電磁気学Ⅴ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学Ⅴ
科目番号 0121 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 [教科書]小宮山進・竹川敦「マクスウェル方程式から始める 電磁気学」(裳華房) /[参考書]安立三郎・大貫繁雄「電磁気学」(森北出版)/[参考書]「新応用数学」(大日本図書),他
担当教員 屋地 康平

到達目標

1.曲線や曲面の基礎的な性質を理解する.
2.ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環について理解し,積分形で表されたマクスウェル方程式について説明できる.
3.スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要を理解し,Greenの定理・Gaussの定理・Stokesの定理を計算に利用することができる.
4.静電ポテンシャルとLaplace方程式・Poisson方程式の概要を説明できる.
5.ベクトルポテンシャルの概要を理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1曲線や曲面の基礎的な性質を正しく理解し,正しい数式で表すことができる.曲線や曲面の基礎的な性質を概ね正しく理解している.曲線や曲面の基礎的な性質をあまり理解していない.
評価項目2ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環の概要を正しく理解し,積分形で表されたマクスウェル方程式について説明できる.ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環の概要を概ね正しく理解し,積分形で表されたマクスウェル方程式について説明できる.ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環の概要をあまり理解していない.積分形で表されたマクスウェル方程式について説明できない.
評価項目3スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要を正しく理解し,Greenの定理・Gaussの定理・Stokesの定理を証明できる.スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要を概ね正しく理解し,Greenの定理・Gaussの定理・Stokesの定理を計算に利用することができる.スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要をあまり理解していない.Greenの定理・Gaussの定理・Stokesの定理を計算に利用することができない.
評価項目4なし微分形で表されたMaxwell方程式を書き下すことができる.微分形で表されたMaxwell方程式を書き下すことができない.
評価項目5標準的な到達レベルに加えて,静電場の一意性について説明できる.静電ポテンシャルとLaplace方程式・Poisson方程式の概要を説明できる.静電ポテンシャルとLaplace方程式・Poisson方程式の概要を説明できない.
評価項目6標準的な到達レベルに加えて,ローレンツゲージの概要を概ね正しく理解している.ベクトルポテンシャルの概要を概ね正しく理解している.ベクトルポテンシャルの概要をあまり理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-a 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は,担当教員が企業での経験を活かし,電磁理論の初歩について講義形式で授業を行うものです.
まず,電磁気学の基本法則はMaxwell方程式で表されることを理解します.次に,Maxwell方程式を起点として,様々な電磁気現象を簡単な例で考察します.ここで紹介する電磁気現象そのものは,いずれも電磁気学I–IVで学習したものがほとんどですが,これらに曲線や曲面のもつ数学的性質を取り入れることで,よりきれいに・かつ理解しやすい形で表せることが分かります.
授業の進め方・方法:
基本的に講義は教科書に沿って行います.電磁気学に必要な解析学の手法(曲線や曲面の性質)を,前半の授業でパワーポイント資料で掻い摘まんで説明します.
注意点:
本科目は,学修単位(講義I)の科目です.講義1回に対して 1時間の自学自習時間が必要です.自学自習においては,ベクトル場とスカラー場の違い,微分・積分の本質的な役割に注意しながら学習を進めてください.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 曲線や曲面の基礎的な性質 微積分をもちいて1変数実数値関数の基本的な性質を調べることができる.
2週 曲線や曲面の基礎的な性質 微積分をもちいて1変数実数値関数の基本的な性質を調べることができる.
3週 曲線や曲面の基礎的な性質 微積分をもちいて多変数実数値関数の基本的な性質を調べることができる.
4週 曲線や曲面の基礎的な性質 微積分をもちいて多変数実数値関数の基本的な性質を調べることができる.
曲線や曲面の基礎的な性質を理解し,座標変換のもとでの微分積分を求めることができる.
5週 ベクトル場の流束と循環,Maxwell方程式(積分形) ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環の概要を理解し,積分形で表されたMaxwell方程式について説明できる.
6週 ベクトル場とスカラー場の微積分 スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要を理解する.
7週 ベクトル場とスカラー場の微積分 Greenの定理・Gaussの定理・Stokesの定理を計算に利用することができる.
8週 Maxwell方程式(微分形) 微分形で表されたMaxwell方程式を書き下すことができる.
2ndQ
9週 静電気,電場,静電ポテンシャル 静電ポテンシャルとLaplace方程式・Poisson方程式の概要を理解する.
10週 静電気,電場,静電ポテンシャル 簡単な例について静電ポテンシャルと電場を求めることができる.
11週 静電エネルギー 静電エネルギーの概要を理解し,簡単な例について静電場のエネルギーを求めることができる.
12週 誘電体 分極ベクトルと分極電荷の概要を理解する.
簡単な例について誘電体内外の電場を求めることができる.
13週 静磁気 ベクトルポテンシャルの概要を理解する.
14週 静磁気 Biot–Savartの法則,磁気モーメントについて説明できる.
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する (非評価項目) .
16週

評価割合

定期試験レポート・小テスト合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000