計測工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 計測工学
科目番号 2115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 [教科書]湯本雅恵 監修「基本からわかる 電気電子計測 講義ノート」(オーム社)
[参考書]阿部武雄、村山実「電気・電子計測【第3版】」(森北出版)
担当教員 佐藤 正知

到達目標

1.計測の基礎(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)が説明できる。
2.精度と誤差を理解し、有効数字を考慮した計測値の処理を行うことができる。
3.SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。
4.計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。
5.指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。
6.倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。
7.電圧降下法により抵抗を、ブリッジ回路によりインピーダンスを求めることができる。
8.交流電力(有効電力、無効電力、力率)と電力量の計測方法を説明できる。
9.オシロスコープを用いた波形の観測について説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測の基礎(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。計測の基礎(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を理解している。計測の基礎(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を理解していない。
評価項目2標準的な到達レベルに加えて、実際の測定の場面に応用することができる。精度と誤差を理解し、有効数字を考慮した計測値の処理を行うことができる。精度と誤差を理解できず、有効数字を考慮した計測値の処理を行うことができない。
評価項目3標準的な到達レベルに加えて、良く用いられる単位 N, V, Ω, W, J などを基本単位で表現することができる。SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。SI単位系における基本単位と組立単位について説明できない。
評価項目4計測標準とトレーサビリティの関係と必要性について説明できる。計測標準とトレーサビリティの関係と必要性について理解している。計測標準とトレーサビリティの関係と必要性について理解していない。
評価項目5標準的な到達レベルに加えて、測定対象の状況(レベルの大小や波形(直流・交流・ひずみ波交流)、周波数など)によって適切な指示計器を選択することができる。指示計器(可動コイル形,可動鉄片形,整流器形,熱電形など)について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法が説明できる。指示計器(可動コイル形,可動鉄片形,整流器形,熱電形など)について、その動作原理を理解していない。
評価項目6標準的な到達レベルに加えて、エアトン分流器を使った直流電流測定の説明と計算ができる。指示計器の動作原理を理解した上で電圧・電流の測定方法や倍率器・分流器を用いた測定範囲の拡大について説明できる。指示計器の動作原理、電圧・電流の測定方法や倍率器・分流器を用いた測定範囲の拡大について説明できない。
評価項目7標準的な到達レベルに加えて、電圧降下法から抵抗値、ブリッジ回路の平衡条件からインピーダンスの値を求めることができる。電圧降下法を用いた抵抗測定原理やブリッジ回路を用いたインピーダンス測定原理について説明できる。電圧降下法を用いた抵抗測定原理やブリッジ回路を用いたインピーダンス測定原理について説明できない。
評価項目8標準的な到達レベルに加えて、無効電力と力率の測定原理とその方法を説明できる。有効電力、電力量の測定原理とその方法を説明できる。有効電力、電力量の測定原理とその方法を説明できない。
評価項目9標準的な到達レベルに加えて、リサジュー波形を説明し、周波数や位相の測定方法を説明できる。オシロスコープの動作原理を説明でき、波形観測(振幅、周期、周波数)を行うことができる。オシロスコープの動作原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代の科学技術に必要な電気計測の基礎的理論や各種指示計器の原理・構造・特性とともに測定法を習得して、計器の適切な取扱いに精通する。
授業の進め方・方法:
本科目で身につける知識は電気工学実験で活用する。即ち、講義と実験とを常にリンクさせる。数学、物理をはじめ、電気回路、電気磁気に関する基本的な知識が必要である。
注意点:
教科書の内容をただ単に覚えるのではなく、それを実際に利活用できるように心がける。そのためには、常に問題意識を持って授業に臨むとともに、疑問点、理解できない点を日々解消するように努めること。予習復習を必ず行い、よく考えた上で不明な点は、速やかに質問に来ること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測の基礎 計測における直接測定/間接測定,編位法/零位法を説明できる。アナログ計測とディジタル計測の違いを説明できる。
2週 計測の基礎 精度と誤差、有効数字について説明でき、有効数字を考慮した計算ができる。
3週 単位系 SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。
4週 標準 計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。
5週 電圧・電流の測定 指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。
6週 電圧・電流の測定 倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について理解している。
7週 A/D変換とディジタル計器 A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 抵抗、インピーダンスの測定 電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。
10週 抵抗、インピーダンスの測定 ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明し、測定法や浮遊容量対策などを説明できる。
11週 交流電力の測定 有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる
12週 電力量の測定 電力量の測定原理を理解し、これらを計算できる。
13週 波形観測 オシロスコープの動作原理を理解している。
14週 波形観測 オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

試験小テスト・課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000