電気通信Ⅱ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気通信Ⅱ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 井手 輝二

到達目標

本科目は、電気通信システムの基礎理論を習得、技術の応用力を養うこと、さらに、最近の電気通信(無線通信)システムについて回線設計ができることを目指す。 具体的には、ディジタル変調理論、電波伝搬・移動通信等について説明できる能力を養うことを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(1)代表的なディジタル変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について導出して説明できる。 (2)C/N比、受信機の感度及び雑音指数について具体例を示して説明できる. (3)誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタ(ロールオフ率による特性の差)について説明できる. 1)代表的なディジタル変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できる。 (2)C/N比、受信機の感度及び雑音指数について説明できる. (3)誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる. (1)代表的なディジタル変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できない。 (2)C/N比、受信機の感度及び雑音指数について説明できない. (3)誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できない.
評価項目2電波伝搬の基本的性質が把握でき,周波数帯による伝搬の違いと使用されている例について説明できる.電波伝搬の基本的性質が把握できる,周波数帯による伝搬の違いを説明できる.電波伝搬の基本的性質が把握でき,周波数帯による伝搬の違いを説明できない.
評価項目3(1) 地上伝搬における自由空間 伝搬損失の理論を導出及び把握して,フリスの伝送公式から伝搬損失を計算できる. (2) 地上伝搬におけるレーダ方 程式の理論を把握して,受信機で探知できる最小受信電力及び最大探知距離を導出して計算できる. (3)回折(ホイヘンスの原理)を把握して,フルネルゾーンの導出と計算ができる. (1)地上伝搬における自由空間 伝搬損失の理論を把握して,フリスの伝送公式から伝搬損失を計算できる. (2)地上伝搬におけるレーダ方程式の理論を把握して,受信機で探知できる最小受信電力及び最大探知距離が計算できる. (3)回折(ホイヘンスの原理)を把握して,フルネルゾーンの導出と計算ができる. 1)地上伝搬における自由空間伝搬損失の理論を把握して,フリスの伝送公式から伝搬損失を計算できない. (2)地上伝搬におけるレーダ方程式の理論を把握して,受信機で探知できる最小受信電力及び最大探知距離が計算できない. (3)回折(ホイヘンスの原理)を把握して ,フルネルゾーンの導出と計算ができない.
評価項目4(1)平面大地上での電波伝搬における平面大地反射モデルによる伝搬損失を導出して計算できる. (2)地上伝搬におけるアンテナの高さを考慮した見通し限界距離の導出と計算ができる. (1)平面大地上での電波伝搬における平面大地反射モデルによる伝搬損失を計算できる. (2)地上伝搬におけるアンテナの高さを考慮した見通し限界距離の導出と計算ができる. (1)平面大地上での電波伝搬における平面大地反射モデルによる伝搬損失を計算できない. (2)地上伝搬におけるアンテナの高さを考慮した見通し限界距離の導出と計算ができない.
評価項目5(1) 陸上移動伝搬における伝搬特性 の要因について把握して,条件(都市 ,郊外等)に応じて秦式による伝搬損失を計算できる. (2) レイリーフェ ージング理論によるBPSK及びQPSK変調時のビット誤り率の導出と計算ができる. (1) 陸上移動伝搬における伝搬特性の要因について把握して,秦式による伝搬損失を計算できる. (2)レイリーフェージング理論によるBPSK変調時のビット誤り率の導出と計算ができる.(1)陸上移動伝搬における伝搬特性の要因について把握して,秦式による伝搬損失を計算できない. (2) レイリーフェ ージング理論によるBPSK変調時のビット誤り率の導出と計算ができない.
評価項目6基地局と移動局(携帯電話端末)を想定してレイリーフェ ージング環境での無線回線設計ができる . 基地局と移動局(携帯電話端末)を想定してレイリーフェ ージング環境での無線回線設計ができる. 基地局と移動局(携帯電話端末)を想定してレイリーフェ ージング環境での無線回線設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数学、電子回路および電子計算機などの科目の基本的な知識を必要とする.また、本科目は電気通信Ⅰと関連がある.
授業の進め方・方法:
プリント配布によって講義を行う.配布された全プリントは持参すること.1回の授業について,予習復習を210分以上行い,習得する.
注意点:
具体的に導出・計算を行う内容等は必ず身につけること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. ディジタル変調理論
1.1 誤り率特性
代表的な変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて,ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できる.
2週 1. ディジタル変調理論
1.1 誤り率特性
代表的な変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて,ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できる.
3週 1. ディジタル変調理論
1.1 誤り率特性
C/N比,受信機の感度及び雑音指数について説明できる.
4週 1. ディジタル変調理論1.2 最適信号検出理論とフィルタ理論 誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる.
5週 1. ディジタル変調理論1.2 最適信号検出理論とフィルタ理論 誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる.
6週 2. 電波伝搬
2.1 伝搬の基礎
電波伝搬の基本的性質が把握でき,周波数帯による伝搬の違いを説明できる.
7週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
①自由空間伝搬損失
自由空間伝搬損失の理論を把握して,フリスの伝送公式から伝搬損失を計算できる.
8週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
レーダ方程式の理論を把握して,受信機で探知できる最小受信電力及び最大探知距離が計算できる.
2ndQ
9週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
回折(ホイヘンスの原理)を把握して,フルネルゾーンの導出と計算ができる.
10週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
平面大地上での電波伝搬における平面大地反射モデルによる伝搬損失を計算できる.
11週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
アンテナの高さを考慮した見通し限界距離の導出と計算ができる.
12週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
陸上移動伝搬における伝搬特性の要因について把握して,秦式による伝搬損失を計算できる。
13週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
レイリーフェージング理論によるBPSK変調時のビット誤り率の導出と計算ができる.
14週 3. 無線回線設計 基地局と移動局(携帯電話端末)を想定してレイリーフェージング環境での無線回線設計ができる.
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目).
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000