電気電子工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅰ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 電気電子工学実験I 実験書
担当教員 前薗 正宜,枦 健一

到達目標

電気電子工学のあらゆる分野の基礎である,電気回路で学んだ知識を実践の場で使えるようにする.また、以下に示す基本的な実験技術を修練し,基礎理論から導かれることを実験的に確かめる探究的、研究的な態度を身に着ける.
・直流抵抗の測定法を理解し測定できる.
・直流回路の分圧・分流で必要な電圧・電流が取り出せる.さらに外部回路が繋がった場合,テブナンの法則で解析できる.
・交流回路のインピーダンスを理解し電圧,電流が解析できる.さらにオシロスコープを用いて電圧値と位相差の測定ができる.
・組み込みマイコンの使い方を理解し,I/Oのプログラミングができる.
・実験から得られたデータについて工学的に考察し、説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験の概要や結果を報告する実験レポートを作成できる.実験によって得られたデータや独自に調べた知識から工学的に考察を行い、他者に理解できる形で説明できる.実験の内容・結果・考察等を他者に理解可能な形式で報告できる. 図表,式,数値などの書式が整った報告書を作成できる. 実験の内容・結果・考察等を他者に理解可能な形式で報告できない. 図表,式,数値などの書式が整っていない.
直流計器・交流計器を用いて,基礎的な電圧・電流の測定ができる.テスターや直流・交流の電圧計・電流計各種の動作原理や特性を把握し,生じうる誤差などを考慮したうえで値を測定できる.テスターや直流・交流の電圧計・電流計各種を用いて基礎的な値の測定ができる.テスターや直流・交流の電圧計・電流計各種を用いて基礎的な値を測定できない.
オシロスコープを用いて交流回路の電圧・電流波形を観察できる.オシロスコープの原理を説明でき,応用的な交流回路において目的の電圧・電流波形を観察できる.オシロスコープの基礎的な操作方法を習得でき,簡単な交流回路の電圧・電流波形を観察できる.オシロスコープの基礎的な操作方法を習得できない. 簡単な交流回路の電圧・電流波形を表示できない.
分圧・分流,テブナンの法則を利用し,直流回路各部の電流・電圧・抵抗の検証ができる.簡単な直流回路に対して分圧・分流,テブナンの法則を適用し,各部の電流・電圧・抵抗の予測値を算出し,測定によって検証および考察できる.簡単な直流回路に対して分圧・分流,テブナンの法則を適用し,各部の電流・電圧・抵抗の予測値を算出し,測定によって検証できる.簡単な直流回路に対して分圧・分流,テブナンの法則を適用できない.
交流回路におけるR・L・Cの性質を考慮した電流・電圧の測定や,直列共振の特性測定ができる.RLCの直列,並列回路において、位相,周波数,電圧,電流等の関係を説明でき,これを用いて実験結果を考察できる. 各回路要素と共振特性の関係について説明でき,これを用いて実験結果を考察できる.RLCの直列,並列回路において、位相を考慮して電圧・電流の値を予想し,その計測ができる. RLC直列共振現象の原理に即した特性測定ができる.R、L、Cの直列,並列回路において、位相を考慮して電圧・電流の値を予想できない. RLC直列共振現象の原理に即した特性測定ができない.
組み込みマイコンにプログラムを書き込み,簡単なI/Oを含む回路を動作させることができる.簡単なI/Oを含む回路を応用的に動作させるためのマイコンのプログラムを作成できる.簡単なI/Oを含む回路につながるマイコンを動作させるためのプログラムを作成できる.簡単なI/Oを含む回路につながるマイコンを動作させるためのプログラムを作成できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 1-b 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 4-a 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路で学習した内容について実践を通して理解を深め,現実の問題に対して応用できるようにする.また情報処理で学習したプログラミングを電気電子の知識と結びつけて活用することを学修する.
授業の進め方・方法:
電気回路で学習した内容について実践を通して理解を深め,現実の問題に対して応用できるようにする.また情報処理で学習したプログラミングを電気電子の知識と結びつけて活用することを学修する.
注意点:
実験と講義とは独立したものではない.常に,両者をリンクさせる事.(a)実験指導書を前もって読むことは当然であり,計算により求められる予測値を求めておくこと,関連する事項を調べておくことが必要である.(b)パーティ内において一人一人に役割を分担し,協同作業を行う事.この事により,協調精神と責任感を重んずる習慣が養われる.(c)実験中は気を引き締めて作業を進め,安全をはかる事.(d)提出期限は厳守する事.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験の総説 実験全般における概説を行う.注意事項,レポートの書き方等についてその意味を理解し,説明できる.
2週 直流計器・交流計器の取り扱いについて 基本計器である、指針型の直流計器,交流計器の構造,動作原理、特性,使い方を理解し,実際に簡単な計測ができる.
3週 オシロスコープの取り扱いについて オシロスコープの原理と取り扱い方を理解し,交流電圧波形の観察ができる.
4週 レポート作成について/追実験 図やグラフを含め基本的な実験レポートの作成ができる.
5週 直流回路の基礎に関する実験 電位降下法により計器の内部抵抗を考慮した回路で直流抵抗の測定を行うことができる.
6週 直流回路の基礎に関する実験 分圧・分流、テブナンの法則を理解して、応用することにより必要な電圧、電流を取り出すことができる.
7週 交流回路の基礎に関する実験 R、L、C、直列,並列回路において、位相を考慮して電圧・電流の値を予想し,その計測ができる.
8週 交流回路の基礎に関する実験 RLC直列共振現象の原理を理解して,特性測定ができる.
4thQ
9週 LED・Trの直流特性とマイコンの入出力としての利用法 LED・ダイオードの電流・電圧特性を理解し、LED点灯回路の負荷抵抗を決定できる.
10週 LED・Trの直流特性とマイコンの入出力としての利用法 バイポーラTr, MOSFETの特性を応用し、簡単なマイコン入出力回路を構築することができる.
11週 組込みマイコンのプログラミングと応用 組込みマイコンの簡単なプログラミングを修得しLED点滅回路などを実現できる.
12週 組込みマイコンのプログラミングと応用 組込みマイコンのタイマー機能などを利用して音声周波数領域の信号を発生させることができる.
13週 レポート作成指導/追実験 データ解析等を通して実験内容を理解し,実験レポートを作成することができる.
文献調査などを通して検討・考察の仕方を理解し,実験レポートを作成することができる.
14週 レポート作成指導/追実験 データ解析等を通して実験内容を理解し,実験レポートを作成することができる.
文献調査などを通して検討・考察の仕方を理解し,実験レポートを作成することができる.
15週 レポート作成指導/清掃 データ解析等を通して実験内容を理解し,実験レポートを作成することができる.
文献調査などを通して検討・考察の仕方を理解し,実験レポートを作成することができる.
16週

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80002000100
基礎的能力0000000
専門的能力80002000100
分野横断的能力0000000