メカトロニクス

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 メカトロニクス
科目番号 0127 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 〔教科書〕 なし 〔参考書・補助教材〕 自作教材を適宜提供
担当教員 渡辺 創

到達目標

機械要素と電子工学の融合を意味するメカトロニクスについてその由来や位置づけを理解することを目的とする.特に、計測の基本と構成要素である各種のセンサの動作原理とメカトロニクス機器を制御するためのインターフェース部分,代表的なアクチュエータであるDCモータの駆動方法や制御について理解を深めることを目的とする

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
メカトロニクスについて、語源や歴史、構成される技術の概要を説明できる語源や歴史、構成される技術の概要を相互の関係も含めて詳細に説明できる語源や歴史、構成される技術の概要を説明できる語源や歴史、構成される技術の概要を説明できない
計測の基本と誤差について説明できる計測の基本について説明することができ、三つの誤差についてその違いを明確に説明できる計測の基本と誤差について説明できる計測の基本は理解できるが、誤差については説明できない
有効数字や誤差に関する基本的な計算ができる複雑な関係式における有効数字や誤差に関する基本的な計算ができる有効数字や誤差に関する基本的な計算ができる有効数字や誤差に関する基本的な計算ができない
位置・角度を計測するセンサについて、原理を説明できる複数の位置・角度を計測するセンサについて、違いを含め動作原理を説明することができる一つの位置・角度を計測するセンサについて動作原理を説明することができる位置・角度を計測するセンサについて動作原理を説明することができない
アナログ信号とデジタル信号の違いについて,A/D変換器、D/A変換器について代表的な手法説明できるアナログ信号とデジタル信号の概念が説明でき、お互いの特徴も説明することができる.併せてA/D変換器、D/A変換器について二つ以上代表的な手法を説明できる.アナログ信号とデジタル信号の概念が説明できる.併せてA/D変換器、D/A変換器について、代表的な手法を一つ説明できる.アナログ信号とデジタル信号の概念が説明できない.同様にA/D変換器、D/A変換器について、代表的な手法を説明できない
アクチュエータの定義と主な種類を説明できるアクチュエータの定義を説明でき,複数種類のアクチュエータについて長所と短所を交えながら説明できるアクチュエータの定義を説明できる.併せて代表的なアクチュエータについて説明できるアクチュエータの定義を説明できない.代表的なアクチュエータについても説明できない
DCモータの駆動原理と制御手法DCモータの駆動原理について説明でき,方向・速度などの制御手法について詳しく説明できるDCモータの駆動原理について説明でき,方向・速度などの制御手法について大まかに説明できるDCモータの駆動原理について説明できず,方向・速度などの制御手法についても説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では特に(1)計測における誤差と簡単な統計的な処理方法について、(2)センサとオペアンプなどアナログ素子について(3)DCモータに関する原理と制御について講義を行うため,基本的な数学(特に確率統計の基礎)・物理の知識はもちろん,前年度までに開講される電子回路や情報処理(C言語),電気回路等の知識を持つことが講義受講の前提となる.
授業の進め方・方法:
基本的にはノート講義が中心となるが、ホワイトボードに書くのは最低限のキーワードに限定し、基本は口頭で説明する。そのため、講義前に当日の範囲についてmoodleにアップロードしてある資料を事前に書いてくる必要がある。
これを講義前の予習として取り扱い、講義中に補足した部分も含め、講義終了後、事前の予習と合わせて当日に学習した内容をまとめたレポートを提出してもらい、これを全体の50%評価とするので受講者は日常の予習に取り組むこと。
注意点:
講義の内容については必ず事前に提示される事項についての予習と講義後の復習を行うこと.なお,本講義では原則として追加試験や追加レポート等による再評価は行わない.また,携帯電話のコール音は授業妨害と見なす.このため,本行為があった場合には即時退室とし,授業態度として総合評価点から減点するので注意すること. なお、本講義は学習単位の講義II科目であるため、一回90分の授業につき自学自習を240分必要とする科目である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 メカトロニクスとは? メカトロニクスの歴史と役割について説明できる.
2週 計測の基本と誤差1 計測における基本的な考え方を説明できる
3週 計測の基本と誤差2 3種類に大別できる誤差について例を挙げながら説明できる.また誤差の種類毎に低減方法を説明できる
4週 有効数字と簡単な統計処理1 有効数字の考え方が理解でき、実験などから得られたデータの有効数字を設定できる
5週 有効数字と簡単な統計処理2 有効数字の考え方が理解でき、実験などから得られたデータの有効数字を設定できる.また得られたデータを統計学の知識を利用して処理できる
6週 センサ基礎1 位置・角度,速度,加速度といった代表的な物理量を計測するセンサについて,その原理と使い方が説明できる.
7週 センサ基礎2 位置・角度,速度,加速度といった代表的な物理量を計測するセンサについて,その原理と使い方が説明できる.
8週 メカトロニクスにおけるインターフェース技術1 アナログ信号とデジタル信号の違いが説明できる.
オペアンプを利用した回路の解析が出来る.
2ndQ
9週 メカトロニクスにおけるインターフェース技術2 A/D変換器の基礎原理が説明できる
10週 メカトロニクスにおけるインターフェース技術3 D/A変換器の基礎原理が説明できる
11週 アクチュエータの基礎 アクチュエータの定義について定義を理解し,併せて代表的なアクチュエータについて理解を深めることができる
12週 DCモータの基本特性 DCモータの回転原理について理解し,併せてT-N特性,T-I特性といった基本的な特性について説明できる
13週 DCモータの制御1 DCモータを電子回路を使って回転方向の制御をしたり,速度の制御をするための基本的な原理を説明することができる
14週 DCモータの制御2 DCモータの数学表現を理解し,得られた運動方程式や回路方程式から伝達関数や状態空間表現といった数学モデルの導出ができる
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週

評価割合

試験レポート事前予習合計
総合評価割合502525100
基礎的能力0000
専門的能力502525100
分野横断的能力0000