し,説明できる.
溶接棒,被覆材の働き,運棒法,ビードについて理解し,説明できる.
15週 期末試験の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する.
16週

評価割合

試験確認テストレポートグループワーク合計
総合評価割合60201010100
基礎的能力00000
専門的能力60201010100
分野横断的能力00000