計測工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計測工学Ⅱ
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 [教科書] なし (講義ノートを配付します) / [参考書] 講義中に紹介します
担当教員 屋地 康平

到達目標

1.数量と次元について基本的な内容を理解する.
2.記述統計の役割と手法について基本的な内容を理解する.
3.測定値のグラフ化の意義や手法,ならびに測定値の相関・回帰分析,時系列データの概要について基本的な内容を理解する.
4.主な離散型確率分布・連続型確率分布について基本的な内容を理解する.
5.主成分分析の役割と手法についてもっとも基本的な内容を理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的なレベルに加えて,線形・片対数・両対数グラフ用紙の用途を実例を挙げて説明できる.論文やレポートに適したグラフ作成作法を理解している.技術文書や論文の目的を理解し,それらを読み書きするとき,注意すべき点について理解している.技術文書や論文の目的を理解し,それらを読み書きするとき,注意すべき点について基本的な内容を理解していない.
評価項目2標準的なレベルに加えて,記述統計学の役割について簡単に説明できる.記述統計の役割と手法について基本的な内容を理解している.記述統計の役割と手法について基本的な内容を理解していない.
評価項目3標準的なレベルに加えて,丸めの誤差の伝搬について理解し,丸め誤差を小さくするための四則演算ができる.有効数字と数値の丸めについて理解している.数量と次元について基本的な内容を理解していない.
評価項目4標準的なレベルに加えて,ベルヌーイの定理・中心極限定理の概要を説明できる.主な離散型確率分布・連続型確率分布について基本的な内容を理解している.主な離散型確率分布・連続型確率分布について基本的な内容を理解していない.
評価項目5標準的なレベルに加えて,主成分分析の一連の流れを数式により導くことができる.具体的な応用例を挙げることができる.主成分分析の役割と手法について基本的な内容を理解している.主成分分析の役割と手法について基本的な内容を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
計測工学IIで履修する内容は,統計学・線形代数・信号処理,論文作成法など広い分野から構成されます.これらを用いて,これから皆さんが,レポートや論文や技術報告書などにおいて測定データの解析を行うための基礎を身につけます.応用先も幅広く,将来,実験・観測データを扱う多くの人にとって必携の内容です.
授業の進め方・方法:
講義資料に沿って授業を進めることにします.
宿題を課すことがあります.
不定期に小テストを実施します.
中間試験を実施します.
注意点:
1.本科目では,授業の中で学習したことに加えて,みなさんがもつ電気電子工学のアイデアをもとに,与えられたテーマについて論文を執筆し,学外の論文コンテストへ応募してもらいます.論文作成の経験を通して,データと論理的な文章を用いて自らの主張を他者に伝えるための技術を向上します.
2.授業中の質問を歓迎します(あなたが難しいと感じた点は,他の人も同じように難しいと感じている可能性が高い).
3.自宅では,練習問題を解いたり,授業の予習復習を行うなど自主的に取り組んでください.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 技術文書・論文の書き方 技術文書や論文の目的を理解し,それらを読み書きするとき,注意すべき点について説明できる.
2週 測定値のグラフ化 多種多様の2次元線図の中で,技術文書や論文に使われる代表的なものを挙げることができる.
線形・片対数・両対数グラフ用紙の特徴を理解し,物理現象に応じたグラフ用紙を選ぶことができる.夫々のグラフ用紙の上に簡単な関数の曲線を描くことに加えて,与えられた測定データから近似曲線のパラメータを求めることができる.
3週 測定値の統計的処理(記述統計学の基礎) 記述統計学の概要について説明できる.
平均・メディアン・モードの意味を理解し,計算することができる.
4週 測定値の統計的処理(記述統計学の基礎) 分散・標準偏差,標準誤差,変動の幅の意味を理解し,計算することができる.
ヒストグラムの形と統計量の関係を理解する.
5週 測定値の相関と回帰 2変数の相関分析について,共分散とピアソンの積率相関係数を求めて相関の強さを説明することができる.
2変数の回帰分析の概要を理解し,最小二乗法による回帰直線を求めることができる.
6週 数,二進法 自然数・整数・有理数・無理数・実数・複素数の包含関係を説明することができる.
数の表記法としての二進法の役割を理解する.実例として二進法・十進法・十六進法の特徴を説明することができる.これらを相互に変換できる.
7週 不確かさと有効数字,丸め 測定の不確かさと有効数字の意味と特徴を理解するとともに,JIS規格に準拠して数値を丸めることができる.
8週 量,次元,単位系 物理量の次元の意味を理解し,いくつかの代表的な物理量の次元を求めることができる.
国際単位系の重要性について,基本量と組立量,基本単位と組立単位の役割に触れながら説明できる.
4thQ
9週 確率分布の概要 □確率変数と確率分布の考え方,ならびに離散型と連続型の確率分布の違いを理解する.
10週 確率分布の概要 □確率密度関数・累積密度関数の概要と互いの関係について説明できる.
11週 正規分布 □正規分布の概要を理解し,確率密度関数,累積密度関数の概形を描くことができる.
12週 正規分布 □期待値,分散,標準偏差を数式で表すことができる.
13週 正規分布 □与えられた正規分布を標準化することにより,標準正規分布を求めることができる.
14週 主成分分析 □データ行列の標準化・相関行列の生成・固有値分解・主成分の選定を通して,主成分分析は,線形代数の固有値問題に帰着されることを理解する.
15週 まとめ □試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目).
16週

評価割合

試験小テスト・宿題・課題論文合計
総合評価割合50500100
基礎的能力0000
専門的能力50500100
分野横断的能力0000