流体工学

科目基礎情報

学校	鹿児島工業高等専門学校	開講年度	令和05年度 (2023年度)
授業科目	流体工学
科目番号	0100	科目区分	専門 / 必修
授業形態	講義	単位の種別と単位数	学修単位: 1
開設学科	電子制御工学科	対象学年	4
開設期	後期	週時間数	後期:2
教科書/教材	〔教科書〕「流体の力学」築地徹浩・他5名　共著，実教出版　／〔参考書〕「演習で学ぶ流体の力学入門」，西海孝夫、一柳隆義　共著，秀和システム
担当教員	三角 利之

到達目標

１．流体の基本的性質を説明でき、それらに関係する物性値の計算ができる。
２．基本的な静止流体中に作用する圧力や力について説明でき、これらの計算ができる。
３．連続の式、ベルヌーイの式を説明でき、基本的な流れについてこれらの式を適用できる。
４．運動量の式を説明でき、基本的な流れにおいて流体が物体に及ぼす力を計算することができる。
５．基本的な管内を流れる流体の摩擦損失について説明でき、その管摩擦損失を計算できる。
６．基本的な流れの中に置かれた物体に作用する抗力と揚力について説明でき、その計算ができる

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
到達目標　１	実際の流れに関する流体の性質を説明でき、それらに関係する物性値を評価ができる。	流体の基本的性質を説明でき、それらに関係する物性値の計算ができる。	流体の基本的性質を説明できない。
到達目標　２	実際の静止流体中の圧力や物体に作用する力について、説明でき計算できる。	基本的な静止流体中に作用する圧力や力について説明でき、これらの計算ができる。	基本的な静止流体中に作用する圧力や力について説明できない。
到達目標　３	連続の式、ベルヌーイの式を説明でき、実際の応用的な流れに対してこれらの式を適用できる。	連続の式、ベルヌーイの式を説明でき、基本的な流れについてこれらの式を適用できる。	連続の式、ベルヌーイの式を説明できない。
到達目標　４	運動量の式を説明でき、実際の流れにおいて、流体が物体に及ぼす力を計算することができる	運動量の式を説明でき、基本的な流れにおいて、流体が物体に及ぼす力を計算することができる。	運動量の式を説明できず、流体が物体に及ぼす力を計算することができない。
到達目標　５	実際の管内を流れる流体の摩擦損失について説明でき、その管摩擦損失を計算できる。	基本的な管内を流れる流体の摩擦損失について説明でき、その管摩擦損失を計算できる。	基本的な管内を流れる流体の摩擦損失について説明できない。
到達目標　６	実際の流れの中に置かれた物体に作用する抗力と揚力について説明でき、その計算ができる。	基本的な流れの中に置かれた物体に作用する抗力と揚力について説明でき、その計算ができる。	基本的な流れの中に置かれた物体に作用する抗力と揚力について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 （専門分野の知識と自主的・継続的に学習する能力を身につけ、与えられた制約下で計画的にものづくりの手法を活かして問題を解決できる能力を養う。）

本科（準学士課程）の学習・教育到達目標 3-c （専門分野の学習や工学実験等を通して、専門分野の基礎的な知識を修得することができる。）

教育プログラムの科目分類 (4)② （機械・電子システム工学専攻）

JABEE（2012）基準 1(2)(d)(1) （専門工学（工学（融合複合・新領域）における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする）の知識と能力）

教育方法等

概要:

流体工学の基礎として、流体の性質、静止流体の力学、流れの基礎事項、ベルヌーイの定理、運動量の式、管路内の流れ、抗力と揚力の事項を学習する。本講義では、流体を使用した各種エネルギー機器の取扱いや設計等に応用できる能力を養う。

授業の進め方・方法:

教科書および配布資料を基に、講義を中心に授業を進める。また、学生の理解度を把握するために、適時、演習問題および小テストを行う。

注意点:

1年次から3年次で学んだ数学および物理学の知識を必要とする。講義の内容をよく理解するために，毎回，予習や演習問題等の課題を含む復習として，1時間以上の自学自習が必要である。疑問点があれば，その都度質問すること。

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	流体工学の概要	（1）流体工学の関連分野や重要性を説明できる。 （2）密度と比重、流体の圧縮性について説明できる。
		2週	流体の性質	（1）粘性流れと非粘性流れ、ニュートンの粘性の法則を説明できる。
		3週	静止流体の力学	（1）圧力の定義、単位、絶対圧とゲージ圧について説明できる。 （2） パスカルの原理について説明できる。
		4週	静止流体の力学	（1）静止流体中の圧力分布について、説明できる。 (2) マノメータの原理を説明でき、圧力計測についての問題を解くことができる。
		5週	静止流体の力学	（1）全圧力と圧力中心について説明でき、流体中の平板壁に作用する力を計算することができる。
		6週	静止流体の力学	（1）浮力と浮揚体の安定性について説明できる。
		7週	流れの基礎事項	(1) 定常流れと非定常流れ、1次元・2次元・3次元流れ、層流と乱流など、流れの状態について説明できる。 (2) レイノルズ数について説明できる。
		8週	ベルヌーイの定理	（1）連続の式を説明でき、管路内の平均流速と流量を計算できる。 (2) ベルヌーイの定理を説明できる。
	4thQ
		9週	ベルヌーイの定理	（1）ベルヌーイの式を用いた応用問題を解くことができる。
		10週	運動量の法則	（1）運動量の法則を説明でき、流体が縮小管に及ぼす力を計算できる。
		11週	運動量の法則	(1) 運動量の法則を説明でき、噴流が平板に及ぼす力を計算できる。
		12週	管路内の流れ	(1) 直管内を流れる流体の摩擦損失について説明でき、ダルシ―・ワイスバッハの式を用いて、管摩擦損失を計算できる。 (2) ムーディ線図を用いて、管摩擦係数を求めることができる。
		13週	管路内の流れ	（1）直管以外の管路の各種損失について説明でき、損失係数を用いて損失計算ができる。
		14週	抗力と揚力	(1) 境界層、剥離、後流など、流れの中に置かれた物体周りの流動現象を説明できる。 (2) 抗力と揚力を説明でき、これらの力を計算することができる。
		15週	試験答案の返却・解説	期末試験において間違えた部分を自分の課題として把握する
		16週

評価割合

	定期試験	小テスト・課題	授業態度	合計
総合評価割合	75	25	0	100
基礎的能力	0	0	0	0
専門的能力	75	25	0	100
分野横断的能力	0	0	0	0