制御工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 制御工学Ⅲ
科目番号 0105 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 〔教科書〕制御工学 技術者のための、理論・設計から実装まで 豊橋技科大・高専制御工学教育連携プロジェクト 実教出版
担当教員 渡辺 創

到達目標

線形システムの制御について,基礎的な知識と制御理論の体系を学習し,実際の制御システムの計画・設計・製作・調整に必要な基礎的能力を習得することを目標とする.特に制御工学IIIにおいては制御対象の特性に基づく制御系設計を中心に講義を進め,古典制御理論を利用した制御系設計についての理解を最大の目標とする

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
伝達関数の定義を説明でき、ブロック線図を用いて制御系を表現することができる一般的な力学系等についてブロック線図によるモデル化ができ、伝達関数を求めることができるブロック線図が与えられているシステムの簡単化によって伝達関数を求めることができるブロック線図の簡単化をできず、システムの伝達関数を求めることができない
一次系と二次系を一般式で表現することができ、含まれるパラメータの役割と意味合いを説明できる一次系と二次系の一般式を記述することができ、含まれるパラメータの役割と意味合いを正確に説明できる一次系と二次系の一般式を記述することができる一次系と二次系の一般式を記述することができない
制御系の過渡特性・定常特性・周波数特性を求めることがき、その意味を説明できる与えられた制御系の特性を、過渡特性・定常特性・周波数特性を説明でき、与えられた問題の解決に必要な特性を選択することができる与えられた制御系の過渡特性・定常特性・周波数特性を理解し、説明できる制御系の過渡特性・定常特性・周波数特性を説明できない
複数の安定判別式を理解し、制御系の安定・不安定を判別できる複数の安定判別法を正しく用いて制御系の安定度を求めることができる一つの安定判別法を理解して制御系の安定・不安定を判別できる安定判別法を利用した制御系の安定判別ができない
目標値と外乱に対する定常偏差と制御系の型の関係を説明できる与えられた目標値と外乱に対する定常偏差を計算することができ、定常偏差を0にするための補償器の設計指針を説明できる与えられた目標値と外乱に対する定常偏差を計算することができる与えられた目標値と外乱に対する定常偏差を計算することができない
あらかじめ与えられた制御仕様に合わせて制御器を設計できる与えられた制御対象を解析することができ、制御仕様に合わせた補償器を設計することができる与えられた制御対象を解析することができ、制御仕様に合わせた指針を決定することができる与えられた制御対象を解析することができず、制御仕様に合わせた指針を決定することもできない

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
JABEE 2.1(1)① 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (3)① 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 2.1(1)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ラプラス変換,ラプラス逆変換,微積分,複素数,微分方程式理論などの数学的知識と古典力学・電磁気学などの専門科目の知識を必要とする.特に本講義は4年後期に開講される制御工学I,5年前期に開講される制御工学IIの内容が前提となるため,二つの講義を受講し内容を理解していることが必須となる.
授業の進め方・方法:
ノート講義が中心となる。
注意点:
適宜講義内容に関する小テストを行うため,復習してから受験すること.なお数学・力学の知識を必要とするため,知識定着に不安のある学生は数学や物理学の教科書を持参しておくことが望ましい.また,携帯電話のコール音は授業妨害と見なすため,本行為があった場合には即時退室とし,授業態度として減点するので注意すること.なお、本講義は学習単位の講義I科目であるため、一回90分の授業につき自学自習を60分必要とする科目である。
なお、本科目は中間試験を実施するため、中間試験の成績と期末試験の成績を1:1で取り扱い、その平均を総合評価の70%として取り扱う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 古典制御理論の復習① 与えられた系の伝達関数を運動方程式や回路方程式などより導出できる.
2週 古典制御理論の復習② いくつかのブロックで構成されたブロック線図の簡単化ができる
3週 古典制御理論の復習③ 1次系について伝達関数で表現することができ、構成パラメータの数学的役割を説明できる
4週 古典制御理論の復習④ 2次系について伝達関数で表現することができ、構成パラメータの数学的役割を説明できる
5週 古典制御理論の復習⑤ 制御系の極と制御系の安定性の相互関係を理解し,安定判別ができる
6週 古典制御理論の復習⑥ 目標値応答と系の型の関係が理解できる
7週 古典制御理論の復習⑦ 外乱応答と系の型の関係が理解できる
8週 古典制御理論の復習⑧ 線形系における周波数特性についてその基礎概念が説明できる
4thQ
9週 古典制御理論の復習⑨ 線形系における周波数特性についてベクトル軌跡とボード線図が描ける
10週 古典制御理論の復習⑩ 制御系の過渡応答について、諸パラメータを用いて表現できる
11週 制御系の設計論① 直列補償器の役割とこれを利用した制御系設計について説明できる
12週 制御系の設計論② フィードバック補償器を利用した制御系設計について説明できる
13週 制御系の設計論③ PID制御器の代表的なパラメータ設計法を用いて制御系を設計できる
14週 制御系の設計論④ 制御工学の講義で学習した種々の知識を利用した制御系の設計ができる
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する.(非評価項目)
16週

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000