到達目標
電子や光子が波動性と粒子性を合せ持つ量子であり,波動性から結晶中の電子が離散的なエネルギーを持つことを学ぶ.そのエネルギーバンド構造から金属,半導体,絶縁体が区別され,結晶中での電子(ホール)の挙動を理解する.さらに,基本的な半導体素子の動作原理を理解し、デバイスについて微視的に説明できること
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
光電効果,コンプトン効果,ド・ブロイ波について必要な式と計算、その結果を説明できる. | 光電効果,コンプトン効果,ド・ブロイ波について必要な式と計算、その結果から粒子性と波動性について説明できる. | 光電効果,コンプトン効果,ド・ブロイ波について必要な式と計算ができる. | 光電効果,コンプトン効果,ド・ブロイ波の実験について解っていない。 |
シュレーディンガーの波動方程式,波動関数,量子数について必要な式と計算、その結果を説明できる. | シュレーディンガーの波動方程式,波動関数,量子数について必要な式と計算、その結果を説明できる. | シュレーディンガーの波動方程式,波動関数,量子数について必要な式と計算ができる. | シュレーディンガーの波動方程式,波動関数,量子数について必要な式を立てることができない. |
固体内の結晶構造,電気伝導,エネルギーバンド理論をもちいて必要な式と計算、その結果を説明できる. | 固体内の結晶構造,電気伝導,エネルギーバンド理論をもちいて必要な式と計算、その結果を説明できる. | 固体内の結晶構造,電気伝導,エネルギーバンド理論をもちいて必要な式と計算ができる. | 固体内の結晶構造,電気伝導,エネルギーバンド理論をもちいて必要な式を立てることができない. |
半導体の構造、特徴、バンド構造,キャリア濃度について必要な式と計算、その結果を説明できる. | 半導体の構造、特徴、バンド構造,キャリア濃度について必要な式と計算、その結果を説明できる. | 半導体の構造、特徴、バンド構造,キャリア濃度について必要な式と計算、ができる. | 半導体の構造、特徴、バンド構造,キャリア濃度について必要な式をたてられず、概要がわかっていない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この科目は、企業で交換機、ルータのパッケージやLSIの開発を担当していた教員が、その経験を活かし、半導体の基本動作からLSIの利点、欠点、製造時の注意点等について講義形式で授業を行うものである。応用物理の波動,電子及び電子回路の素子に関連し,情報信号処理を行う素子の理解を深め,電子計算機をはじめとするエレクトロニクス・情報処理機器の主要構成である電子素子の構造・動作を電子物性の立場から理解する.また,本科目は集積回路の基礎となり,将来のハードウェアを理解した上のシステムソフトウェア開発を支援する基礎を養うため、基本的な半導体素子の動作原理を理解し、デバイスについて微視的に理解する内容である。
授業の進め方・方法:
物理実験からその実験の証明における矛盾点を説明する。そこでマクロな考え方及び古典力学では説明できず、新たなミクロの考え方が必要であることを講義する。ミクロな立場では、粒子性と波動性が重要であり、量子力学の基礎、波動方程式、を説明する。さら半導体の基本構造をエネルギーギャップやキャリア濃度を基に講義する。したがって、章末問題などをレポート提出させる。
注意点:
量子力学と電磁気学及び初等関数の知識を必要とする.電子デバイスのコンセプトを理解することが重要であり,そのためには結晶中の電子の挙動についてやや複雑な数式を取り扱わざるを得ないので,数式の意味を理解しながら式を追うこと. 講義の内容は必ず各自十分に復習を行なっておくこと.講義で修得する内容とそれを確かなものにする演習も予定する.従ってレポート等は確実に提出し,毎回,予習や演習問題等の課題を含む復習として,240分以上の自学自習が必要である〔授業(90分)+自学自習(240分)〕×15回
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
概要説明 |
概要説明
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2週 |
電子物性の基礎(光電効果) |
光電効果について理解し,物質の粒子性を説明.
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3週 |
電子物性の基礎(コンプトン効果) |
コンプトン効果について理解し,物質の粒子性を説明.
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4週 |
電子物性の基礎(コンプトン効果) |
コンプトンシフトを導出できる.
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5週 |
電子物性の基礎(ド・ブロイ波) |
ド・ブロイ波について理解し,物質の波動性を説明.
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6週 |
量子力学の基礎(波動関数) |
シュレーディンガーの波動方程式,波動関数について説明できる.
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7週 |
量子力学の基礎(量子数) |
量子数について説明できる.
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8週 |
量子力学の基礎(波動方程式、分布関数) |
シュレーディンガーの波動方程式,波動関数,量子数、フェルミ・ディラック分布関数について説明できる.
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2ndQ |
9週 |
固体内電子(結晶構造) |
固体内電子の結晶構造,について説明できる.
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10週 |
固体内電子(電気伝導) |
固体内電子の電気伝導について説明できる.
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11週 |
固体内電子(エネルギーバンド) |
固体内電子のエネルギーバンド,エネルギーギャップについて説明できる.
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12週 |
半導体物性(半導体の構造) |
半導体の基本的な構造、半導体の特徴について説明できる.
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13週 |
半導体物性(半導体のバンド構造) |
半導体の基本的な構造、半導体のバンド構造について説明できる.
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14週 |
半導体物性(半導体のキャリア濃度) |
半導体の基本的な構造、半導体のキャリア濃度について説明できる.
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15週 |
試験答案の返却・解説 |
試験において間違えた部分を自分の課題として把握する
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16週 |
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評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |