システム工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 システム工学
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 システム工学第2版 室津義定・大場史憲・米沢政昭・藤井進・小木曽望 共著 森北出版
担当教員 宮田 千加良

到達目標

1.価値換算係数を用いてシステムの経済性を計算できる。
2.プロジェクトスケジューリングを用いてシステムの計画を立てることができる。
3.データの統計量に関する説明、確率分布表を用いた確率の計算、χ2条検定に関する説明ができる。
4.回帰分析を行うことができる。
5.生産状況をモデル化して、仕掛在庫、滞留個数などをシミュレーションすることができる。
6.最適化手法を用いて最適解を探索することができる
7.信頼性の基本量に関する説明、システムの信頼度の計算、ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1価値換算係数を用いて、現在の価値の任意の時期の価値への変換、及び預金やローンの計算、ができる。さらに,年間平均費用や運賃についても計算できる。価値換算係数を用いて、現在の価値の任意の時期の価値への変換、及び預金やローンの計算、ができる。価値換算係数を用いて、現在の価値の任意の時期の価値への変換、及び預金やローンの計算、ができない。
評価項目2作業工程表から作業ネットワークを作成し、結合点時刻からフロートを算出し、クリティカルパスを設定することができる。作業工程表から作業ネットワークの作成、結合点時刻の設定、フロートの算出、クリティカルパスの設定、ができない。
評価項目3平均値と分散値から、任意のデータ値を規格化し、正規分布表に当てはめて、確率分布が算出できる。さらにχ2条検定を行うことができる。 平均値と分散値から、任意のデータ値を規格化し、正規分布表に当てはめて、確率分布が算出できる。平均値と分散値から、任意のデータ値を規格化し、正規分布表に当てはめて、確率分布が算出できない。
評価項目4相関係数の意味を理解し、計算ができる。また測定データから回帰直線及び、回帰曲線を求めることができる。さらに、回帰直線を表す正規方程式を導くことができる。相関係数の意味を理解し、計算ができる。また測定データから回帰直線及び、回帰曲線を求めることができる。相関係数の意味を理解できず、計算もできない。また測定データから回帰直線及び、回帰曲線を求めることができない。
評価項目5先着順規則に従う簡単な生産システムをモデル化し、仕掛在庫、滞留個数をシミュレーション、及び解析的に求めることができる。また可到達行列を算出し、階層構造を持つ有向グラフを作成できる。簡単な生産システムをモデル化し、仕掛在庫、滞留個数をシミュレーション、及び解析的に求めることができない。また可到達行列を算出し、階層構造を持つ有向グラフを作成できない。
評価項目6線形計画法であるシンプレックス法で最適端点を見出すことができる。さらに初期値も新プレックス法で設定することができる。ラグランジュの未定乗数法で最適解を求めることができる。さらにクーンタッカーの条件が理解できる。黄金分割法、再急降下法で一変数探索ができる。線形計画法であるシンプレックス法で最適端点を見出すことができる。また、ラグランジュの未定乗数法で最適解を求めることができる。黄金分割法で一変数探索ができる。線形計画法であるシンプレックス法で最適端点を見出すことができない。ラグランジュの未定乗数法で最適解を求めることができない。黄金分割法で一変数探索ができない。
評価項目7信頼度、保全度を故障率、修復率から求めることができ、直列・並列などのシステムの信頼度、平均寿命を計算できる。さらに故障・修復に関する微分方程式を導き出すことができる。信頼度、保全度を故障率、修復率から求めることができ、直列・並列などのシステムの信頼度、平均寿命を計算できる。信頼度、保全度を故障率、修復率から求めることができない。直列・並列などのシステムの信頼度、平均寿命を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (3)① 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(c) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(e) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 2.1(1)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業で計測器や音響機器の設計開発と生産技術を担当していた教員が,その経験を活かし講義形式で授業を行うものである.
いろいろなシステム開発を通してシステム工学とは何か,なぜ必要なのかを理解する.また,スケジューリング,シミュレーション,最適化,信頼性などを理解し,システム工学的なものの見方,考え方の基礎を身につける.
授業の進め方・方法:
数学及び統計学の知識を必要とする.本内容を修得することで、システム工学の手法と応用が体得できる.
内容の定着を確認するために,中間試験は授業中か放課後の時間帯を利用して,期末試験は期末試験期間中に実施する.
注意点:
講義の内容をよく理解するために,毎回予習や演習問題等の課題を含む復習として60分以上の自学自習が必要である.理解状況を把握するために適宜小テストを行うので,講義内容をよく理解すること.不明な点や疑問点は参考書で調べたり聞くなどして,そのまま後に残さないこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 システム工学 システム工学とは何か,システム工学の必要性を説明できる
2週 システムの経済性評価
価値換算係数を用いて、システムの経済性が計算できる。
3週 システムの経済性評価 価値換算係数を用いて、システムの経済性が計算できる。
4週 システムの総合評価
システムを評価式により総合評できる。
5週 プロジェクトスケジューリング プロジェクトの作業ネットワークを作成し、クリティカルパスが決定できる。
6週 プロジェクトスケジューリング プロジェクトの作業ネットワークを作成し、クリティカルパスが決定できる。
7週 統計データの処理 平均値、分散、標準偏差が計算できる。
8週 確率分布 正規分布表を用いて確率P(a≦x≦b)が計算できる。
2ndQ
9週 確率分布 χ2 検定を用いて、仮説を検定できる。
10週 回帰分析 相関係数、回帰直線が求められる。曲線を線形化することで、回帰直線が計算できる。
11週 回帰分析 相関係数、回帰直線が求められる。曲線を線形化することで、回帰直線が計算できる。
12週 生産加工システムのモデリング 利用率、平均仕掛り在庫をシミュレーション、及び解析的に求めることができる。
13週 生産加工システムのモデリング 利用率、平均仕掛り在庫をシミュレーション、及び解析的に求めることができる。
14週 生産加工システムのモデリング システム構造をグラフ理論を用いてモデリングできる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する
16週
後期
3rdQ
1週 乱数の発生 乗算合同法により、乱数を生成できる。
2週 線形計画法 シンプレックス法を理解し、最適端点が探索できる。
3週 線形計画法 シンプレックス法を理解し、最適端点が探索できる。
4週 最適解の探索法 ラグランジュの未定乗数法、最急降下法等の最適化手法を理解し、最適解が求められる。
5週 最適解の探索法 ラグランジュの未定乗数法、最急降下法等の最適化手法を理解し、最適解が求められる。
6週 動的計画法 最適経路問題,多段配分問題を解くことができる。
7週 動的計画法 最適経路問題,多段配分問題を解くことができる。
8週 信頼性の基本量 信頼度,故障率,故障時間の密度関数の関係を説明できる。
4thQ
9週 故障率のパターン バスタブ曲線を説明できる。平均寿命を算出できる。
10週 システムの信頼性析 直列システム,並列システム,冗長システムの信頼度が計算できる。
11週 システムの信頼性析 直列システム,並列システム,冗長システムの信頼度が計算できる。
12週 保全性 保全性と信頼度の関係を説明できる。アベイラビリティーの意味が説明でき、また、値を算出できる。
13週 保全性 保全性と信頼度の関係を説明できる。アベイラビリティーの意味が説明でき、また、値を算出できる。
14週 保全性 保全性と信頼度の関係を説明できる。アベイラビリティーの意味が説明でき、また、値を算出できる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する
16週

評価割合

試験小テスト+レポート態度合計
総合評価割合80200100
基礎的能力0000
専門的能力80200100
分野横断的能力0000