倫理学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 倫理学
科目番号 0080 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕 『現代倫理学入門』(加藤尚武著、講談社学術文庫、1997) 〔参考書・補助教材〕 必要な資料文献は適宜プリントして配布する。
担当教員 町 泰樹

到達目標

日常生活において出会うさまざまな倫理的問題がどういう問題なのかを具体的事例に基づき考察する。それによって、現代の倫理学は何を問うているのかを理解するのが本科目の目標である。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.行為規範の普遍妥当性を理解できる。行為規範の普遍妥当性について、自分の言葉で説明できる。行為規範の普遍妥当性に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。行為規範の普遍妥当性について、一問一答式で答えることができない。
2.生存功利主義とサバイバル・ロッタリーを理解できる。生存功利主義とサバイバル・ロッタリーについて、自分の言葉で説明できる。生存功利主義とサバイバル・ロッタリーに関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。生存功利主義とサバイバル・ロッタリーについて、一問一答式で答えることができない。
3.功利主義と義務論的な立場との違いを理解できる。功利主義と義務論的な立場との違いについて、自分の言葉で説明できる。功利主義と義務論的な立場との違いに関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。功利主義と義務論的な立場との違いについて、一問一答式で答えることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では、日常生活において出会うさまざまな倫理的問題がどういう問題なのかを具体的事例に基づき考察する。本科目は、2年次の「倫理」の延長として位置し、主に義務論・功利主義を区別・批判しながら諸問題を考察する。5年次の人文社会科学の諸教科、「技術倫理総論」、および専攻科2年の「技術倫理」と関連する教科である。
授業の進め方・方法:
本科目では、講義形式で授業を進める。
注意点:
単になる暗記に終わることなく、自分自身で問題を考え抜く態度を身につけること。なお、本科目は学修単位(講義Ⅱ)の科目であり、週ごとの90分の講義に対して240分の自学自習が必要である。そのため、参考書や適宜配布するプリントを参考に毎回復習し、講義1回につき240分以上の自学自習を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 嘘はゆるされるか 行為規範の普遍妥当性を理解できる。
2週 多数者の犠牲は許されるか 生存功利主義とサバイバル・ロッタリーを理解できる。
3週 誰を救うか? 功利主義と義務論的な立場との違いを理解できる。
4週 エゴイズムに基づく行為 快楽主義の意義について理解する。
5週 どうすれば幸福の計算ができるのか
厚生経済学の理念について理解する。
6週 判断能力があるとは? バイオエシックスにおける人格概念を理解できる。
7週 「である」から「べきである」を導き出すことはできないか 自然主義的誤謬批判の立場とそれに関連する直覚主義、情緒主義、世俗的主意主義などの議論を理解できる。
8週 正義の原理は純粋な形式で決まるのか?
カントの定言命法とヒュームの正義論、ミルの功利主義的な普遍化理論を理解できる。
2ndQ
9週 思いやり道徳の規則とは
黄金律と互酬性、道徳の基本構造を理解できる。
10週 正直者が損しないように 囚人のジレンマの構造、ただ乗り問題を理解できる。
11週 他人に迷惑をかけなければ
何をしてもよいか
他者危害原則、愚行権を中心とする自由主義の立場とその問題点を理解できる。
12週 貧しい人を助けるのは豊かな人の義務であるか。 ミルの自由主義の背景になっている、相互的な完全義務と恩恵的な不完全義務について理解できる。
13週 現在の人間には未来の人間に対する義務があるか 世代間倫理、「恩」の概念を理解できる。
14週 正義は時代によって変わるか科学の発達に限界を定めることができるか 相対主義に関する議論の構造を理解できる。
科学技術の功罪、可能性と危険性を理解できる。
15週 前期期末試験の答案返却・解説 期末試験において、これまでの達成度を確認する。
各試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000