電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書①「電子回路概論」編修:今井稔、都築正孝 他 出版社:実教出版, 教科書②「入門電子回路アナログ編」 家村 道雄 他 出版社:オーム社
担当教員 井手 輝二

到達目標

トランジスタの動作・特性を習得し,バイアス回路,低周波電圧増幅回路の構成,負荷線と増幅動作及びトランジスタの等価回路と動作量を説明できる。トランジスタの基本的な使い方を説明できる能力を養い、増幅回路が設計できる能力を養うことを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1固定バイアス増幅回路と自己バイアス増幅回路の構成や特徴を把握し,交流負荷線及び直流負荷線を書いて,ベースバイアス抵抗を計算し,求めることができる.さらに固定バイアス増幅回路と自己バ イアスア増幅回路の増幅動作を図式解法(負荷線と動作点)を用いて説明できる.固定バイアス増幅回路と自己バイアス増幅回路の構成や特徴を把握し,交流負荷線及び直流負荷線を書いて,ベースバイアス抵抗を計算し,求めることができる.固定バイアス増幅回路と自己バイアス増幅回路の構成や特徴を把握できない.交流負荷線及び直流負荷線を書いて,ベースバイアス抵抗を計算し,求めることができない.
評価項目2(1)トランジスタ増幅回路におけるベース接地方式の入出力関係,電流増幅率αを説明できる.またそれらに対するコレクタ遮断電流の影響を説明できる. (2)トランジスタ増幅回路におけるエミッタ接地方式における入出力関係,電流増幅率βを説明できる.またそれらに対するコレクタ遮断電流の影響を説明できる. (3)エミッタ接地方式における静特性(入力特性, 電流伝達特性, 出力特性, 電圧帰還率)について説明できる. (1)トランジスタ増幅回路におけるエミッタ接地方式の入出力関係,電流増幅率βを説明できる.またそれらに対するコレクタ遮断電流の影響を説明できる. (2)エミッタ接地方式における静特性(入力特性,電流伝達特性,出力特性, 電圧帰還率)について説明できる. (1)トランジスタ増幅回路におけるエミッタ接地方式の入出力関係,電流増幅率βを説明できない.またそれらに対するコレクタ遮断電流の影響を説明できない. (2)エミッタ接地方式における静特性(入力特性,電流伝達特性, 出力特性,電圧帰還率)について説明できない.
評価項目3電流帰還バイアス増幅回路の構成や特徴を把握し,ブリーダ抵抗値および帰還抵抗値を計算して決定できる.さらに電流帰還バイアス増幅回路の増幅動作を,図式解法(負荷線と動作点)を用いて解析した内容を説明できる.電流帰還バイアス増幅回路の構成や特徴を把握し,ブリーダ抵抗値および帰還抵抗値を計算して決定できる.さらに電流帰還バイアス増幅回路の増幅動作についての負荷線と動作点を図示できる. 電流帰還バイアス増幅回路の構成や特徴を把握できない.ブリーダ抵抗値および帰還抵抗値を計算して決定できない.電帰還バイアス増幅回路の増幅動作についての負荷線と動作点を図示できない.
評価項目4 固定バイアス増幅回路及び電流帰還バイアス増幅回路の(交流)等価回路をhパラメータを用いて描くことができ,その等価回路により動作量を導出できる.さらに多段増幅回路の動作量を等 価回路で考察し,hパラメータを用いて導出する。 固定バイアス増幅回路及び電流帰還バイアス増幅回路の(交流)等価回路をhパラメータを用いて描くことができ,その等価回路により動作量を導出できる.固定バイアス増幅回路及び電流帰還バイアス増幅回路の(交流)等価回路をhパラメータを用いて描くことができない.その等価回路により動作量を導出できない

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
トランジスタの動作・特性を習得し,バイアス回路,低周波電圧増幅回路の構成,負荷線と増幅動作及びトランジスタの等価回路と動作量を計算でき説明できること、さらにトランジスタの基本的な使い方を説明できる能力を養い、増幅回路が設計できる能力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
電子工学等で既習した内容を基礎に,電子回路で最も基本となるトランジスタを用いた低周波増幅回路について学ぶ。いろいろな電子回路や電気通信,デジタル回路等を習得する際の基礎となるように、適宜演習を取り入れ授業を行う。プリントを必要に応じて配布する。
注意点:
適宜行う演習を通じて,トランジスタ増幅回路の設計手法を修得すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.電子工学(復習)
1) 半導体の基礎
2.pn接合ダイオード
1) 基本的事項
半導体物質と種類およびキャリアについて説明できる。
端子名と記号,バイアスの加え方,電流電圧特性等について説明できる。
2週 2) ダイオードと抵抗の
直列回路
図式解法における負荷線と動作点について把握し,ダイオードと抵抗の直列回路の図式解法による回路解析法を説明できる。
3週 3.トランジスタ
1) 基本的事項
2) ベース接地方式での動作
端子名と型番・用途および記号,接地方式,バイアスの加え方,コレクタ遮断電流等のバイポーラトランジスタの特徴について説明できる。
ベース接地方式における入出力関係, 電流増幅率αを説明できる。またそれらに対するコレクタ遮断電流の影響を説明できる。
4週 3.トランジスタ
3) エミッタ接地方式での動作
4) エミッタ接地方式におけるトランジスタの静特性
エミッタ接地方式における入出力関係, 電流増幅率βを説明できる。またそれらに対するコレクタ遮断電流の影響を説明できる。
エミッタ接地方式における静特性(入力特性, 電流伝達特性, 出力特性, 電圧帰還率)について説明できる。
5週 3.トランジスタ
4) エミッタ接地方式におけるトランジスタの静特性
4.低周波増幅回路
1) 動作量

エミッタ接地方式における静特性(入力特性, 電流伝達特性, 出力特性, 電圧帰還率)について説明できる。
増幅回路における動作量(電流増幅率と電流利得, 電圧増幅率と電圧利得, 電力増幅率と電力利得, 入出力インピーダンス)について説明できる。
6週 4.低周波増幅回路
2) 二電源方式回路と
図式解法
重ね合わせの定理を用いて直流(バイアス)成分と交流(信号)成分に分離できることを説明できる。また各々直流等価回路と交流等価回路で説明できる。
二電源方式の増幅動作を図式解法(負荷線と動作点)を用いて解析した内容を説明できる。
7週 4.低周波増幅回路
3) 固定バイアス回路・自己バイアス回路と図式解法
固定バイアス回路と自己バイアスア回路の構成や特徴を把握し,(ベース)バイアス抵抗の決定法を説明できる。
固定バイアス回路と自己バイアスア回路の増幅動作を図式解法(負荷線と動作点)を用いて説明できる。
固定バイアス回路と自己バイアスア回路の安定度の違いとその原因を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 4.低周波増幅回路
4) 電流帰還バイアス回路と図式解法
電流帰還バイアス回路の構成や特徴を把握し,ブリーダ抵抗値および帰還抵抗値の決定法を説明できる。
電流帰還バイアス回路の増幅動作を,図式解法(負荷線と動作点)を用いて解析した内容を説明できる。
10週 5.h-パラメータ
1) h-パラメータによるトランジスタの取扱
h-パラメータの種類と意味を説明できる。また,それを用いてトランジスタの入出力関係を,精密式および簡略式で導出する。
h-パラメータを用いてトランジスタの(交流)等価回路を描き,説明できる。
トランジスタの動作量を等価回路で考察し,h-パラメータを用いて導出する。
11週 5.h-パラメータ
2) h-パラメータによる固定バイアス回路の解析
h-パラメータを用いて固定バイアス増幅回路の(交流)等価回路を描き,説明できる。
固定バイアス回路の動作量を等価回路により考察し,h-パラメータを用いて導出する。
12週 5.h-パラメータ
2) h-パラメータによる固定バイアス回路の解析
3) h-パラメータによる電流帰還バイアス回路の解析
固定バイアス回路の動作量を等価回路により考察し,h-パラメータを用いて導出する。
h-パラメータを用いて電流帰還バイアス増幅回路の(交流)等価回路を描き,説明できる。
13週 5.h-パラメータ
3) h-パラメータによる電流帰還バイアス回路の解析
h-パラメータを用いて電流帰還バイアス増幅回路の(交流)等価回路を描き,説明できる。
電流帰還バイアス回路の動作量を等価回路により考察し,h-パラメータを用いて導出する。
14週 5.h-パラメータ
4) h-パラメータによる多段増幅回路の解析
5) インピーダンス整合
h-パラメータを用いて多段増幅回路の(交流)等価回路を描き,説明できる。
多段増幅回路の動作量を等価回路で考察し,h-パラメータを用いて導出する。
インピーダンス整合の必要性及びその整合法を説明できる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

試験小テスト・レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000