電気電子工学実験Ⅳ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅳ
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 各実験担当者が準備した「実験指導書」
担当教員 奥 高洋,井手 輝二,垣内田 翔子

到達目標

電気電子に関する各種の計測,試験法等についての技術を習得するとともに,専門科目で学習した内容について実験を通して理解し,整理することを目指す.特に,アナログ回路およびデジタル回路の回路設計法を修得し,設計法と回路特性との関係を説明できるようになるために,以下に掲げる5つを目標とする.
1.電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得し,実践できる.
2.トランジスタの動作に関する実験結果を考察できる.
3.オペアンプの動作に関する実験結果を考察できる.
4.デジタルICおよびその他の半導体素子の動作に関する実験結果を考察できる.
5.実験の目的と原理・実験方法をまとめ,実験結果をグラフや表でわかりやすく整理した上で,実験レポートを構成法に従って作成できる.また,実験結果を解析・考察できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1設定なし電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得し,実践できる.電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得できておらず,実践もできない.
評価項目2トランジスタの周波数特性を理解し,増幅回路における各帯域の動作量等の解析・考察ができる.トランジスタの特性を理解し,増幅回路等を設計できる.トランジスタの特性を理解できず,増幅回路等の設計もできない.
評価項目3オペアンプによる応用回路(能動フィルタ等)を設計でき,動作量等の解析・考察ができる.オペアンプの特性を理解し,基本回路(反転 / 非反転増幅回路,加減算回路等)を設計できる.オペアンプの特性を理解できず,基本回路(反転 / 非反転増幅回路,加減算回路等)の設計もできない.
評価項目4デジタルICやその他の半導体素子を用いた実用回路における動作量等の解析・導出ができる.デジタルICやその他の半導体素子の特性を理解し,実用回路設計ができる.デジタルICやその他の半導体素子の特性を理解できず,回路設計もできない.
評価項目5実験レポートを構成法に従って作成することができ,実験結果についての解析・考察ができる.実験の目的と原理・実験方法をまとめ,実験結果をグラフや表でわかりやすく整理した上で,実験レポートを構成法に従って作成することができる. 実験の目的と原理・実験方法をまとめ,実験結果をグラフや表でわかりやすく整理した上で,実験レポートを構成法に従って作成することができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE(2012)基準 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 1-b 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 4-a 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1~3年次の電気・電子関連科目の幅広い基礎知識を必要とする 必修科目 である.また,第二級無線技術士一次試験 及び 低圧 及び 高圧電気工事士学科試験の免除 を希望する者,第二種電気主任技術者の資格取得(所定科目の単位を取得し,卒業後5年以上の実務経験が必要)を希望する者は,必ず単位を取得しなければならない.
授業の進め方・方法:
実験の目的,原理,方法及び使用機器について,十分な予習が必要.実験には,向学的探究心を持って安全且つ能率よく自主的に取り組み,以下の点に留意して,実験およびレポート作成を行うこと.
・実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を実践できるようになること.
・実験を通じて工学の基礎に係わる知識を整理できるようになること.
・実験から得られたデータについて工学的に考察し,説明できるようになること.
注意点:
実験報告書(レポート)は,十分な検討/考察を行い,期限内の提出が必要.また,必ず実習服を着用し,実験ノート,工具(ハンダゴテ,ペンチ類),グラフ用紙を持参 すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 概要説明(計測技術) 電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得し,実践できる.
2週 電子回路 実験①
トランジスタ増幅回路の設計
トランジスタの電流帰還バイアス増幅回路の回路構成, 特徴等を説明できる.
トランジスタのh-パラメータやI-V 特性を用いて電流帰還バイアス増幅回路を設計・製作できる.
3週 電子回路 実験①
トランジスタ増幅回路の組立,測定
電流帰還バイアス増幅回路における負帰還による安定動作の仕組みと,バイパスコンデンサの役割を説明できる.
4週 電子回路 実験①
増幅回路の周波数特性
増幅回路の周波数特性を理解し,低域でのカップリングコンデンサの影響 および 高域での配線浮遊容量やトランジスタの接合容量の影響を説明できる.
中域, 低域, 高域における増幅回路の交流等価回路を各々描き,それらを基に各帯域の動作量を導出できる.
5週 電子回路 実験①
トランジスタh-パラメータの測定
各h-パラメータの定義と意味およびIC , VCE に対する依存性を説明できる.
各接地方式におけるh-パラメータ同士が相互に変換できることを説明できる.
6週 電子回路 実験②
オペアンプの基本回路
理想オペアンプとしての取扱および仮想短絡について説明できる.
反転増幅回路および非反転増幅回路の回路構成, 動作原理,周波数特性を理解し,増幅率を算出できる.
7週 電子回路 実験②
オペアンプの応用回路
オフセット電圧について理解するとともに,電圧ホロワおよび直流増幅回路の回路構成と動作原理を説明できる.
加算回路, 減算回路および加減算回路の構成と動作原理を理解し,平衡条件を導出できる.
8週 電子回路 実験②
アクティブフィルタの設計,立,測定
反転多重帰還構成によるLPF, HPF, BPFの回路構成や伝達関数および周波数特性について説明できる.
各フィルタの伝達関数を基に遮断周波数または中心周波数や各素子値を決定し,設計できる.
2ndQ
9週 電子回路 実験③
デジタルICの応用
ディジタルICの使用方法を習得した上で,ディジタルICを用いたマルチバイブレータの種類と回路構成および動作原理を理解し,回路素子と発振周期との関係を導出できる.
10週 電子回路 実験③
トランジスタ定電圧回路の製作と測定
誤差検出の原理について説明できる.
トランジスタのダーリントン接続における動作原理, 各種接続法および電流増幅率を説明できる.
整流回路,平滑回路,安定化回路の構成と動作原理を説明できる.
11週 電子回路 実験③
サイリスタとトライアック
サイリスタの種類,構造,動作原理およびSCRとの相異点を説明できる.
SCRのゲート点弧特性,順電圧降下特性,交流位相制御の原理を説明できる.
12週 レポート作成 実験の目的と原理・実験方法をまとめることができる.
実験結果をグラフや表でわかりやすく整理できる.
実験レポートの構成法に従って作成・報告できる.
実験結果を解析・考察できる.
13週 レポート作成 実験の目的と原理・実験方法をまとめることができる.
実験結果をグラフや表でわかりやすく整理できる.
実験レポートの構成法に従って作成・報告できる.
実験結果を解析・考察できる.
14週 レポート作成 実験の目的と原理・実験方法をまとめることができる.
実験結果をグラフや表でわかりやすく整理できる.
実験レポートの構成法に従って作成・報告できる.
実験結果を解析・考察できる.
15週 レポート作成 実験の目的と原理・実験方法をまとめることができる.
実験結果をグラフや表でわかりやすく整理できる.
実験レポートの構成法に従って作成・報告できる.
実験結果を解析・考察できる.
16週

評価割合

実験レポートその他合計
総合評価割合1000100
基礎的能力000
専門的能力1000100
分野横断的能力000