| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 標準的な到達レベルに加え,
□抵抗・誘導リアクタンス・容量リアクタンスによるエネルギーは,抵抗素子ではジュール熱として散逸し,インダクタンス素子では磁気エネルギーとして,静電容量素子では静電エネルギーとして蓄積・放出して散逸しないことを説明できる. | □抵抗素子・インダクタンス素子・静電容量素子の端子間の電圧と電流の瞬時値の関係を式で表現でき,電圧と電流の位相関係を説明することができる.
□抵抗・誘導リアクタンス・容量リアクタンスによる電力の瞬時値・最大値・平均値を求めることができる. | □抵抗素子・インダクタンス素子・静電容量素子の端子間の電圧と電流の瞬時値の関係を式で表現できない.電圧と電流の位相関係を説明することができない.
□抵抗・誘導リアクタンス・容量リアクタンスによる電力の瞬時値・最大値・平均値を求めることができない. |
評価項目2 | 標準的な到達レベルに加え,
□回路方程式の解,すなわち電流は,一意的に定まる正弦波定常解を持つことを説明できる. | □抵抗R・インダンタンスL・静電容量Cを直列に接続して正弦波交流電圧を加えたときの回路方程式を立てることができる.またこのときの回路のインピーダンス,ならびに電圧と電流の位相差を求めることができる. | □抵抗R・インダンタンスL・静電容量Cを直列に接続して正弦波交流電圧を加えたときの回路方程式を立てることができない.回路のインピーダンス,ならびに電圧と電流の位相差を求めることができない. |
評価項目3 | 標準的な到達レベルに加え,
□無効電力の工学的な意味を,力率の調整の観点から説明できる.また,数理的な意味を,有効電力と無効電力が直交系をなす観点から説明できる. | □RLC直列回路の瞬時電力を求め,その結果を用いて有効電力と無効電力,ならびに力率を求めることができる.
□有効電力・無効電力・皮相電力と力率の関係を説明することができる. | □RLC直列回路の瞬時電力を求めることができない.瞬時電力から有効電力と無効電力,ならびに力率を求めることができない.
□有効電力・無効電力・皮相電力と力率の関係を説明することができない. |
評価項目4 | 標準的な到達レベルに加え,
□RLC回路の微分方程式を解く問題が,定常状態では複素数の代数方程式を解く問題に帰着されることを説明できる.
□複素数の構成と表記法,ならびに複素数平面に関する数学的概念を理解し,これに「フェーザ」の考え方を加えた電気工学的な概念を説明できる. | □複素電圧・複素電流・インピーダンスを用いて簡単な回路の解析を行うことができる.
□抵抗・リアクタンス・インピーダンス,ならびにコンダクタンス・サセプタンス・アドミタンスの関係を理解し,これらを自由に扱うことができる.
□簡単な回路の各部の電力を複素数表示で求めることができる. | □複素電圧・複素電流・インピーダンスを用いて簡単な回路の解析を行うことができない.
□抵抗・リアクタンス・インピーダンス,ならびにコンダクタンス・サセプタンス・アドミタンスの関係を理解できない.これらを自由に扱うことができない.
□簡単な回路の各部の電力を複素数表示で求めることができない. |
評価項目5 | 標準的な到達レベルに加え,
□数学における矢線ベクトルの考え方を正弦波電圧と電流に適用し,かつ複素数平面において利用すれば,電圧・電流・電力・インピーダンス・アドミタンスを矢線ベクトルで描けることを説明できる. | □電圧または電流を基準ベクトルにとり,様々な回路についてベクトル図を図示することができる.
□複素数平面上の点が移動するとき,これらの矢線ベクトルがベクトル軌跡を描くことを理解し,簡単な回路のインピーダンスとアドミタンスについてベクトル軌跡を図示することができる. | □電圧または電流を基準ベクトルにとり,様々な回路についてベクトル図を図示することができない.
□複素数平面上の点が移動するとき,これらの矢線ベクトルがベクトル軌跡を描くことを理解できない.簡単な回路のインピーダンスとアドミタンスについてベクトル軌跡を図示できない. |
評価項目6 | 標準的な到達レベルに加え,
□直列共振と並列共振の違いを,リアクタンスの挙動に着目して数理的に説明できる. | □簡単なRL直列回路とRL並列回路,ならびにRC直列回路とRC並列回路において,減衰定数を求めることができる.またこのときのインピーダンスまたはアドミタンスのベクトル軌跡を描くことができる.
□簡単なRLC直列回路とRLC並列回路において,共振周波数・共振の鋭さを求めることができる. | □簡単なRL直列回路とRL並列回路,ならびにRC直列回路とRC並列回路において,減衰定数を求めることができない.インピーダンスまたはアドミタンスのベクトル軌跡を描くことができない.
□簡単なRLC直列回路とRLC並列回路において,共振周波数・共振の鋭さを求めることができない. |
評価項目7 | 標準的な到達レベルに加え,
□複素数演算とKCLとKVLを用いて簡単な交流回路のほとんどについて定常状態解析ができる. | □既知のインピーダンスまたはアドミタンスを直並列接続した簡単な直並列回路の合成インピーダンスと合成アドミタンスを求めることができる. | □既知のインピーダンスまたはアドミタンスを直並列接続した簡単な直並列回路の合成インピーダンスと合成アドミタンスを求めることができない. |
評価項目8 | 標準的な到達レベルに加え,
□ヘビサイドのブリッジ回路の平衡条件を求めることができる. | □簡単なブリッジ回路の平衡条件を求めることができる. | □簡単なブリッジ回路の平衡条件を求めることができない. |