エネルギー変換工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 エネルギー変換工学
科目番号 0036 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 Schaum's outlines Physics for engineering and science [3rd ed.], Michael E. Browne, McGraw-Hill Education
担当教員 奥 高洋

到達目標

様々なエネルギー源から電気エネルギーを得る方法として,太陽光発電,燃料電池,風力発電などのクリーンエネルギーシステムについて理解する.具体的には,以下に掲げる8つを目標とする.
1.エネルギー変換技術の概要について,エネルギーに関係する各種物理量の単位を踏まえ説明することができる.
2.力学的エネルギー保存則について説明できる.
3.熱力学の第一法則,第二法則を理解し,熱効率について説明できる.
4.熱機関と熱サイクルの概要について説明できる.
5.核エネルギーの概要を理解し,原子力発電システムについて説明できる.
6.太陽光のエネルギーや半導体の光起電力について理解し,太陽光発電システムについて説明できる.
7.電気化学(電極)反応やギブスの自由エネルギーについて理解し,燃料電池の発電原理を説明できる.
8.風力,地熱,海洋,バイオマスの各エネルギーの利用技術について,それぞれの概要を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1設定なしエネルギー変換技術の概要について,エネルギーに関係する各種物理量の単位を踏まえ説明することができる.エネルギー変換技術の概要について,エネルギーに関係する各種物理量の単位を踏まえ説明することができる.
評価項目2設定なし力学的エネルギー保存則について説明できる.力学的エネルギー保存則について説明できない.
評価項目3熱力学の第一法則,第二法則を理解し,熱効率について説明できると共に,カルノー効率との違いを説明できる.熱力学の第一法則,第二法則を理解し,熱効率について説明できる.熱力学の第一法則,第二法則を理解し,熱効率について説明できない.
評価項目4熱機関と熱サイクルの概要について説明できると共に,ヒートポンプの構造と動作原理を説明できる.熱機関と熱サイクルの概要について説明できる.熱機関と熱サイクルの概要について説明できない.
評価項目5核エネルギーの概要を理解し,原子力発電システムについて説明できると共に,原子炉の安全対策や核燃料サイクルについて説明できる.核エネルギーの概要を理解し,原子力発電システムについて説明できる.核エネルギーの概要を理解し,原子力発電システムについて説明できない.
評価項目6太陽光のエネルギーや半導体の光起電力について理解し,太陽光発電システムについて説明できると共に,コンディショナの必要性について説明できる.太陽光のエネルギーや半導体の光起電力について理解し,太陽光発電システムについて説明できる.太陽光のエネルギーや半導体の光起電力について理解し,太陽光発電システムについて説明できない.
評価項目7電気化学(電極)反応やギブスの自由エネルギーについて理解し,燃料電池の発電原理を説明でき,さらに,燃料電池を用いたコジェネレーションについて説明できる.電気化学(電極)反応やギブスの自由エネルギーについて理解し,燃料電池の発電原理を説明できる.電気化学(電極)反応やギブスの自由エネルギーについて理解し,燃料電池の発電原理を説明できない.
評価項目8風力,地熱,海洋,バイオマスの各エネルギーの利用技術について,それぞれの概要を説明できると共に,MHD発電はエネルギーハーベスティング等の最新のエネルギー獲得技術について説明できる.風力,地熱,海洋,バイオマスの各エネルギーの利用技術について,それぞれの概要を説明できる.風力,地熱,海洋,バイオマスの各エネルギーの利用技術について,それぞれの概要を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
地球温暖化が問題となっている現在において重要性が増しているクリーンエネルギー技術と,それに付随する分散型エネルギーシステムについて学習する.
授業の進め方・方法:
本科目は講義(授業形式)の科目である.4年次の発変電工学および低学年次の物理/化学において学習した内容を,随時復習をしておくこと.
注意点:
授業要目についての予習/復習はもちろん,レポート等の課題に取り組むなどして,毎回60分以上の自学自習をしておくことが必要である.また電気・電子工学を学ぶ者として,環境への配慮を意識して受講して欲しい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 エネルギー変換技術の概要① エネルギー変換技術について,その概要を説明することができる.
エネルギーに関係する各種物理量の単位について説明できる.
2週 エネルギー変換技術の概要② エネルギー変換効率の算出方法を説明できる.
3週 力学的エネルギーとエネルギー保存① 運動エネルギーとポテンシャルエネルギー,力学的エネルギー保存則について説明できる.
4週 力学的エネルギーとエネルギー保存② ベルヌーイの定理を流体機械などの解析に適用し,必要な物理量を求めることができる.
5週 熱エネルギーとエネルギー保存① 熱力学の第一法則,第二法則を説明できる.
6週 熱エネルギーとエネルギー保存② 気体の内部エネルギーについて説明できる.
熱効率を説明できる.
7週 熱流体機器におけるエネルギー変換① 熱機関と熱サイクルの概要を説明できる.
8週 熱流体機器におけるエネルギー変換② 様々な熱サイクルのエネルギー変換効率を求めることができる.
ヒートポンプの構造と動作原理を説明できる.
4thQ
9週 核エネルギーの利用(核反応と放射能,各種原子力発電システム) 核分裂,臨界,放射能について説明できる.
原子炉の種類と構造,安全対策について説明できる.
核燃料サイクルについて説明できる.
核融合反応の概念について説明できる.
10週 太陽光発電システム
黒体放射,太陽光のエネルギーについて説明できる.
半導体の光吸収,pn接合の光起電力について説明できる.
各種太陽電池とその応用について説明できる.
11週 燃料電池システム① 電気化学(電極)反応,電気分解と逆反応について説明できる.
12週 燃料電池システム② ギブスの自由エネルギーと燃料電池の理論効率について説明できる.
各種燃料電池システムおよび,コジェネレーションシステムについて説明できる.
13週 その他のエネルギー変換技術① MHD発電の概要を説明できる.
14週 その他のエネルギー変換技術② 風力,地熱,海洋,バイオマスの各エネルギーの利用技術について,それぞれの概要を説明できる.
エネルギーハーベスティングの概要を説明できる.
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目).
16週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000