倫理学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 倫理学
科目番号 0104 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕 『現代倫理学入門』(加藤尚武著、講談社学術文庫、1997) 〔参考書・補助教材〕 必要な資料文献は適宜プリントして配布する。
担当教員 町 泰樹

到達目標

日常生活において出会うさまざまな倫理的問題がどういう問題なのかを具体的事例に基づき考察する。それによって、現代の倫理学は何を問うているのかを理解するのが本科目の目標である。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.倫理学が扱う領域やそれを学ぶメリットについて説明できる。倫理学が扱う領域やそれを学ぶメリットについて、自分の言葉で説明できる。倫理学が扱う領域やそれを学ぶメリットについて、複数の説明文から適切なものを選択することができる。倫理学が扱う領域やそれを学ぶメリットについて、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
2.倫理的判断が合理的なものである条件について説明できる。倫理的判断が合理的なものである条件について、自分の言葉で説明できる。倫理的判断が合理的なものである条件に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。倫理的判断が合理的なものである条件について、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
3.相対主義や宗教、利己主義、自然主義に関する倫理学の立場について説明できる。相対主義や宗教、利己主義、自然主義に関する倫理学の立場について、自分の言葉で説明できる。相対主義や宗教、利己主義、自然主義に関する倫理学の立場について、複数の説明文から適切なものを選択することができる。相対主義や宗教、利己主義、自然主義に関する倫理学の立場について、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
4.定言命法と仮言命法の違いについて説明できる。定言命法と仮言命法の違いについて、自分の言葉で説明できる。定言命法と仮言命法の違いについて、複数の説明文から適切なものを選択することができる。定言命法と仮言命法の違いについて、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
5.完全義務と不完全義務の違いについて説明できる。完全義務と不完全義務の違いについて、自分の言葉で説明できる。完全義務と不完全義務の違いについて、複数の説明文から適切なものを選択することができる。完全義務と不完全義務の違いについて、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
6.功利主義の原則とその利点について説明できる。功利主義の原則とその利点について、自分の言葉で説明できる。功利主義の原則とその利点について、複数の説明文から適切なものを選択することができる。功利主義の原則とその利点について、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
7.徳倫理学の特徴について、義務論や功利主義との違いを踏まえて説明できる。徳倫理学の特徴について、義務論や功利主義との違いを踏まえて自分の言葉で説明できる。徳倫理学の特徴について、義務論や功利主義との違いを示した複数の説明文から適切なものを選択することができる。徳倫理学の特徴について、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
8.徳倫理学の問題点について説明できる。徳倫理学の問題点について、事例を示しつつ自分の言葉で説明できる。徳倫理学の問題点について、複数の説明文から適切なものを選択することができる。徳倫理学の問題点について、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
9.功利主義の問題点について説明できる。功利主義の問題点について、事例を示しつつ自分の言葉で説明できる。功利主義の問題点について、複数の説明文から適切なものを選択することができる。功利主義の問題点について、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
10.功利主義における「幸福」定義の歴史的変遷やそれによる改善点や問題点について説明できる。功利主義における「幸福」定義の歴史的変遷やそれによる改善点や問題点について、自分の言葉で説明できる。功利主義における「幸福」定義の歴史的変遷やそれによる改善点や問題点について、複数の説明文から適切なものを選択することができる。功利主義における「幸福」定義の歴史的変遷や、それによる改善点や問題点に関する基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
11.功利主義の様々な立場の違いについて説明できる。功利主義の様々な立場の違いについて、そのメリットやデメリットを含めて自分の言葉で説明できる。功利主義の様々な立場の違いについて、複数の説明文から適切なものを選択することができる。功利主義の様々な立場の違いについて、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
12.ミルの自由主義の背景になっている、相互的な完全義務と恩恵的な不完全義務について説明できる。ミルの自由主義の背景になっている、相互的な完全義務と恩恵的な不完全義務について、自分の言葉で説明できる。ミルの自由主義の背景になっている、相互的な完全義務と恩恵的な不完全義務について、複数の説明文から適切なものを選択することができる。ミルの自由主義の背景になっている、相互的な完全義務と恩恵的な不完全義務について、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
13.バイオエシックスにおける「人格」概念の原理的な諸問題について説明できる。バイオエシックスにおける「人格」概念の原理的な諸問題について、自分の言葉で説明できる。バイオエシックスにおける「人格」概念の原理的な諸問題について、複数の説明文から適切なものを選択することができる。バイオエシックスにおける「人格」概念の原理的な諸問題について、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。
14.環境倫理学における「人格」概念拡大の試みについて、説明できる。環境倫理学における「人格」概念拡大の試みについて、具体的な事例とともに自分の言葉で説明できる。環境倫理学における「人格」概念拡大の試みについて、複数の説明文から適切なものを選択することができる。環境倫理学における「人格」概念拡大の試みについて、基礎的な知識を問う一問一答に答えることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では、日常生活において出会うさまざまな倫理的問題がどういう問題なのかを具体的事例に基づき考察する。本科目は、2年次の「倫理」の延長として位置し、主に義務論・功利主義・徳倫理学を区別・批判しながら諸問題を考察する。5年次の人文社会科学の諸教科、「技術倫理総論」、および専攻科2年の「技術倫理」と関連する教科である。
授業の進め方・方法:
本科目では、講義形式で授業を進める。
学生同士の意見交換によって議論を深める場を設定する。
注意点:
単なる暗記に終わることなく、自分自身で問題を考え抜く態度を身につけること。なお、本科目は学修単位(講義Ⅱ)の科目であり、週ごとの90分の講義に対して240分の自学自習が必要である。そのため、参考書や適宜配布するプリントを参考に毎回復習し、講義1回につき240分以上の自学自習を行うこと。また、自学自習を担保する課題を課し、そこから得られる発展的な知識を問う問題についても定期試験に出題する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション&倫理学とは何か? 授業の進め方について理解する。(非評価項目)
倫理学が扱う問題を知り、倫理学を学ぶメリットについて説明できるようになる。
2週 「倫理について合理的に考える」とは、どのようなことか? 倫理的判断が合理的なものである条件について説明できる。
3週 倫理と倫理学についての素朴な疑問 倫理学に関する素朴な疑問を通じて、相対主義や宗教、利己主義、自然主義に関する倫理学の立場について説明できる。
4週 カントの倫理学 定言命法と仮言命法の違いについて説明できる。
完全義務と不完全義務の違いについて説明できる。
5週 功利主義
功利主義の原則を理解し、その利点について説明できる。
6週 徳倫理学① 徳倫理学の特徴について、義務論や功利主義との違いを踏まえて説明できる。
7週 徳倫理学② 徳倫理学の問題点について理解する。
8週 功利主義を批判する①
サバイバル・ロッタリーやリューマチの王様の事例から、功利主義の問題点について説明できる。
2ndQ
9週 功利主義を批判する②
功利主義における「幸福」の定義について、どのような歴史的変遷を得てきたのか、それによってどのような改善点や問題点が生じたのかを説明できる。
自らの「幸福」について批判的に考えることができる。
10週 功利主義を洗練する① 功利主義の様々な立場の違いを比較し、そのメリットやデメリットについて説明できる。
11週 功利主義を洗練する②
12週 「自由」について考える ミルの自由主義の背景になっている、相互的な完全義務と恩恵的な不完全義務について理解できる。
13週 「人格」の範囲について考える① バイオエシックスにおける「人格」概念の原理的な諸問題について説明できる。
14週 「人格」の範囲について考える② 環境倫理学における「人格」概念拡大の試みについて、事例とともに説明できる。
15週 前期期末試験の答案返却・解説 期末試験において、これまでの達成度を確認する。
各試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600010030100
基礎的能力600010030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000