電気法規・施設管理

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気法規・施設管理
科目番号 0121 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 電気法規と電気施設管理 (竹野正二 東京電機大学出版局)/補助教材としてプリントを配布する
担当教員 鹿子生 賢一

到達目標

1.日本及び世界のエネルギー情勢を理解し、課題を説明できる。
2. 電気事業法の目的、概要、主な改正内容等を把握し、重要条文を説明できる。
3. 電力の供給側、需要側の設備概要を理解し、説明できる。
4. 電気設備技術基準の主な条文を理解し、具体的な数値や用語を説明できる。
5. 電気設備技術基準に規定された基準値(接地抵抗値、1線地絡電流値、短絡電流等)を計算で求めることが出来る。
6. 再エネ導入拡大に伴う電力系統への影響を理解し、電力品質維持の方法を説明できる。
7. 電気事業に関連する法律について、その目的を理解し、概要を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日本及び世界のエネルギー情勢について、現状及び課題を理解し、説明出来る。エネルギー問題に対して、自分の対策案を持ち、日本及び世界の対策案と比較検討し、自分で出来る事を考え、実行できる。日本及び世界のエネルギー情勢について、現状及び課題を理解し、説明出来る。日本及び各国の取組み内容を説明出来る。日本及び世界のエネルギー情勢について、現状及び課題を理解しているが、具体的な説明まではできない。
評価項目2電気事業法、電力設備及び電気保安体制について、現場設備への適用状況を具体的に説明できる、法規制の資料を理解できる。電気事業法の概要、電力設備及び電気保安体制の概要を説明し、基準値を算定する事ができる。電気事業法の概要、電力設備及び電気保安体制の概要を説明できるが、基準値の算定根拠を明示する事はできない。
評価項目3電気設備技術基準の内容について、具体的な事例を複数挙げ、それぞれの違いを説明できる。電気設備技術基準の内容について、事例を用いて具体的な説明ができる。電気設備技術基準の内容は理解しているが、具体的な説明まではできない。
評価項目4電力の供給側、需要側の設備を理解し、説明できる。電力設備の需要側(もしくは供給側)について、理解し、説明できる電力の需要設備(もしくは供給設備)が理解できない。
評価項目5 再エネ導入の技術課題と対策を理解し、電力の需給バランスを具体的に説明できる。 再エネ導入の必要性と課題を理解し、それに伴う対策の必要性を説明できる。今後の再エネ導入の拡大は理解しているが、それに伴う技術的な課題や対策を説明できない。
評価項目6電気設備技術基準の規定された基準を計算で導出することが出来る。分散型電源が連系した系統のインピーダンスマップを描く、逆潮流を計算する事が出来る。電気設備技術基準の規定された基準について、計算で導出することが出来る。分散型電源が連系していない系統のインピーダンスマップを描き、潮流を計算する事が出来る。電気設備技術基準の規定された基準について、与えられた計算式で算出する事が出来る。
評価項目7電気事業に関連する法律について、その目的を理解し、概要を説明できる。電気事業に関連する、電気工事士法、電気工事業法、電気用品安全法のいずれかの目的を理解し、概要を説明できる。電気事業に関連する法律について、目的の理解が曖昧で、部分的にしか説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は、企業で電力供給設備の建設計画・設備設計・保全及び蓄電池技術開発を担当していた教員が、その経験を活かし、電気法規・施設管理等について講義形式で授業を行うものである。
電気工学の理論を学習し、既に電気に関する一定程度の知識を有する学生が、電気を供給する者、電気工事を行う者、電気機器を製造する者(または、輸入する者)、電気を使用する者に対して、どのような法令により規制されているか、また、電気施設をいかに拡充し、運転し、また保守して、その施設が目的とする機能を十分に発揮されるようにするかについて習得し、社会で実務に携わる場合に必要とする基本事項を理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
基本教科書に沿うが、学習時間と教科書の内容を考慮しポイントをまとめた資料を別途配布し授業を進める。また、実際の電気施設の拡充、運用といった内容は電力会社のPR資料等を活用し理解を深める。必要に応じて、電力の時事や国レベルで議論されている再エネに関する情報を提供し、ディスカッションを行う。
注意点:
 教科書や適宜配布するプリントを用いて、予習・復習を十分に行うこと。また、講義の内容をよく理解するために、毎回、予習・復習して、60分以上の自学自習が必要である。疑問点があれば、その都度質問すること。折に触れ、電力事情の時事についても説明するので、よく理解すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.電気エネルギー情勢全般 □ 日本及び世界の電気エネルギー情勢を理解し、その概要を説明できる。
□ 電気エネルギーの課題、その対策、将来展望を理解し、説明できる。
□ 日本のエネルギー計画を理解し、その概要を説明できる。
2週 2.電気関係法規の大要と電気事業 □ 電気関係法規の体系と各法令の概要について説明できる。
□ 電気事業の種類と特質について説明できる。
□ 電気事業と電気法規の変遷,ならびに,近年の規制緩和と電力自由化について説明できる。
3週 3.電気工作物の保安に関する法規 □ 電気事業法における電気保安体制と電気保安確保の考え方について説明できる。
□ 電気保安関係各法令の概要について説明できる。
4週 3.電気工作物の保安に関する法規 □ 電気事業法における電気保安体制と電気保安確保の考え方について説明できる。
□ 電気保安関係各法令の概要について説明できる。
5週 3.電気工作物の保安に関する法規 □ 電気工作物ごとの保安規制を理解し、それぞれについて説明することができる。
□ 監督官庁への届出、報告の内容、時期等を理解し、自ら届出、報告するイメージを持つ事ができる。
6週 4.電気に関する標準規格 □ 工業標準化の必要性とその種類,並びに,JISの制度について説明できる。
□ 電気用品安全法に規定されている安全基準を理解し、電気用品ごとに基準内容を説明することができる。
7週 5.電力需給及び電源開発 □ 電力需給のバランスと電源開発について説明できる。
□ 負荷の種類とその特性について説明できる。
8週 5.電力需給及び電源開発 □ 需給調整方法の種類とそれぞれの特徴、メリット、デメリットを理解し、説明することができる。
□ 各種電源(水力、火力等)について、それぞれの特徴を理解し、説明することができる。
4thQ
9週 6.電力系統の運用 □電力の安定供給に資する 系統の周波数及び電圧維持の必要性とその調整方法について説明できる。
10週 6.電力系統の運用 □ 至近の再エネ連系拡大に伴う系統運用の特徴を理解し、その具体的な内容について説明できる。
11週 7.電気工作物の技術基準 □ 技術基準の種類と規制内容について説明できる。
□ 電圧区分や絶縁と接地に関する規定など電気保安の基本事項が説明できる。
□ 発電所,変電所,電線路に対する電気設備技術基準での規制内容が説明できる。
12週 7.電気工作物の技術基準 □ 電力保安通信設備に対する電気設備技術基準での規制内容が説明できる。
□ 自家用発電機を系統に連系する場合の基本的考え方と技術要件が説明できる。
13週 8.系統運用、連系審査、設備構築等 □ 実現場で行っている具体的な系統運用をイメージすることができる。
□ 再エネ連系に対して、どのような審査項目があり、その基準の技術的な意味を理解できる。
□ 再エネ連系により必要な対策工事について、その技術的要件や工事内容を理解する事が出来る。
14週 9.重要ポイントのおさらい、計算問題演習 □ 本講義を通して、最も重要な内容をピックアップし、再度、解説。
□ 接地抵抗や地絡電流等、電験法規科目レベルの計算問題を演習。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000