電子工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子工学Ⅱ
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「電子工学基礎」中澤 達夫・藤原 勝幸(コロナ社)
担当教員 奥 高洋

到達目標

1.基本的な電子の性質や,真空中での電子の挙動について,説明できる.
2.金属中での電子の挙動について説明できる.
3.原子内での電子配置について説明できる.
4.基本的な結晶構造について説明できる.
5.半導体の基本的な性質等について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の二重性を理解し,電子に対する電界や磁界の影響を説明できる.電子の電荷量や質量を把握し,電子の運動量やエネルギーを求めることができる.基本的な電子の性質や,真空中での電子の挙動について説明できない.
評価項目2キャリア移動度やドリフト速度について理解し,値の算出ができる.金属中の電子の動きから,電流や導電率等を求めることができる.金属中での電子の挙動について説明できない.
評価項目3パウリの排他律,構成原理,フントの規則を用いて,原子内の電子配置を説明できる.原子内での電子配置が,各種量子数と関係することを説明できる.原子内での電子配置について説明できない.
評価項目4距離,充填率等を求めることができる.基本的な結晶構造を説明・分類できる.基本的な結晶構造について説明できない.
評価項目5I 形/ n 形/ p形の立場から,半導体を説明できる.半導体の性質が,金属と異なることを説明できる.半導体の基本的な性質等について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-a 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本講義は,4年次からの「半導体工学Ⅰ・Ⅱ」を履修するために必要な最低限の知識を習得する目的として開講される.半導体のみならず,今後材料や物性を学んでいく上でも常識的な内容である.
授業の進め方・方法:
 授業は講義形式を基本とする.低学年時に「物理」や「化学」で習った内容と関連する事柄も多いので,当時の内容を忘れていたり / 理解できていない場合は,必要に応じて復習をしておくこと.なお,本科目では,「中間試験 および 期末試験 を実施」する.
注意点:
 目に見えない事象を取り扱うので,イメージする(別の何かに例えたりする)ことを意識して取り組んで欲しい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電子に関する基本的な事柄 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明でき,それらを基に運動量やエネルギーを計算できる.
2週 電界中の電子 電界中での電子について,運動方程式をたてて説明できる.
3週 磁界中の電子 磁界中での電子について,運動方程式をたてて説明できる.
4週 電子の二重性,光の二重性① 二重スリット実験(電子の干渉現象)から,電子の波動性を説明できる.
5週 電子の二重性,光の二重性② 光電効果やコンプトン効果から,光の粒子性を説明できる.
6週 金属中での電子の挙動① 金属結晶のイメージを理解し,その中での電子の挙動を数式で考えることができる.
7週 金属中での電子の挙動② キャリアの移動度やドリフト速度,平均自由行程等を理解し,金属の電気伝導について数式で考えることができる.
8週 原子の構造 原子の構造を理解し,原子内の電子配置は量子数と関係することを説明できる.
4thQ
9週 原子内の電子配置 パウリの排他律,構成原理,フントの規則によって,(原子番号の小さい)原子の電子配置を説明できる.
10週 原子の結合と結晶
共有結合,イオン結合,金属結合等の特徴を説明できる.
11週 基本的な結晶構造① 基本的な結晶構造(sc / bcc /
fcc)の特徴を説明でき,内包原子数,最隣接原子間距離,充填率等を求めることができる.
12週 基本的な結晶構造① 基本的な結晶構造(hcp / ダイヤモンド構造)の特徴を説明でき,内包原子数,最隣接原子間距離,充填率等を求めることができる.
13週 半導体の基本① 半導体および絶縁体の特徴を,金属と対比させて説明できる.
14週 半導体の基本② 半導体の I 形 / n 形 / p形 について,不純物や多数 / 少数キャリアの観点から説明できる.
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目).
16週

評価割合

試験レポート / 演習等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000