情報工学特論Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 情報工学特論Ⅰ
科目番号 0099 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 〔教科書〕 「マスタリングTCP/IP入門編第5版」,竹下隆史ら共著,オーム社 〔参考書・補助教材〕 「マスタリングTCP/IP応用編」,Philip Miler著,苅田幸雄監訳,オーム社      「詳解TCP/IP Vol. 1 プロトコル」,W・リチャード・スティーブンス著,橘康雄訳,ピアソンエデュケーション      情報処理技術者試験過去問題
担当教員 入江 智和

到達目標

ネットワークプロトコルのデファクトスタンダードであるTCP/IPの基礎知識を習得すること。
1. 代表的なアプリケーションプロトコルを直接使用できる
2. 基本的なIPによる通信を説明できる
3. 静的なルーティングテーブルを作成・管理できる
4. 基本的なTCPによる通信の流れを説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1HTTPとSMTP、POPの要求を任意に生成し、それをサーバに送信でき、その応答を説明できる。HTTPとSMTP、POPの基本的な要求を生成し、それをサーバに送信でき、その応答を説明できる。どのアプリケーションプロトコルの要求も生成できない。
評価項目2標準的な到達レベルに加えて、 IPヘッダの構成とその内容や、IPパケットのフラグメントを説明できる。IPによる通信のモデルを説明できる。IPによる通信のモデルを説明できない。
評価項目3標準的な到達レベルに加えて、 作成したルーティングテーブルを最適な状態に集約できる。ネットワーク構成に応じた静的なルーティングテーブルを作成できる。ネットワーク構成に応じた静的なルーティングテーブルを作成できない。
評価項目4標準的な到達レベルに加えて、 ウィンドウサイズやピギーバックを考慮して説明できる。TCPによる通信の流れを、シーケンス番号や確認応答番号を計算し、説明できる。TCPによる通信の流れを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
学問的というよりはむしろ実践的にTCP/IPに触れることで、OSI参照モデルにおけるネットワーク層以上の通信の成立に主眼を置く。
授業の進め方・方法:
注意点:
4i通信工学の事前修得を望む。自学自習において教科書を精読し、予習すること。1回の授業につき,自学自習(60分)が必要である。公平を期するため、中間・期末試験直前それぞれの授業以後から中間・期末試験直後それぞれの授業までは個別の質疑には応じないので留意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. ガイダンス
2. OSI参照モデル
プロトコルを説明できる。
標準化とその重要性を説明できる。
要件の拘束力について説明できる。
標準について説明できる。
OSI参照モデルを説明できる。
2週 3. インターネットとTCP/IP 回線交換とパケット交換それぞれの特徴を説明できる。
ARPANETを説明できる。インターネット発展の経緯を概説できる。
internetとInternetの違いを説明できる。
TCP/IPの標準化を説明できる。
RFCを説明できる。
TCP/IPとOSI参照モデルとの対応を説明できる。
コネクション型通信とコネクションレス型通信それぞれの特徴を概説できる。
3週 4. 代表的なアプリケーションプロトコル HTTPの基本的なリクエストを生成できる。
SMTPで簡単な内容のメールを直接送信する一連のリクエストを生成できる。
POPでメールを参照する一連のリクエストを生成できる。
4週 5. インターネットプロトコル(IP) ノードがIPで通信するために最低限必要な設定項目を暗唱できる。
IPアドレスを説明できる。
サブネットマスクを説明できる。
IPによる通信のモデルを説明できる。
特殊用途のアドレスを説明できる。
IPヘッダの構成とその内容を説明できる。
IPパケットのフラグメントを説明できる。
5週 5. インターネットプロトコル(IP)
6週 5. インターネットプロトコル(IP)
7週 6. アプリケーションプロトコル演習 HTTPの基本的なリクエストを送信できる。
SMTPで簡単な内容のメールを直接送信できる。
POPでメールを参照できる。
8週 7. ルーティング ルーティングを説明できる。
ルーティングテーブルの作成と集約ができる。
2ndQ
9週 7. ルーティング
10週 8. イーサネット
9. ARP
MACアドレスを説明できる。
媒体共有型と媒体非共有型それぞれの特徴を説明できる。
CSMA/CDを説明できる。
フレームフォーマットを説明できる。
リピータハブとスイッチングハブ、コリジョンドメインとブロードキャストドメインのそれぞれを説明できる。
ARPとRARPそれぞれを説明できる。
ブロードキャストとユニキャストそれぞれを説明できる。
11週 10. TCPとUDP ポート番号を説明できる。
エンドツーエンドのアプリケーションが通信の識別に用いる要素を暗唱できる。
UDPヘッダの構成とその内容を説明できる。
TCPヘッダの構成とその内容を説明できる。
TCPによる通信モデルを説明できる。
TCPやUDPのIPパケットのフラグメントへの対応を説明できる。
12週 10. TCPとUDP
13週 10. TCPとUDP
14週 11. ネットワークコマンド演習 ネットワークコマンド(ping, traceroute, arp)を使用できる。
15週 試験答案の返却・解説 各試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

中間試験期末試験その他合計
総合評価割合305020100
基礎的能力0000
専門的能力305020100
分野横断的能力0000