電磁気学Ⅳ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学Ⅳ
科目番号 0087 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 安立三郎、大貫繁雄「電磁気学」(森北出版)
担当教員 屋地 康平

目的・到達目標

1.磁性体の基本的性質を理解し、アンペア周回積分の法則から磁気回路の考え方を説明できる。その上で磁気回路の考え方を応用して、実際の鉄芯入り回路、空隙あり鉄心等における磁束密度を計算できる。
2.強磁性体の磁化について、B-Hの非線形性ならびにヒステリシス特性を理解し、鉄芯の非線形性やヒステリシスを考慮した磁気回路における磁束密度の計算ができる。また磁界のエネルギーと磁性体に働く力の関係から磁性体に働く力を計算できる。
3.変位電流の概念を導入したアンペア周回積分、電界、磁束密度のガウスの法則、電磁誘導の法則の線積分、体積積分の意味を明確にしながら整理し、各法則の微分形の表現、即ちマクスウェルの方程式を導くことができる。
4.マクスウェルの方程式から自由空間での波動方程式が導出でき、その解が電磁波(平面波)を表していることから、電磁波の基本的性質を導くことができる。また、空間の電磁界エネルギーの流れをポインチングベクトルによって表現できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な到達レベルに加え、 ・磁気回路の考え方を応用して、ダブルヨーク+空隙ありなど様々な形状の鉄芯入り磁気回路における磁束密度を計算できる。・磁性体の基本的性質とアンペア周回積分の法則から磁気回路の考え方を説明できる。 ・磁気回路の考え方を応用して、空隙あり鉄芯の等価回路(磁気抵抗)を導き、空隙部の磁束密度を計算できる。磁性体の基本的性質とアンペア周回積分の法則から磁気回路の考え方が説明できない。また、単純な磁気回路の等価回路を導き、それより鉄芯内の磁束密度の計算ができない。
評価項目2標準的な到達レベルに加え、 ・エネルギーと力の関係から磁性体に働く力を理解し、電源を含めた磁気回路における力が仮想変位から求められることを説明できる。 ・ヒステリシスループ内が電力損失に当たることを導くことができる。また鉄損との関係を説明できる。・鉄芯のB-H特性が飽和する(非線形である)場合やヒステリシス特性を有する場合の、空隙つき磁気回路における磁束密度をグラフを用いた解法を理解し、実際の値を求めることができる。 ・磁界のエネルギー1/2BHを環状ソレノイドの例から計算できる。磁性体に働く力をマクスウェル応力から機械的に求めることができる。鉄芯のB-H特性が飽和する(非線形である)場合やヒステリシス特性を有する場合の空隙つき磁気回路における磁束密度の計算法(グラフを用いた解法)を理解できない。
評価項目3標準的な到達レベルに加え、 ・発散(div)、回転(rot)などベクトル解析の考え方を説明できる。・変位電流の概念を導入したアンペア周回積分、電界、磁束密度のガウスの法則、電磁誘導の法則の積分形から、各法則の微分形の表現、即ちマクスウェルの方程式を導くことができる。変位電流の概念を導入したアンペア周回積分、電界、磁束密度のガウスの法則、電磁誘導の法則の積分形から、各法則の微分形の表現を導くことができない。
評価項目4標準的な到達レベルに加え、 ・電気双極子から発生する電磁波の考え方と電波通信の概要について説明できる。 ・ポインチングベクトルが空間に蓄えられる電界と磁界のエネルギーの流れであることを導くことができる。・マクスウェルの方程式から自由空間での波動方程式が導出できる。 ・一次元の波動方程式について進行波がその解であることから、位相速度が光速となる事を導くことができる。 ・電界と磁界が直交することを説明でき、固有インピーダンスを導くことができる。 ・ポインチングベクトルの意味を理解し、電磁波によるエネルギーの流やコンデンサーの充放電時のポインチングベクトルについて説明できる。マクスウェルの方程式から自由空間での一次元の波動方程式が導出できない。また、進行波を数式により表現できない、あるいは進行波の式から、電磁波の基本的性質を導くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-a 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電磁気学I、Ⅱ、Ⅲの続編として、鉄芯など強磁性体を含む場合の取り扱いと電磁波について学習し、電磁気学の一通りを終える。また、これまで学習してきた電磁気学の諸法則の微分形式、即ちマクスウェルの電磁方程式を導くことから「発散」「回転」などのベクトル解析の考え方を学ぶ。
授業の進め方と授業内容・方法:
前半は磁性体の性質、磁気回路による各種鉄芯入りコイルにおける問題を扱う。後半はマクスウェルの電磁方程式を導くため、ベクトル量の線積分、体積積分、また偏微分を用いた数学的表現が多く出てくるが、数式を覚えるのでなく、数式が物理的に何を表現しているかを、図を描いて理解することが重要である。数式の展開・導出を必ず自分で手を動かしてやって見る事が、絶対に必要であり、自学自習で必ず行う事。
注意点:
学修単位〔講義Ⅰ]の科目であるので、1回の授業に対して、1時間の自学自習が必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 物質の磁気的性質 □ 磁化現象、その原因である磁気双極子モーメントの由来、磁化の強さ、磁化率と透磁率の関係を理解し、強磁性、常磁性、反磁性の磁化率と磁化特性を説明できる。
2週 物質の磁気的性質

□ 磁性体境界面での条件を理解し、磁性体界面での磁力線の屈折の式を導出できる。
3週 磁気回路 □ 磁気回路、磁気抵抗の考え方を習得し、μ一定の場合のギャップ付磁気回路内の磁束密度を計算できる。
4週 磁気回路 □ トランス等の鉄心の磁気回路の等価回路を描くことができ、鉄心内の磁束密度を計算できる。
5週 強磁性体 □ 磁化曲線の意味、B-Hの非線形性、自発磁化、ヒステリシスループ、残留磁気、保持力を説明できる。軟磁性、硬磁性の違いを説明できる。
□ 磁化曲線を用いて、B-Hの非線形性を考慮した、強磁性体の磁気回路における磁束密度を計算することができる。
6週 磁界のエネルギーと磁性体に働く力 □ ソレノイドの磁気エネルギーよりdw=HdBであることを理解し、空間及び磁性体に単位体積当たりに蓄えられる磁気エネルギーを計算することができる。
□ 磁性体界面に働く力をF = - dW/dx から求め、マクスウェル応力として一般化できることを理解し、実際の力の計算ができる。
7週 磁界のエネルギーと磁性体に働く力 □ 電源を含めた磁気回路における力が仮想変位から求められることを説明できる。
□ ヒステリシスループ内が電力損失に当たることを導くことができる。また鉄損との関係を説明できる。
8週 変位電流 □ 電流の定義の一般化により、変位電流が導かれることを説明できる。
4thQ
9週 Maxwell方程式 □ 「発散」「回転」の意味を説明できる。
10週 Maxwell方程式 □ 電界、磁束密度のガウスの法則、アンペア周回積分の法則、ファラデーの法則の積分形による表現と現象を復習し、空間の微小面積dxdy,微小体積要素dxdydzについて積分形の各法則を適用する事によりxyz座標におけるMaxwell方程式(微分形の表現)が導出できる。
11週 Maxwell方程式 □ 電界、磁束密度のガウスの法則、アンペア周回積分の法則、ファラデーの法則の積分形による表現と現象を復習し、空間の微小面積dxdy,微小体積要素dxdydzについて積分形の各法則を適用する事によりxyz座標におけるMaxwell方程式(微分形の表現)が導出できる。また、「発散」、「回転」の意味を説明できる。
12週 電磁波の従う方程式 □ xyx座標におけるMaxwell方程式から波動方程式の導出ができる。
13週 平面波と電磁波の伝播 □ 平面波を仮定したときの波動方程式を導き、その一般解を示すことができる。
14週 Poyntingベクトル □ 空間の電磁界エネルギーの流れの表現法(Poyntingベクトル)について理解し、電磁波によるエネルギーの流れ、コンデンサーの充放電時のPoyntingベクトルについて説明できる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週

評価割合

試験小テスト等合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力0000000
専門的能力50500000100
分野横断的能力0000000