電気通信Ⅱ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気通信Ⅱ
科目番号 0125 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 井手 輝二

到達目標

本科目は、電気通信システムの基礎理論を習得、技術の応用力を養うこと、さらに、最近の電気通信(無線通信)システムについて回線設計ができることを目指す。 具体的には、ディジタル変調理論、電波伝搬・移動通信等について説明できる能力を養うことを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的なディジタル変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について導出して説明できる。代表的なディジタル変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できる.さらにはBPSK及びQPSKについて誤り率特性を導出できる. 代表的なディジタル変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できない。
評価項目2C/N比、受信機の感度及び雑音指数について具体例を示して説明できる.C/N比、受信機の感度及び雑音指数について説明できる.C/N比、受信機の感度及び雑音指数について説明できない.
評価項目3誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタ(ロールオフ率による特性の差)について説明できる.誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる. 誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できない.
評価項目4(1)電波伝搬の基本的性質が把握でき,周波数帯による伝搬の違いと使用されている例について説明できる. (2)地上伝搬における自由空間伝搬損失の理論を導出及び把握して,フリスの伝送公式から伝搬損失を計算できる. (3)地上伝搬におけるレーダ方程式の理論を把握して,受信機で探知できる最小受信電力及び最大探知距離を導出して計算できる. (4)回折(ホイヘンスの原理)を把握して,フルネルゾーンの導出と計算ができる. (1)電波伝搬の基本的性質が把握でき、周波数帯による伝搬の違いを説明できる. (2)地上伝搬における自由空間伝搬損失の理論を把握して,フリスの伝送公式から伝搬損失を計算できる. (3)地上伝搬におけるレーダ方程式の理論を把握して,受信機で探知できる最小受信電力及び最大探知距離が計算できる. (4)回折(ホイヘンスの原理)を把握して、フルネルゾーンの導出と計算ができる. (1)電波伝搬の基本的性質が把握でき、周波数帯による伝搬の違いを説明できない.(2)地上伝搬における自由空間伝搬損失の理論を把握して,フリスの伝送公式から伝搬損失を計算できない. (3)地上伝搬におけるレーダ方程式の理論を把握して,受信機で探知できる最小受信電力及び最大探知距離が計算できない. (4)回折(ホイヘンスの原理)を把握して、フルネルゾーンの導出と計算ができない.
評価項目5(1)平面大地上での電波伝搬における平面大地反射モデルによる伝搬損失を導出して計算できる. (2)地上伝搬におけるアンテナの高さを考慮した見通し限界距離の導出と計算ができる. (1)平面大地上での電波伝搬における平面大地反射モデルによる伝搬損失を計算できる. (2)地上伝搬におけるアンテナの高さを考慮した見通し限界距離の導出と計算ができる.(1)平面大地上での電波伝搬における平面大地反射モデルによる伝搬損失を計算できない. (2)地上伝搬におけるアンテナの高さを考慮した見通し限界距離の導出と計算ができない.
評価項目6(1) 陸上移動伝搬における伝搬特性の要因について把握して,条件(都市、郊外等)に応じて秦式による伝搬損失を計算できる. (2) レイリーフェージング理論によるBPSK及びQPSK変調時のビット誤り率の導出と計算ができる. (1)陸上移動伝搬における伝搬特性の要因について把握して,秦式による伝搬損失を計算できる. (2)レイリーフェージング理論によるBPSK変調時のビット誤り率の導出と計算ができる. (1)陸上移動伝搬における伝搬特性の要因について把握して,秦式による伝搬損失を計算できない. (2)レイリーフェージング理論によるBPSK変調時のビット誤り率の導出と計算ができない.
評価項目7 基地局と移動局(携帯電話端末)を想定してレイリーフェージング環境での無線回線設計ができる.基地局と移動局(携帯電話端末)を想定してレイリーフェージング環境での無線回線設計ができる.基地局と移動局(携帯電話端末)を想定してレイリーフェージング環境での無線回線設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は、企業で無線通信機器の開発設計を担当していた教員が、その経験を活かし、電気通信及び無線通信について講義形式で授業を行うものである。
数学、電子回路および電子計算機などの科目の基本的な知識を必要とする.また、本科目は電気通信Ⅰと関連がある.
授業の進め方・方法:
プリント配布によって講義を行う.配布された全プリントは持参すること.1回の授業について,予習復習を210分以上行い,習得する.
注意点:
1回の授業について,予習復習を210分以上行い,習得して具体的に導出・計算を行う内容等は必ず身につけること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. ディジタル変調理論
1.1 誤り率特性
代表的な変調方式であるASK, FSK,PSKなどについて,ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できる.
2週 1. ディジタル変調理論
1.1 誤り率特性
代表的な変調方式のうちBPSK及びQPSKについてのCN比(搬送波電力対雑音電力比)に対する誤り率理論式を導出・計算ができ、説明できる。
3週 1. ディジタル変調理論
1.1 誤り率特性
C/N比,受信機の感度及び雑音指数について説明できる.
4週 1. ディジタル変調理論
1.1 誤り率特性
C/N比,受信機の感度及び雑音指数について説明できる.
5週 1. ディジタル変調理論
1.2 最適信号検出理論とフィルタ理論
誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる.
6週 1. ディジタル変調理論
1.2 最適信号検出理論とフィルタ理論
誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる.
7週 2. 電波伝搬
2.1 伝搬の基礎
電波伝搬の基本的性質が把握でき,周波数帯による伝搬の違いを説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
①自由空間伝搬損失
②レーダ方程式
自由空間伝搬損失の理論を把握して,フリスの伝送公式から伝搬損失を計算できる.
レーダ方程式の理論を把握して,受信機で探知できる最小受信電力及び最大探知距離が計算できる.
10週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
③回折
④大地反射波の電界強度
回折(ホイヘンスの原理)を把握して,フルネルゾーンの導出と計算ができる.
平面大地上での電波伝搬における平面大地反射モデルによる伝搬損失を計算できる.
11週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
⑤見通し距離
アンテナの高さを考慮した見通し限界距離の導出と計算ができる.
12週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
⑥陸上移動伝搬
陸上移動伝搬における伝搬特性の要因について把握して,秦式による伝搬損失を計算できる。
13週 2. 電波伝搬
2.2 地上伝搬
⑥陸上移動伝搬
レイリーフェージング理論によるBPSK変調時のビット誤り率の導出と計算ができる.
14週 3. 無線回線設計 基地局と移動局(携帯電話端末)を想定してレイリーフェージング環境での無線回線設計ができる.
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目).
16週

評価割合

試験小テスト・レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000