電気機器Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気機器Ⅰ
科目番号 2123 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕 電気機器工学  前田勉・新谷邦弘  コロナ社、 〔参考書・補助教材〕 電気機器[Ⅰ,Ⅱ], 野中作太郎 著,森北出版  /  適宜プリントを配布.
担当教員 枦 健一

到達目標

1.電気エネルギー変換や電気機器の基本原理を説明できる.
2.直流機の原理,構造,特性について説明できる.
3.直流発電機・電動機の分類,等価回路,特性について説明できる.
4.直流電動機の始動、速度制御、制動、逆転、運転,損失,効率について説明できる.
5.同期発電機の概要を説明できる.
6.同期発電機の電機子反作用を説明できる.
7.同期発電機の特性式と短絡比,電圧変動率の定義を説明できる.
8.同期発電機の並行運転について,運転条件と異常現象について説明できる.
9.同期電動機の原理と等価回路を説明できる.
10.同期電動機の位相特性とV曲線を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フレミングの法則により発電作用と電動機作用について、電気機器用材料の種類と主な特性について説明できる.電気エネルギー変換や電気機器の基本原理を説明できる.電気エネルギー変換や電気機器の基本原理を説明できない。
評価項目2発電機と電動機の動作原理、直流機の構造や電機子の巻き線法、電機子反作用や整流現象が説明できる直流機の原理,構造,特性について説明できる.直流機の原理,構造,特性について説明できない.
評価項目3直流発電機・電動機を励磁方式で分類し,等価回路から関係式を導き,無負荷特性、外部特性について説明できる.直流発電機・電動機の分類,等価回路,特性について説明できる.直流発電機・電動機の分類,等価回路,特性について説明できない.
評価項目4直流電動機の始動、速度制御、制動、逆転について説明でき、直流機の入力、損失、効率、出力について関係式を導き説明できる。直流電動機の運転,損失,効率について説明できる.直流電動機の運転,損失,効率について説明できない.
評価項目5同期発電機の周波数と極数,回転数の関係を説明でき,回転界磁形と回転電機子形の構造と用途説明ができる.回転界磁形と回転電機子形の構造と用途説明ができる.同期発電機の周波数と極数,回転数の関係を説明できない.
評価項目6同期発電機の等価回路と電機子反作用による交差磁化作用,増磁作用と減磁作用の現象を説明でき,等価回路とベクトル図を描くことができる.電機子反作用による交差磁化作用,増磁作用と減磁作用の現象を説明できる.電機子反作用による増磁作用と減磁作用の現象を説明できない.
評価項目7等価回路とベクトル図から特性式を導出し,短絡比,電圧変動率の定義を説明できる.短絡比,電圧変動率の定義を説明できる.電圧変動率の定義を説明でできない.
評価項目8複数台発電機の3つの並行運転条件を説明でき,条件が満たされなくなった時の異常現象について説明できる.複数台発電機の3つの並行運転条件を説明できる.複数台発電機の3つの並行運転条件を説明できない.
評価項目9同期電動機の始動法と回転磁界に同期して回転する原理を説明でき,等価回路とベクトル図を描くことができる.同期電動機の始動法と回転磁界に同期して回転する原理を説明できる.同期電動機の始動法を説明できない.
評価項目10同期電動機のベクトル図を説明できるとともに,位相特性の“V”字の曲線を説明でき,その活用方法について説明できる.位相特性の“V”字の曲線を説明でき,その活用方法について説明できる.位相特性の“V”字の曲線を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気エネルギー変換や電気機器の基本原理を説明し,直流機および同期機の原理,構造,特性について理解させ,設計,製作,取扱い,試験,保守に必要な基礎知識を身につけさせる.
授業の進め方・方法:
後期の同系科目の基本であり,電気エネルギー変換を担う主要な機器の一つ,直流機・同期機について学習する.直流機の特性を定量的に理解する上で,必要不可欠な等価回路に重点をおく.この科目で学習した内容は4年次後期に実験で確認する.中間試験も実施する。
注意点:
講義の内容,特に等価回路について十分に復習し,疑問点があれば、授業中、あるいは授業時間外にかかわらずその都度質問すること.教科書に記載されていない内容も多々含まれるので,メモはきちんと取り,レポートの提出期限は厳守すること.
〔授業(90分)〕×15回 中間試験も実施する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 発電機作用と電動機作用 フレミングの法則により発電作用と電動機作用の説明ができる.
2週 直流機の基本原理 発電機と電動機の動作原理を理解,コイルの誘起電圧波形とコイルが回転する理由を説明することができる.
3週 直流機の構造 構造(電機子、界磁、整流子、ブラシ)とその役割,及び電機子の巻線法(重ね巻,波巻)の違いが説明できる.
4週 直流機の基礎理論 誘導起電力と発生トルクの式,等価回路とその関係式,電機子反作用や整流現象が説明できる.各種励磁方式の特徴が説明できる.
5週 直流発電機・電動機の分類と等価回路 励磁方式による直流発電機・電動機の分類が説明でき、等価回路を理解し,関係式を導出し,特性を計算することができる.
6週 直流発電機・電動機の特性 各種発電機の特性(無負荷特性,外部特性)および各種電動機の特性(トルク特性,速度特性など)の定義を理解すると共に,特性を図示し,違いを説明できる.
7週 直流電動機の運転 直流電動機の運転法(始動,速度制御,制動,逆転)の原理を理解し,それぞれの特徴が説明できる.
8週 直流機の損失,効率 直流機の損失の種類と定義,および効率の定義を理解し,入力,損失,効率の関係を導くことができる.
2ndQ
9週 中間試験
10週 同期発電機の理論 巻線法と誘導起電力の関係式,電機子反作用による増磁作用と減磁作用の現象を理解し,等価回路とベクトル図を描くことができる.
11週 同期発電機の特性 同期発電機の等価回路とベクトル図から特性を求める関係式を導出し,各種の特性曲線を描くことができる.短絡比,電圧変動率の定義を理解し,これらの値を求めることができる.
12週 同期発電機の並行運転 複数台発電機の並行運転条件を理解し,条件が満たされなくなった時の異常現象について説明でき,ベクトル図を描くことができる.
13週 同期電動機の原理と理論 同期電動機が回転磁界に同期して回転する原理を理解し,発電機同様,等価回路とベクトル図を描くことができる.
14週 同期電動機の特性 同期電動機の等価回路とベクトル図から特性を求める関係式を導出し,各種特性を求めることができる.更に位相特性が“V”字の曲線を示す理由が説明できる.
15週 その他の電動機 交流整流子電動機,DCサーボモータ,ステップモータ,ブラシレスDCモータの原理を理解し,特性を説明できる.
16週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目).

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート又は小テスト合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000