機械工作法Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械工作法Ⅰ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 文部科学省検定教科書 機械工作1 嵯峨常生他11名著 実教出版
担当教員 東 雄一

到達目標

本科目では工作実習の内容を体系的に学習する.機械工学の総括的知識を必要とするが,専門教科として最初の科目であることから,機械工学の専門用語に慣れること.
講義内容は機械工作法の成形加工に分類される鋳造,付加加工に分類される溶接を扱う.鋳造の単元では,砂型鋳造法と特殊鋳造法での製品の製作法が説明できるようになること.溶接の単元では,ガス溶接,アーク溶接,抵抗溶接について原理を説明できるようになり,溶接の学問として大事な溶接変形や残留応力の発生メカニズムも説明できるようになると尚良い.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1模型製作・鋳型製作・溶解,鋳込み,鋳込み後の処理,鋳物の欠陥についてそれぞれの概略や特徴を説明できる.砂型鋳造法を基本とした鋳造工程を説明できる.砂型鋳造法を基本とした鋳造工程を説明できない.
評価項目2精密鋳造法,ダイカスト法およびその他の鋳造法について,それぞれの概略や特徴を説明できる.精密鋳造法,ダイカスト法およびその他の鋳造法の違いを説明できる.精密鋳造法,ダイカスト法およびその他の鋳造法の違いを説明できない.
評価項目3溶接の一般的な特徴および融接・圧接・ろう接の原理・特徴を説明できる.溶接法の分類できる.溶接法の分類できない.
評価項目4ガス溶接の原理および特徴,ガス溶接棒,フラックスの役割を説明できる.ガス溶接の原理を説明できる.ガス溶接の原理を説明できない.
評価項目5アーク溶接の原理および特徴,アーク溶接棒,被覆材の役割を説明できる.アーク溶接の原理を説明できる. アーク溶接の原理を説明できない.
評価項目6サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接の概略や特徴を説明できる.サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接の原理を説明できる.サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接の原理を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
講義内容は機械工作法の成形加工に分類される鋳造,付加加工に分類される溶接を扱う.
工作実習の1年生で鋳造と溶接(ガス溶接)を学んでおり,また,工作実習の2年生ではアーク溶接を学ぶ.工作実習にて体験的に学び,身に付けた加工技術の実践的知識を本科目により学術的な知識として修得し,工作法で学んだ知識を以後の設計・製図などに効果的に用いる.
授業の進め方・方法:
教科書を用いた講義を行う.
中間試験は鋳造の単元について実施する.
期末試験は溶接の単元について実施する.
関連科目:工作実習Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,機械工学演習,機械工作法Ⅱ,Ⅲ,材料学Ⅰ,Ⅱ
注意点:
① 日頃の勉強,課題・レポートを怠ることのないようにすること.
② 中間試験,期末試験以外において,実力を確認するための試験を行う場合がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
機械工作法の位置づけと学問形態
鋳造のあらまし(鋳造と鋳物)
シラバスの説明
機械工作法と工作実習の繋がりを理解し,説明できる.
機械工作法の分類を理解し,説明できる.
模型・鋳型・鋳物に関する基本的用語について理解し,説明できる.
鋳造で作られた製品の特徴を理解し,説明できる.
2週 模型製作 模型の種類について理解し,説明できる.
模型製作での留意事項を理解し,説明できる.
3週 鋳型製作
鋳物砂
砂型と金型の特徴を理解し,説明できる.
各種鋳型(金型・外型・中子)について理解し,説明できる.
鋳型の要件,鋳型の構造,鋳型の種類と鋳造法を理解し,説明できる.
鋳物砂に望まれる性質を理解し,説明できる.
4週 造型作業
溶解と鋳込み
手込めと機械込めの特徴と理解し,説明できる.
砂型造型機の造形機構について説明できる.
溶解炉の種類と構造・用途について説明できる.
鋳込み温度による影響を理解し,説明できる.
5週 鋳込み後の処理
鋳物の欠陥
後処理の工程と概略を理解し,説明できる.
鋳物不良とその原因・対策について説明できる.
6週 各種の鋳造法 精密鋳造法,シェルモールド鋳造法,ダイカスト法,遠心鋳造法,その他の鋳造法の概略と特徴を理解し,説明できる.
7週 中間試験
8週 金属の接合と溶接
開先と溶接継手
機械的接合と溶接の違いと特徴を理解し,説明できる.
溶接の一般的な長所と短所,融接,圧接,ろう接の原理について理解し,説明できる.
溶接法の種類について理解し,説明できる.
開先の必要性,種類,開先を設けた板の溶接の仕方について理解し,説明できる.
溶接継手と溶接方法について理解し,説明できる.
2ndQ
9週 溶接部の組織と機械的特性
残留応力と溶接変形
溶接部の組織と機械的特性の関係を理解し,説明でき
る.
残留応力と溶接変形の発生メカニズムを理解し,説明
できる.
10週 残留応力と溶接変形
溶接欠陥と対策
金属材料の溶接性
溶接変形と残留応力の発生メカニズムを理解し,説明
できる.
溶接変形の対策,残留応力の除去方法を理解し,説明
できる.
溶接部の欠陥と対策,検査方法を理解し,説明できる.
各種金属材料の溶接性を理解し,説明できる.
11週 ガス溶接 ガス溶接の原理,アセチレンガス,溶接棒,フラックスについて理解し,説明できる.
12週 アーク溶接 アーク溶接の原理,直流アーク,交流アークについて理解し,説明できる.
溶接棒,被覆材の働き,運棒法,ビードについて理解し,説明できる.
13週 いろいろなアーク溶接 サブマージアーク溶接,イナートガスアーク溶接,炭酸ガスアーク溶接の原理や特徴を理解し,説明できる.
14週 抵抗溶接
その他の接合法
抵抗溶接の原理を理解し,説明できる.
重ね抵抗溶接の原理を理解し,説明できる.
突合せ抵抗溶接の原理を理解し,説明できる.
ろう接と固相接合の原理や特徴を理解し,説明できる.
15週 期末試験の返却・解説
試験において間違った部分を自分の課題として把握する.
16週

評価割合

中間試験期末試験レポート合計
総合評価割合4545100100
基礎的能力00000
専門的能力4545100100
分野横断的能力00000