線形代数A

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 線形代数A
科目番号 0040 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「新線形代数」 高遠節夫ほか著 大日本図書/「新線形代数問題集」 高遠節夫ほか著 大日本図書、「新編 高専の数学2問題集(第2版)」 田代嘉宏編 森北出版
担当教員 嶋根 紀仁

到達目標

(1) 平面のベクトルについて、ベクトルの和、差、内積などの基本事項を学び、平面上の直線や円など図形への基本的な応用を目標とする。
(2) 平面ベクトルの拡張として、空間のベクトルを学び、空間内の直線、平面、球など図形への基本的な応用を目標とする。
(3) 行列や逆行列についての基本事項を学び、連立1次方程式への基本的な応用を目標とする。
(4) 行列式についての基本事項を学び、行列、連立1次方程式、ベクトルへの基本的な応用を目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
平面のベクトルの演算と、図形への応用ができる。平面のベクトルを駆使して、図形の特徴を求めることができる。 線形独立・従属を説明できる。 平面のベクトルの演算ができ、図形の方程式を求め、性質を説明できる。平面のベクトルの演算ができ、図形の方程式を求め、性質を説明することができない
空間のベクトルの演算と、図形への応用ができる。空間のベクトルを駆使して、図形の特徴を求めることができる。 線形独立・従属を説明できる。空間のベクトルの演算ができ、図形の方程式を求め、性質を説明できる。空間のベクトルの演算ができ、図形の方程式を求め、性質を説明することができない。
行列の演算ができ、逆行列を求めることができる。行列の逆行列を求めることができ、逆行列が存在しない場合の解を、階数を使って説明できる。行列の演算ができ、その逆行列を求めることができ、さらに連立方程式も解ける。行列の演算ができ、その逆行列を求めることができない。
行列式の計算ができ、連立方程式が解ける。行列式の計算と応用ができ、その図形的意味と線形独立の関係を説明でき、外積計算ができる。行列式の計算ができ、クラメルの公式により、連立方程式が解ける。行列式の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)数学基礎A1~B2の知識を前提とする。
(2)ベクトルおよび行列・行列式は数学・自然科学および専門科目の基礎として多くの分野で利用されている。
授業の進め方・方法:
前学期にベクトル、後学期に行列と行列式を講義形式で行う。
注意点:
(1)予習として、教科書にある新しい言葉や記号を確認しておき、例や例題を解いておくこと。
(2)授業中に先生が解いた問題でも、もう一度自力で解いてみること。
(3)日頃から問題集や教科書の問題などを解く習慣をつけること。
(4)問題を解くときは、メモ書きではなく、試験の答案のつもりで正確に書くようにすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトルとベクトルの演算 ベクトルについて説明できる。
ベクトルの和・差、数との積を計算できる。
2週 ベクトルの成分 ベクトルの成分と大きさが求められる。
3週 ベクトルの内積 ベクトルの内積の性質が説明でき計算ができる。
2つのベクトルのなす角が求められる。
4週 ベクトルの平行と垂直 ベクトルの平行と垂直が説明できる。
5週 ベクトルの図形への応用 位置ベクトルについて説明できる。
6週 直線のベクトル方程式 直線のベクトル方程式について説明できる。
点と直線との距離が求められる。
7週 平面のベクトルの線形独立・線形従属 ベクトルの線形独立・線形従属について説明できる。
8週 空間座標 空間における2点間の距離が求められる。
2ndQ
9週 空間のベクトルの成分 空間のベクトルの成分と大きさが求められる。
10週 空間のベクトルの内積 空間のベクトルの内積の性質について説明できる。
2つの空間のベクトルのなす角が求められる。
11週 直線の方程式 空間の直線の方程式について説明できる。
12週 平面の方程式 平面の方程式について説明できる。
点と平面との距離が求められる。
13週 球の方程式 球の方程式について説明できる。
14週 空間のベクトルの線形独立・線形従属 空間のベクトルの線形独立・線形従属について説明できる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する。
16週
後期
3rdQ
1週 行列の和・差、数との積 行列の和・差、数との積を計算できる。
2週 行列の積 行列の積を計算できる。
零因子について説明できる。
3週 転置行列 転置行列、対称行列、交代行列について説明できる。
4週 逆行列 正則行列について説明できる。
2次の正則行列の逆行列が求められる。
5週 消去法 消去法により連立1次方程式が解ける。
6週 逆行列と連立1次方程式 n次の正則行列の逆行列が求められる。
逆行列を用いて連立1次方程式を解くことができる。
7週 行列の階数 行列の階数が求められる。
連立1次方程式が解をもつ条件について説明できる。
8週 行列式の定義 2次・3次の行列式の計算ができる。
行列式の定義を説明できる。
4thQ
9週 行列式の性質 行列式の性質を説明でき、行列式の計算ができる。
10週 行列の積の行列式 行列の積の行列式が求められる。
11週 行列式の展開 行列式の展開ができる。
12週 行列式と逆行列 余因子行列について説明できる。
13週 連立1次方程式と行列式 クラメルの公式について説明できる。
連立1次方程式が零ベクトル以外の解をもつための条件を説明できる。
空間のベクトルが線形独立であるための条件を説明できる。
14週 行列式の図形的意味、外積 行列式の図形的意味を説明できる。
空間のベクトルの外積を求めることができる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
電場・電位について説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3

評価割合

試験問題演習態度合計
総合評価割合70300100
前期成績3515(-10)50
後期成績3515(-10)50