| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
□ 黒体放射の理論からプランクが量子仮説を導いたことを説明できる
□ 電磁波の粒子性、即ち運動量を持つことを、コンプトン効果により説明できる。 | □ 電磁波が進行波であること、電波、光、放射線と波長との関係を説明できる。
□ プランクの量子仮説、アインシュタインの光量子説を理解し、E=hνより限界波長を計算できる。
□ ド・ブローイの物質波の概念を理解し、電界により加速された電子の波長、波数を計算できる。 | 波長と位相速度を与えられた時に進行波の式を導くことができない。また、ド・ブローイの物質波の式から電子波の波長を計算できない。 |
評価項目2 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
□ 各量子数と、s p d f軌道の関係において、エネルギーとの関連を概略的に説明できる。 | □ 水素原子モデルにボーアの量子条件を適用して電子の離散的なエネルギー状態を導出できる。
□ 主量子数、方位量子数、磁気量子数、スピン量子数の意味、各量子数の関係を説明できる。
□ パウリの排他律を理解し、原子内の電子配列(s p d f軌道)と周期表の関係を説明できる。価電子について説明できる。 | ボーアの量子条件が電子の波動性がもとになっていることが理解できない。また、これより水素原子モデルでの電子の離散的なエネルギー状態を導出することができない。
主量子数と副量子数の関係を関係を説明できない。 |
評価項目3 | 準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
□ 波動関数が表すものを理解し、1次元波動方程式の井戸型ポテンシャルにおける解を導くことができる。さらに3次元クーロンポテンシャルにおける波動方程式が厳密な原子モデルとなることを説明できる。 | □ ド・ブローイの物質波の式と波動方程式より、シュレディンガー方程式が導かれることを理解し、1次元波動方程式の井戸型ポテンシャルにおける解と電子のエネルギーの意味を説明できる。
□定在波の条件から井戸型ポテンシャルの問題が説明できる。 | 電子の波動性がシュレディンガー波動方程式の元となっていることを理解できない。また1次元波動方程式の井戸型ポテンシャルにおける波動関数が定在波を意味することを説明できない。 |
評価項目4 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
□ 半導体における不純物の役割をボンドとバンドの両方の概念で説明できる。 | □ 共有結合、イオン結合、金属結合、分子性結合、水素結合の性質を理解し、その結合からなる結晶や物質の電気的な性質を説明できる。
□ 化学結合(ボンド)における価電子のエネルギー状態から固体のエネルギーバンドの概念を理解し、絶縁体・半導体と金属の電気伝導性について、ボンドとバンドそれぞれの観点から説明できる。 | 各種化学結合の性質から物質の電気的性質を説明できない。あるいは絶縁体と金属の違いをバンド図の概要を描いて説明することができない。 |
評価項目5 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
□ ミラー指数、X線回折法のラウエ法と粉末法の違いを説明できる。
□ 一般的な結晶構造において面指数と面間隔の関係を説明できる。 | □ 結晶構造=空間格子+単位構造であることを理解し、代表的な結晶構造について説明できる。
□ 単位格子中の原子数がわかる。最密充填構造の代表的な結晶構造の原子充填率を計算できる。
□ ミラー指数、X線回折法、ブラッグの条件を理解し、立方晶において面指数から面間隔を計算できる。さらにブラッグの条件から反射角を計算できる。 | 代表的な結晶である、NaCl構造、CsCl構造、ダイヤモンド構造、せん亜鉛構造の空間格子と単位構造を説明できない。 |
評価項目6 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
□ 結晶中の電子が定在波となることからフェルミエネルギーと状態数の関係を導き、エネルギー当たりの状態密度を計算できる。
| □ Maxwell-Bolzmann統計、Fermi- Dirac統計、Bose-Einstain統計とそれぞれに従う粒子の性質について説明できる。
□ エネルギーバンドとフェルミレベル、フェルミエネルギー、仕事関数の関係を説明できる。
□ 金属内の自由電子の運動量空間におけるフェルミ面とフェルミ速度の関係を説明できる。
| Maxwell-Bolzmann統計、Fermi-Dirac統計、Bose-Einstain統計の式とグラフを描くことができない。また、金属の伝導体のフェルミエネルギーを説明できない。 |