コンクリート工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 コンクリート工学
科目番号 5103 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市環境デザイン工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕 西村昭 他;最新 土木材料 第3版,和泉意登志 他;コンクリートの劣化と補修がわかる本update
担当教員 安井 賢太郎

到達目標

高度化してゆく建設技術にとって,建設材料なかでもコンクリートの果たす役割は大きい.
その一方で,使用する材料は天然の材料を使用するため品質も多種多様である.これらの材料の材料特性や化学的耐久性を理解し,高品質のコンクリート製造のための設計ができることを目標とする.
また,既存の構造物を点検・補修し,長期間にわたって維持管理することが求められているため,コンクリート構造物の劣化現象とメカニズム,補修と予防対策についても説明できることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1重力単位とSI単位の変換計算ができ、コンクリート、鋼材の強度や応力、弾性係数を理解し計算ができ説明できる。SI単位を理解し、コンクリートや鋼材の強度や応力、弾性係数を理解し説明できる。SI単位変換ができず、コンクリートや鋼材の強度や応力、弾性係数が理解できない。
評価項目2建設材料が無機物あるいは有機物であるかを区別でき、応力およびひずみ,弾性と塑性を理解し説明でき、材料の弾性特性やフックの法則を説明できる。また、応力等の計算ができる建設材料の種類が説明でき、弾性と塑性を理解し説明でき、弾性係数やポアソン比を計算でき、フックの法則を用いて応力等の計算ができる。フックの法則を用いて応力等の計算ができない。
評価項目3コンクリート用骨材やセメント、混和材料について理解し説明でき、細骨材・粗骨材の密度,吸水率および単位容積質量等の物理的性質を理解し,それらの値を求め品質の評価ができる。コンクリート用骨材やセメント、混和材料の種類を説明でき、細骨材・粗骨材の密度,吸水率および単位容積質量等の値を計算できる。コンクリート用骨材やセメント、混和材料の種類を説明でき、細骨材・粗骨材の密度,吸水率および単位容積質量を説明できる。
評価項目4フレッシュコンクリートや硬化コンクリートの性質や特性について理解し、施工や養生の重要性を説明できる。コンクリートにおける空気や水の役割を説明できる。硬化コンクリートの諸特性について説明できる。フレッシュコンクリートの諸性質および養生の必要性を理解し説明できる。硬化コンクリートの圧縮強度を計算できる。フレッシュコンクリートの諸性質を説明できない。
評価項目5コンクリートの配合設計を理解し計算ができる。設計基準強度と配合強度の関係が理解でき、セメント水比の計算ができる。また、単位水量一定の法則を理解し説明できる。コンクリートの配合設計を理解し計算ができる。設計基準強度と配合強度の関係が理解でき、セメント水比の計算ができる。コンクリートの配合設計ができない。
評価項目6鉄筋コンクリート構造物の劣化の歴史について,主要な事故とその原因を時代背景も含めて説明できる.鉄筋コンクリート構造物の劣化の歴史について,主要な事故とその原因を説明できる.鉄筋コンクリート構造物の劣化の歴史について,主要な事故とその原因を説明できない.
評価項目7維持管理の重要性,施工不良がもたらす劣化への影響についてライフサイクルと関連付けて説明できる.維持管理の重要性,施工不良がもたらす劣化への影響について説明できる.維持管理の重要性,施工不良がもたらす劣化への影響について説明できない.
評価項目8維持管理の手順について,事後保全と予防保全の違いを含めて説明できる.維持管理の手順について説明できる.維持管理の手順について説明できない.
評価項目9コンクリート構造物の検査方法と非破壊検査方法,メリット・デメリットについて説明できる.コンクリート構造物の検査方法と非破壊検査方法について説明できる.コンクリート構造物の検査方法と非破壊検査方法について説明できない.
評価項目10中性化,塩害,アルカリシリカ反応,凍害などに起因する劣化現象とメカニズム,それに対する補修と予防対策についての説明と劣化予測ができる.中性化,塩害,アルカリシリカ反応,凍害などに起因する劣化現象とメカニズム,それに対する補修と予防対策について説明できる.中性化,塩害,アルカリシリカ反応,凍害などに起因する劣化現象とメカニズム,それに対する補修と予防対策について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は,企業でコンクリート製品の開発を担当していた教員が,その経験を活かし,コンクリート材料,コンクリート構造物の施工ならびに維持管理で必要とされる基礎的な知識について講義形式で授業を行うものである.
コンクリートを構成する材料の特性や化学的耐久性を理解し,高品質のコンクリート製造のための配合設計ができることを目標とする.また,コンクリート構造物の劣化現象とメカニズム,維持管理のための総合的かつ実用的な診断手法を理解し,説明できることを目標とする.
授業の進め方・方法:
前期では,建設材料の中心となるコンクリートについて,材料特性,配合設計,コンクリートの混練り,コンクリートの強度特性に重点を置き,専門用語や建設材料に関する専門知識を養うよう努める.
後期では,コンクリート構造物の劣化現象とメカニズム,補修と予防対策に関する専門知識を養うよう努める.
前期・後期共に8週目に中間テストを実施する.
注意点:
高学年になるにつれ,他の専門科目でも材料学で学んだ専門用語をよく使用することになる.
また,3年生から始まる材料実験では,骨材の物理試験やフレッシュコンクリートや硬化コンクリートの実験を行うため,本講義の知識が必要となることを念頭に置いて受講してほしい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 建設材料の種類 建設材料で用いられる材料の種類を理解できる。
2週 建設材料の種類 建設材料で用いられる材料の種類を理解できる。
3週 建設材料の性質や特徴 応力およびひずみ,弾性と塑性を理解し説明できる。
4週 建設材料の性質や特徴 コンクリートや鉄筋の弾性係数とポアソン比を理解し説明できる。
5週 建設材料の性質や特徴 コンクリートや鉄筋の弾性係数とポアソン比を理解し説明できる。
6週 コンクリート用骨材 細骨材・粗骨材の密度,吸水率および単位容積質量等の物理的性質を理解し,それらの値を求め品質の評価ができる。
7週 コンクリート用骨材 細骨材・粗骨材の密度,吸水率および単位容積質量等の物理的性質を理解し,それらの値を求め品質の評価ができる。
8週 コンクリート用骨材 細骨材・粗骨材の密度,吸水率および単位容積質量等の物理的性質を理解し,それらの値を求め品質の評価ができる。
2ndQ
9週 セメント・混和材料 セメントの種類,用途を理解し説明できる。
10週 セメント・混和材料 混和材・混和剤の種類,用途を理解し説明できる。
11週 コンクリートの特性 硬化コンクリートの諸特性について説明できる。
12週 コンクリートの特性 フレッシュコンクリートの諸性質および養生の必要性を理解し説明できる。
13週 コンクリートの配合設計 コンクリートの配合設計を行うことができる。
14週 コンクリートの配合設計 コンクリートの配合設計を行うことができる。
15週 試験答案の返却と解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週
後期
3rdQ
1週 鉄筋コンクリート構造物の劣化の歴史について 鉄筋コンクリート構造物の劣化の歴史について説明できる.
2週 コンクリートの劣化と維持管理 維持管理の重要性,施工不良がもたらす劣化への影響について説明できる.
3週 維持管理の手順 維持管理の手順について説明できる.
4週 中性化によるコンクリートの劣化と対策 中性化によるの劣化現象とメカニズムについて説明できる.
5週 中性化によるコンクリートの劣化と対策 中性化に対する補修と予防対策について説明できる.
6週 塩害によるコンクリートの劣化と対策 塩害によるの劣化現象とメカニズムについて説明できる.
7週 塩害によるコンクリートの劣化と対策 塩害に対する補修と予防対策について説明できる.
8週 コンクリート構造物の検査技術・非破壊検査技術 コンクリート構造物の検査技術と非破壊検査方法を説明できる.
4thQ
9週 アルカリシリカ反応によるコンクリートの劣化と対策 アルカリシリカ反応によるの劣化現象とメカニズムについて説明できる.
10週 アルカリシリカ反応によるコンクリートの劣化と対策 アルカリシリカ反応に対する補修と予防対策について説明できる.
11週 凍害によるコンクリートの劣化と対策 凍害による劣化現象,メカニズム,補修,および予防対策について説明できる.
12週 乾燥収縮・化学的浸食によるコンクリートの劣化と対策 乾燥収縮・化学的浸食による劣化現象,メカニズム,補修,および予防対策について説明できる.
13週 熱の作用・疲労による劣化と対策 熱の作用・疲労による劣化現象,メカニズム,補修,および予防対策について説明できる.
14週 摩耗・溶脱による劣化と対策 摩耗・溶脱による劣化現象,メカニズム,補修,および予防対策について説明できる.
15週 試験答案の返却と解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000