電気回路Ⅳ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気回路Ⅳ
科目番号 2104 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 [教科書]西巻正郎、森武昭、荒井俊彦 「電気回路の基礎(第3版)」(森北出版)
[参考書]本田徳正「テキストブック 電気回路」(オーム社)
担当教員 佐藤 正知

到達目標

1. 簡単な交流回路の有効電力・無効電力・皮相電力ならびに複素電力を求めることができる。
2. 回路の誘導性・容量性を理解し、力率を計算することができる。
3. 節点電位法、網目電流法、重ね合わせの理、テブナンの定理を用いて交流回路を解析することができる。
4. 相互誘導回路に生じる自己誘導電圧・相互誘導電圧の大きさと向きを求めることができる。
5. 相互誘導回路をT型等価回路で置き換えることができる。
6. 回路の周波数特性について理解し、簡単な解析をすることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な到達レベルに加え、様々な交流回路の有効電力・無効電力・皮相電力・複素電力ならびに力率を求めることができる。簡単な交流回路の有効電力・無効電力・皮相電力ならびに複素電力を求めることができる。回路の容量性・誘導性を理解して、力率を計算することができる。簡単な交流回路の有効電力・無効電力・皮相電力ならびに複素電力を求めることができない。回路の容量性・誘導性を理解できず、力率を計算することができない。
評価項目2節点電位法、網目電流法、重ね合わせの理、テブナンの定理の中から適切な方法を選択して交流電源のある回路網を解析することができる。節点電位法、網目電流法、重ね合わせの理、テブナンの定理のうち、指定された方法で交流電源のある回路網を解析することができる。節点電位法、網目電流法、重ね合わせの理、テブナンの定理のいずれかを利用して、交流電源のある回路網の解析ができない。
評価項目3標準的な到達レベルに加え、相互誘導回路の原理を説明できる。相互誘導回路に生じる自己誘導電圧および相互誘導電圧の大きさと向きを求められる。相互誘導回路に生じる自己誘導電圧および相互誘導電圧の大きさと向きを求められない。
評価項目4標準的な到達レベルに加え、相互誘導回路のT型等価回路を導出することができる。相互誘導回路をT型等価回路で置き換えることができる。相互誘導回路をT型等価回路で置き換えることができない。
評価項目5標準的な到達レベルに加え、インピーダンスやアドミタンスの軌跡を描くことができる。R, L, Cの周波数特性を理解し、周波数に応じた回路のインピーダンスやアドミタンスを計算できる。R, L, Cの周波数特性を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに引き続いて、回路網解析の基本事項について学習する。また、交流回路における複素電力および相互誘導回路(変圧器)の基礎と回路の周波数応答は、電気機器や通信工学などの電気電子工学の多分野において応用されているため、その橋渡しとなる基本事項を学習する。
授業の進め方・方法:
講義と演習問題を用いて授業を進める。直流回路、交流回路はもちろんのこと、数学(特に三角関数、複素数、ベクトル、行列)の知識が必要である。また、電気回路をよりよく理解し修得するためには、多くの問題を解く必要があるため、小テストで解けなかった問題のやり直しレポート等の課題は必ず理解して提出すること。
注意点:
分からない点があればその都度質問し、積極的に理解を深められるようにすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 交流回路の復習 □ 複素数表示やフェーザ表示、極表示の相互変換や記号法を用いた簡単な交流回路の計算ができる。
2週 交流電力 □ 簡単な交流回路の有効電力・無効電力・皮相電力を計算することができる。
3週 交流電力 □ 交流回路の誘導性と容量性を理解し、力率を計算することができる。
4週 交流回路網の解析 □ 網目電流法および節点電位法を用いて、交流回路を解析することができる。
5週 交流回路解析の各種定理 □ 重ね合わせの理やテブナンの定理を用いて、交流回路を解析することができる。
6週 交流回路解析の各種定理 □ ブリッジ回路やY-Δ変換公式を用いて交流回路を解析することができる。
7週 問題演習 ここまでの内容の標準的な演習問題を解くことができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 相互誘導回路 □ 相互誘導回路における自己インダクタンス・相互インダクタンスを理解することができる。
10週 相互誘導回路 □ 相互誘導回路をT型等価回路に置き換えることができる。
11週 理想変圧器 □ 相互誘導回路の結合係数について理解し、理想変圧器を含む回路を解析することができる。
12週 相互誘導回路を含む回路網の解析 □ さまざまな回路解析法を用いて、相互誘導回路を含む交流回路を解析することができる。
13週 交流回路の周波数特性 □ R, L, Cの周波数特性を理解する。
14週 交流回路の周波数特性 □ RL直並列回路、RC直並列回路の周波数変化によるインピーダンスやアドミタンスを計算できる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000