制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学Ⅱ
科目番号 0082 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 自動制御 柏木濶 著 朝倉出版株式会社
担当教員 瀬戸山 康之

到達目標

1.自動制御の意義・特徴,フィードバック制御系の基本構成が説明できる.
2.基礎的な関数や微分方程式をラプラス変換,及び逆変換が説明できる.
3.線形制御系の特徴,伝達関数,応答の求め方を説明できる.
4.ブロック線図,周波数伝達関数,ベクトル軌跡,ボード線の求め方を説明できる.
5.特性根とインパルス応答の関係、及び、ラウス・フルビッツの方法を用いて安定判別ができる.
6. ナイキスト線図、及びボード線図からゲイン余裕,位相余裕を算出し、安定判別ができる.
7.根軌跡を作成できる。また定常特性,誤差定数が算出できる.
8. ボード線図を用いて、位相遅れ補償、位相進み補償の設計ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自動制御の意義・特徴,フィードバック制御系の基本構成が説明できる.自動制御の意義・特徴,フィードバック制御系の基本構成が説明できない.微分方程式とラプラス変換の関連を十分理解し,制御工学への適応を説明できる.
評価項目2基礎的な関数や微分方程式をラプラス変換,及び逆変換が説明できる.基礎的な関数や微分方程式をラプラス変換,及び逆変換が説明できない.線形制御系の特徴,伝達関数,応答の求め方を十分理解し,種々の制御系との関連を説明できる.
評価項目3線形制御系の特徴,伝達関数,応答の求め方を説明できる.線形制御系の特徴,伝達関数,応答の求め方を説明できる.各種制御系のブロック線図化及び周波数特性を十分理解する.さらに,制御系の特性を説明できる.
評価項目4ブロック線図,周波数伝達関数,ベクトル軌跡,ボード線の求め方を説明できる.ブロック線図,周波数伝達関数,ベクトル軌跡,ボード線の求め方を説明できない.特性根とインパルス応答の関係、及び、ラウス・フルビッツの方法を用いて安定判別ができる.さらに、特性根と安定性との関係が説明できる.
評価項目5特性根とインパルス応答の関係、及び、ラウス・フルビッツの方法を用いて安定判別ができる.特性根とインパルス応答の関係、及び、ラウス・フルビッツの方法を用いて安定判別ができない.ナイキスト線図、及びボード線図からゲイン余裕,位相余裕を算出し、安定判別ができる。またナイキスト線図とボード線図との関係を説明できる。
評価項目6ナイキスト線図、及びボード線図からゲイン余裕,位相余裕を算出し、安定判別ができる.ナイキスト線図、及びボード線図からゲイン余裕,位相余裕が算出できず、安定判別もできない.根軌跡を作成し、根の挙動を説明できる.また定常特性について説明ができ、定常特性,誤差定数が求められる.
評価項目7根軌跡を作成できる.また定常特性,誤差定数が算出できる.根軌跡が作成できない.また定常特性,誤差定数が算出できない.ボード線図を用いた直列補償について説明ができ、位相遅れ補償、位相進み補償の設計ができる.
評価項目8ボード線図を用いて、位相遅れ補償、位相進み補償の設計ができる.ボード線図を用いて、位相遅れ補償、位相進み補償の設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業で計測器や音響機器の設計開発を担当していた教員が、その経験を活かし、講義形式で授業を行うものである。自動制御の概念,及び制御理論の基礎となるラプラス変換,伝達関数,ブロック線図について基礎的な内容を理解し,制御理論の基礎である線形システムの自動制御について基礎的な知識を把握し,実際の制御システムの設計に必要な基礎的能力を修得する.また5年次で行う,非線形制御や,サンプル値制御の導入部とすることも目的とする.
授業の進め方・方法:
・自動制御は微積分,複素数の知識が必要である.また,システムの事例として電気回路を取り上げるので,電気回路の知識が必要である.
・内容の定着を確認するために中間試験と期末試験を実施する予定である.なお,中間試験は授業中か放課後の時間帯を利用して実施する.
注意点:
ここで学習することは制御工学の基礎となる部分である.内容をよく理解するために,毎回予習や演習問題等の課題を含む復習として,60分以上の自学自習が必要である.理解状況を把握するために適宜小テストを行うので,講義内容をよく理解すること.不明な点や疑問点は参考書で調べたり質問するなどして,そのまま後に残さないこと.〔授業(90分)+自学自習(60分)〕×15回

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 安定判別 特性根とインパルス応答の関係から安定判別ができる
2週 安定判別 ラウスの方法 ,フルビッツの方法を用いて安定判別ができる
3週 安定判別 代表根の算出,およびシステムの近似ができる
4週 代表根 代表根の算出,およびシステムの近似ができる
5週 ゲイン余裕,位相余裕 ナイキスト線図からゲイン余裕,位相余裕が算出できる
6週 ゲイン余裕,位相余裕 ボード線図からゲイン余裕,位相余裕が算出できる
7週 閉路周波数特性 等M線図から閉路周波数特性が求められる
8週 根軌跡 根軌跡を作成できる
4thQ
9週 根軌跡 根軌跡を作成できる
10週 定常特性,誤差定数 定常特性,誤差定数が求められる
11週 定常特性,誤差定数 定常特性,誤差定数が求められる
12週 ボード線図を用いる補償 ボード線図を用いて、位相遅れ補償、位相進み補償の設計ができる.
13週 ボード線図を用いる補償 ボード線図を用いて、位相遅れ補償、位相進み補償の設計ができる.
14週 ボード線図を用いる補償 ボード線図を用いて、位相遅れ補償、位相進み補償の設計ができる.
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する
16週

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000