工学演習

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 工学演習
科目番号 0095 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 「材料力学 村上 敬宜 著 森北出版」及び各科目の教科書・演習問題集・講義ノートとする.また,適時プリント等を配布する.
担当教員 三角 利之,小田原 悟,椎 保幸

到達目標

1.熱力学で取り扱う物理量や状態量について理解し,熱力学の第一法則および熱力学の第2法則を基に,熱や仕事に関する基本的な問題を解くことができる.
2.理想気体の状態式を基に,種々な理想気体の状態変化について,状態量,熱量,仕事量を計算できる.
3.ガスサイクルの基本的なサイクルについて理解し,仕事量や熱効率などに関する性能計算ができる.
4.流体工学の基礎事項と静正流れ学の内容を理解し,具体的な問題に公式を適用し,解析することができる.
5.動流れ学の内容を理解し,具体的な問題に公式を適用し,解析することができる.
6.材料力学の基本である引っ張り圧縮,ねじり,曲げによる力と変形の関係を理解できる.
7.機械力学の内容を理解し,物体の並進運動について解析することができる.
8.慣性モーメントを計算し,物体の回転の運動方程式を立てることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の第一法則および熱力学の第2法則を基に,熱や仕事に関する応用的な問題を解くことができる.熱力学で取り扱う物理量や状態量について理解し,熱力学の第一法則および熱力学の第2法則を基に,熱や仕事に関する基本的な問題を解くことができる. 熱力学の第一法則および熱力学の第2法則を基に,熱や仕事に関する基本的な問題を解くことができない.
評価項目2実際の機器における気体の状態変化について,理想気体の状態式を応用して,状態量,熱量,仕事量を計算できる.理想気体の状態式を基に,種々な理想気体の状態変化について,状態量,熱量,仕事量を計算できる.理想気体の状態式を基に,種々な理想気体の状態変化について,状態量,熱量,仕事量を計算できない.
評価項目3実際のガスサイクルと理想的なサイクルを比較し,状態変化や性能の変化ついて説明できる.ガスサイクルの基本的なサイクルについて理解し,仕事量や熱効率などに関する性能計算ができる. 基本的なガスサイクルについて,仕事量や熱効率などに関する性能計算ができない.
評価項目4密度,粘性,動粘性係数,圧力の定義を理解し,その応用計算ができる.静止液体中の圧力分布や壁面にはたらく力を理解し,その具体的な問題に対して応用計算ができる. 流体の密度,粘性,動粘性係数,圧力の定義を理解し,その基本的計算ができる.静止液体中の圧力分布や壁面にはたらく力を理解し,その基本的計算ができる.流体の密度,粘性,動粘性係数,圧力の計算ができない.静止液体中の圧力分布や壁面にはたらく力を計算できない.
評価項目5連続の式およびベルヌーイの式を理解し,流量,平均速度,圧力の応用計算ができる.運動量の法則を理解し,物体に作用する力の応用計算ができる.物体まわりの流れ現象,および,その基本法則を理解し,物体に作用する揚力,抗力の応用計算ができる.連続の式およびベルヌーイの式を理解し,流量,平均速度,圧力の基本的計算ができる.運動量の法則を理解し,物体に作用する力を計算することができる.物体に作用する揚力,抗力の基本的計算をすることができる.連続の式およびベルヌーイの式を使って,流量,平均速度,圧力の計算ができない.運動量の法則を使って,物体に作用する力を計算することができない.物体に作用する揚力,抗力を計算することができない.
評価項目6材料力学の基本である引っ張り圧縮,ねじり,曲げによる力と変形の関係から応力やひずみを計算できる.材料力学の基本である引っ張り圧縮,ねじり,曲げによる力と変形の関係を理解できる.材料力学の基本である引っ張り圧縮,ねじり,曲げによる力の作用や変形の様子を理解できない.
評価項目7物体の並進運動として斜方投射の運動について運動方程式を立て,任意の時間経過後の物体の位置を正確に解析することができる.物体の運動についてニュートンの運動の法則を理解しつつ運動方程式を導入することができる.剛体の慣性モーメントの表を利用して回転の運動についての例題演習の内容を理解することができる.ニュートンの運動の法則の内容理解できていない.運動方程式を立てることができない.
評価項目8任意形状の剛体の慣性モーメントを定義に従って計算することができる.剛体の回転運動について方程式を示しながら理解している.剛体の慣性モーメントの表を利用して回転の運動についての例題演習の内容を理解することができる.回転の運動の様子を想定することができない.慣性モーメントの内容を理解できていないので計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学科の科目の中で特に重要な熱力学,流体工学,材料力学,機械力学の基礎的な問題を取り上げ,原理・法則や解法についての理解を深めると共に,自主的,継続的に学習し,問題を解決できる能力を養成する.
授業の進め方・方法:
微積分,微分方程式,熱力学,流体工学,材料力学,機械力学を習得できること.
注意点:
毎時間,与えられた演習問題をまず自力で考え,その意味と自分が理解してないことがらを充分認識した後,問題の解法の要点について説明を受け,再び問題を自力で解く.毎回関連科目の教科書,ノートや電卓を持参し,復習や宿題を怠らないこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.熱力学
1) 熱力学の基礎事項
温度,熱量,動力,比熱の定義を理解し,その計算ができる.
2週 2) 熱力学第一法則 熱力学の第一法則を理解し,熱量,内部エネルギ,エンタルピ,仕事の算出ができる.
3週 3) 定常流体のエネルギー方程式 定常流体のエネルギ方程式を理解し,熱工学機器に応用できる.
4週 4) 理想気体の状態式 ボイルの法則,シャールの法則および理想気体の状態式を理解し,それらの式を利用して圧力,温度,比容積の状態量を算出できる.
5週 5) 理想気体の状態変化 理想気体の状態変化に伴う状態量の変化と熱量,仕事量の算出ができる.
6週 2.流体工学
・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
密度,粘性,動粘性係数,圧力の定義を理解し,その計算ができる.
7週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
静止液体中の圧力分布や壁面にはたらく力を理解し,その計算ができる.
8週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
静止液体中の圧力分布や壁面にはたらく力を理解し,その計算ができる.
2ndQ
9週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
連続の式を理解し,流量と平均速度が算出できる.
10週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
連続の式を理解し,流量と平均速度が算出できる.
11週 3-1 材料力学
平衡条件
力のつり合い,回転モーメントのつり合いを理解することができる.
12週 応力とひずみ 垂直応力と垂直ひずみを計算できる.
13週 ねじり ねじりによる応力と変形を理解できる.
14週 せん断力と曲げモーメント 曲げモーメント線図を描くことができる.
15週 曲げ応力と曲げ変形 曲げ応力及び曲げによるたわみを求めることができる.
16週
後期
3rdQ
1週 6) 熱力学第二法則 熱力学の第二法則を理解し,エントロピの算出ができる.
2週 7) カルノーサイクル カルノーサイクルについて理解し,熱量,仕事量,熱効率を算出できる.
3週 8) ガスサイクル(オットーサイクル) オットーサイクルについて理解し、その性能計算ができる.
4週 9) ガスサイクル(ディーゼルサイクル、サバテサイクル) ディーゼルサイクル、サバテサイクルについて理解し、その性能計算ができる.
5週 10)ガスサイクル(ガスタービンのサイクル) ガスタービンの理想サイクルについて理解し,その性能計算ができる.
6週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
運動量の法則を理解し,物体に作用する力を算出できる.
7週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
運動量の法則を理解し,物体に作用する力を算出できる.
8週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
物体まわりの流れ現象,および,その基本法則を理解し,物体に作用する抗力,揚力を計算することができる.
4thQ
9週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
物体まわりの流れ現象,および,その基本法則を理解し,物体に作用する抗力,揚力を計算することができる.
10週 ・流体工学の基礎
・静流れ学
・動流れ学
物体まわりの流れ現象,および,その基本法則を理解し,物体に作用する抗力,揚力を計算することができる.
11週 3-2 機械力学
1) 力学の基礎1
ベクトルの内積,外積を理解できる.変位,速度,加速度の関係が理解できる.
12週 1) 力学の基礎2 運動方程式を立てることができる.
13週 1) 力学の基礎3 斜方投射や空気抵抗のある物体の放物運動が理解できる.
14週 2) 回転体の運動1 種々の形状の物体の任意の軸に関する慣性モーメントを計算できる.
15週 2) 回転体の運動2 斜面を転がる円筒の運動を理解できる.
16週

評価割合

小テスト課題合計
総合評価割合6040100
%6040100