港湾工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 港湾工学
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 都市環境デザイン工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 教科書なし(授業項目ごとに最新の資料を配付する。各自資料を綴じこむためのファイルを準備すること)〔参考書・補助教材〕 港湾工学 港湾学術交流会編 朝倉書店 港湾の技術上の基準・同解説(上)(下) (社)日本港湾協会 国土交通省港湾局監修県内の各種港湾事例 など
担当教員 上小鶴 博

到達目標

1.インフラとしての港湾の役割と特徴について説明できる。
2.港湾の計画・設計に必要な海象・気象条件の基礎を理解し、簡易な構造物の設計条件を説明できる。
3.港湾計画と施設設計の手順、手法の基本事項を説明できる。
4.港湾施設の建設に関する作業船の種類、建設の基本的手順、施工方法を説明できる。
5.港湾施設はどのように壊れるのか、高潮や津波、海岸侵食から住民の生命財産を守るにはどのような方法が有効なのかを説明できる。
6.地球温暖化への緩和・適応に向けた港湾施策の現状と今後の取り組み方、具体的方策に関する基本事項を説明できる。
7.わが国が人口減少時代を迎えている中で、これからの社会資本整備はどうあるべきかを考える手がかりを理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1島国日本における港湾の役割と港づくりに携わる技術者が備えておくべき基本姿勢を説明できる。インフラとしての港湾の役割について一般的な説明ができる。インフラとしての港湾の役割を感覚的にしか説明できない。
評価項目2港湾施設の計画・設計・施工・維持管理に必要な海象・地震・津波等の自然条件の基本事項を理解し、簡易な構造物の設計条件の考え方を説明できる。港湾の計画・設計・施工・維持管理に必要な自然条件の基礎的事項を理解し、簡易な構造物の設計条件を挙げることができる。港湾の計画・設計・施工・維持管理に必要な自然条件や簡易な構造物の設計条件を説明できない。
評価項目3港湾の基本施設である水域、外郭、係留施設の計画と代表的施設である防波堤の設計手順、手法の基本事項を到達目標1,2と関連づけて説明できる。港湾の基本施設である水域、外郭、係留施設の計画と代表的施設である防波堤設計の基本事項の概略を説明できる。港湾の基本施設の計画と代表的施設である防波堤設計の基本事項を説明できない。
評価項目4港湾施設建設に必要となる作業船を工事種別ごとに提示でき、構造物の新設及び災害復旧に関する海上工事の基本的手順、施工方法を海上工事の特殊性と関連づけて説明できる。港湾施設の建設及び災害復旧工事に必要となる作業船を提示でき、海上工事の施工概要を説明できる。湾施設建設に必要となる作業船をある程度は提示できるが、どのような工事に使用するのかを説明できない。
評価項目5港湾施設は、設計や施工のどのような不備を突いて壊れるのかを事例によって説明できる。 「今まで経験したことがない」という言葉に象徴される新たなステージに突入した近年の高潮、津波等の災害特性を理解し、住民の生命財産を守るにはどのような対策が有効なのかを説明できる。港湾施設の被災事例を説明できる。高潮や津波、海岸侵食から住民の生命財産を守るには、一般的にどのような方法があるかを説明できる。港湾施設の被災事例や高潮や津波、海岸侵食から住民の生命財産を守るにはどのような方法があるかを説明できない。
評価項目6地球温暖化への緩和策と適応策の違いを説明できる。 港湾施策の緩和策と適応策の現状と今後の取り組み方、具体的方策に関する基本事項を説明できる。地球温暖化への緩和策と適応策の違いを説明できる。 港湾施策の緩和策と適応策の現状と今後の取り組みの概略を説明できる。地球温暖化への緩和策と適応策の違いを説明できず、港湾施策の現状や今後の取り組み方についても説明できない。
評価項目7わが国が人口減少時代を迎えていることを理解し、そのことが地域社会に与える影響を説明できる。 人口減少社会に立ち向かう技術者として、どう振る舞うべきかを理解し、説明できる。わが国が人口減少時代を迎えていることを理解し、これからの社会資本整備がこれまでとどう異なるのかの概要を理解し、説明できる。わが国が人口減少時代を迎えていることを漠然としか理解できず、これからの社会資本整備がこれまでと異なることを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 港湾は、物流・生産にかかわる機能と生活にかかわる機能が複合的に連携した社会基盤施設である。当科目では、社会基盤施設としての港湾への理解を深めるために、港湾の計画、港湾施設の設計と建設および管理を一連のものとして講述する。これにより、港湾と地域のかかわり、港湾を取り巻く自然条件の捉え方、港湾施設の計画・設計・施工、港湾施設の災害と復旧方法について説明できる。また最近話題になることが多い、地球温暖化への対応、人口減少時代における社会資本整備のあり方についても説明できる。
授業の進め方・方法:
授業内容の各項目について,配布プリントを中心に講義を行う。また、必要に応じてレポートの提出を課し理解の定着を図る。技術者として社会に出て、ものづくりの現場で気づくことは、与えられた式を使って計算できるだけでは、臨機応変な対応ができないということである。そこで、ものづくりの現場で実際に使用されている基礎的な理論モデルが、どのような現実の自然現象を切り取って証明しようとしたものなのかを実感できるような資料をできるだけ多く準備して、授業内容の理解を深められるように工夫する。さらに、私自身が技術者として永年実社会で経験してきた実践事例やいま現場で生起している最新事例をできるだけ多く講義に取り込む。
注意点:
 時代が変化し工学に対する社会の要請が大きく変化している。いま、技術者に求められているのは、個々の施設をいかに整備するかという“ものづくり”に関する能力だけではない。これからの技術者には、地域社会を存続させるための課題を見出し、それに対応する施策を提示し、その施策の社会的利益や技術的優位性を説明できる課題解決能力が求められている。このことを常に念頭におきながら受講していただきたい。なお,本科目は学修単位〔講義Ⅰ〕科目であるため,指示内容について60分程度の自学自習(予習・復習)が必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.序論 □ インフラとしての港湾の役割と特徴について説明できる。
2週 1.序論 □ インフラとしての港湾の役割と特徴について説明できる。
3週 2.港湾を取り巻く自然 □ 港湾の計画・設計に必要な海象・気象条件の基礎を理解し、簡易な設計条件の考え方を説明できる。
4週 2.港湾を取り巻く自然 □ 港湾の計画・設計に必要な海象・気象条件の基礎を理解し、簡易な設計条件の考え方を説明できる。
5週 2.港湾を取り巻く自然 □ 港湾の計画・設計に必要な海象・気象条件の基礎を理解し、簡易な設計条件の考え方を説明できる。
6週 3.港湾施設の計画と設計 □ 港湾計画と施設設計の手順、手法の基本事項を説明できる。
7週 3.港湾施設の計画と設計 □ 港湾計画と施設設計の手順、手法の基本事項を説明できる。
8週 4.港湾施設の建設 □ 港湾施設の建設に関する作業船の種類、建設の基本的手順、施工方法を説明できる。
4thQ
9週 4.港湾施設の建設 □ 港湾施設の建設に関する作業船の種類、建設の基本的手順、施工方法を説明できる。
10週 5.港湾と防災 □ 港湾施設はどのように壊れるのか、高潮や津波、海岸侵食から住民の生命財産を守るにはどのような方法が有効なのかを説明できる。
11週 5.港湾と防災 □ 港湾施設はどのように壊れるのか、高潮や津波、海岸侵食から住民の生命財産を守るにはどのような方法が有効なのかを説明できる。
12週 5.港湾と防災 □ 港湾施設はどのように壊れるのか、高潮や津波、海岸侵食から住民の生命財産を守るにはどのような方法が有効なのかを説明できる。
13週 6.地球温暖化と港湾整備 □ 地球温暖化への緩和・適応に向けた港湾施策の現状と 今後の取り組み方、具体的方策に関する基本事項を説明できる。
14週 7.人口減少時代における社会資本整備のあり方 □ わが国が人口減少時代を迎えている中で、これからの社会資本整備はどうあるべきかを考える手がかりを理解し、説明できる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力8000(-10)020100
分野横断的能力0000000