熱力学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 熱力学
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 基礎から学ぶ工業熱力学,佐野正利ほか2名著, コロナ社 〔教科書〕/ 例題で学ぶ工業熱力学,牧野州秀・芹沢昭示著,森北出版社
担当教員 三角 利之

到達目標

熱力学の基礎的知識を修得させ,各種エネルギ機器の設計・製造および取扱い等に応用できる能力を養う.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学で取り扱う物理量と状態量について理解し,応用的な問題を解くことができる.熱力学で取り扱う物理量と状態量について理解し,基本的な計算ができる.熱力学で取り扱う物理量と状態量について,理解していない.
評価項目2熱力学の基本的な法則を理解し,実際の応用的な問題に対応することができる.熱力学の基本的な法則を理解し,熱や仕事に関する基本的な問題を解くことができる.熱力学の基本的な法則を理解していない.
評価項目3実際の機器における気体の状態変化について,理想気体の状態式を応用することができる.理想気体の状態式を理解し,基本的な状態変化について状態量,熱量,仕事量を計算できる.理想気体の状態式や基本的な状態変化について,説明できない.
評価項目4実際の内燃機関のサイクルと理論的なサイクルを比較し,サイクルの状態変化の違いや性能について説明できる.内燃機関の基本的なサイクルについて理解し,熱効率や仕事量に関する性能計算ができる.内燃機関の基本的なサイクルや性能評価について,説明できない.
評価項目5種々の蒸気サイクルについて,機器の構成や蒸気の状態変化を説明でき,性能計算ができる.基本的な蒸気サイクルの構成と蒸気の状態変化との対応を説明でき,性能計算ができる.基本的な蒸気サイクルやその性能評価について説明できない.
評価項目6空気調和を行うために,湿り空気線図を利用して,必要な計算ができる.湿り空気の性質や湿度などの空気調和に関する基礎的事項および湿り空気線図について説明できる.空気調和に関する基本的な事項について,説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE 2.1(1)④ 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (3)④ 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 2.1(1)④ 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では、熱力学で取扱う基本的な熱や仕事に関する物理量、理想気体の状態変化、熱力学の第2法則について学習する。さらに、これらの応用として、ガスサイクル、蒸気サイクル、冷凍サイクル等を学習する。
授業の進め方・方法:
教科書を基に,熱力学の基本法則や熱エネルギーと仕事エネルギーとの関係などを理解させ,これらの基礎知識を,種々の熱機関のサイクルや熱効率等に応用できるようにする。適時,演習問題や小テストを行い,学生の理解度を把握しながら授業を進める。
注意点:
教科書に出てくる各種用語の意味を正確に理解するとともに,予習や演習問題等の課題を含む復習として,毎回50分以上の自学自習が必要である.理解状況を把握するために適宜小テストを行うので,講義内容を良く理解すること.疑問点があれば,その都度質問すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学の基本概念 熱力学が関連する分野について,説明できる.
2週 熱力学の基本概念 温度,熱量,比熱,顕熱,潜熱について説明できる.
3週 熱力学の基本概念 熱力学で使用する単位について,説明できる
4週 熱力学第一法則 各種エネルギと熱力学第一法則の説明ができる.
5週 熱力学第一法則 閉じた系と開いた系について,熱量,仕事,内部エネルギ,エンタルピの関係を説明でき計算できる.
6週 熱力学第一法則 P-v線図を基に,絶対仕事と工業仕事との関係を説明できる.
7週 理想気体 理想気体の状態式が説明でき,その計算ができる.
8週 理想気体 理想気体の定圧比熱,定容比熱およびガス定数との関係を説明できる.
2ndQ
9週 理想気体 理想気体の状態変化に伴う圧力,比容積,絶対温度の関係を説明できる.また,熱量,絶対仕事量,工業仕事量の計算ができる.
10週 理想気体 理想気体の状態変化に伴う圧力,比容積,絶対温度の関係を説明できる.また,熱量,絶対仕事量,工業仕事量の計算ができる.
11週 熱力学の第二法則 熱力学の第二法則について,説明できる.また、熱効率や成績係数が説明できる、
12週 熱力学の第二法則 カルノーサイクルの状態変化について説明でき,熱効率を計算できる.
13週 熱力学の第二法則 エントロピの定義を説明でき, 状態変化に伴うエントロピの変化量を算出できる.
14週 熱力学の第二法則 不可逆サイクルとエントロピ増大の原理の概念が説明できる.
15週 前期末試験答案の返却・解説 前期末試験において間違えた部分を理解できる.
16週
後期
3rdQ
1週 ガスサイクル オットーサイクルについて説明でき,熱効率を計算できる.
2週 ガスサイクル ディーゼルサイクル,について説明でき,熱効率を計算できる.
3週 ガスサイクル サバテサイクルについて説明でき,熱効率を計算できる.
4週 ガスサイクル ガスタービン機関の理論サガスタービン機関の理論サイクルを説明でき,熱効率を計算できる.
5週 蒸気の性質 水の等圧蒸発過程および未飽和液,飽和蒸気,湿り飽和蒸気,過熱蒸気の定義を説明できる.
6週 蒸気の性質 未飽和液,飽和蒸気,湿り飽和蒸気,過熱蒸気の状態量を,蒸気表および蒸気線図から算出できる.
7週 蒸気の性質 蒸気の状態変化に伴う熱量,絶対仕事が算出できる.
8週 蒸気の性質 蒸気の状態変化に伴う熱量,絶対仕事が算出できる.
4thQ
9週 蒸気サイクル ランキンサイクルについて説明でき,熱効率の計算ができる.
10週 蒸気サイクル 再熱サイクル,再生サイクルについて説明ができる.
11週 冷凍サイクル 蒸気圧縮式冷凍サイクルについて説明でき,性能計算ができる.
12週 冷凍サイクル 蒸気圧縮式冷凍サイクルについて説明でき,性能計算ができる.
13週 空気調和 湿度および 湿り空気線図について説明できる.
14週 空気調和 空気調和について,説明できる.
15週 後期期末試験答案の返却・解説 後期末試験において間違えた部分を理解できる.
16週

評価割合

試験発表相互評価態度小テストその他合計
総合評価割合75000250100
基礎的能力0000000
専門的能力75000250100
分野横断的能力0000000