科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 哲学
科目番号 0091 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市環境デザイン工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕 なし 〔参考書・補助教材〕 必要な資料文献は適宜プリントして配布する。 
担当教員 町 泰樹

到達目標

 本科目では、“知を愛する”という「哲学」"philosophy" の原義に立ち返るために、現代社会を理解するために自ら考えるための方法論や必須概念等について紹介していく。学んだ内容を踏まえ、自らテーマを設定し、レポートを作成することを最終目標とする。また、思考を進めるためには、私たちが自明としている“常識”を相対化することが重要である。講義の後半では、“個人”や“家族”、“コミュニティ”といった、私たちの生活に関わる様々な概念について、世界各地の事例を踏まえながら紹介することで、“常識”の相対化を目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.知的生産術の必要性について説明できる。知的生産術の必要性について、自分の言葉で説明できる。知的生産術の必要性について、複数の説明文から適切なものを選択することができる。知的生産術の必要性に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。
2.知的生産のための基礎テクニックについて説明できる。知的生産のための基礎テクニックについて、先人の行為や言葉を踏まえ、自分の言葉で説明できる。知的生産のための基礎テクニックに関する先人の行為や言葉に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。知的生産のための基礎テクニックに関する先人の言葉や行為に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。
3.知的生産のためのインプット術について説明できる。知的生産のためのインプット術について、先人の行為や言葉を踏まえ、自分の言葉で説明できる。知的生産のためのインプット術について、先人の行為や言葉に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。知的生産のためのインプット術について、先人の行為や言葉に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。
4.分析術の基本について説明できる。分析術の基本について、具体例を示しながら自分の言葉で説明できる。分析術の基本に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。分析術に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。
5.ルーブリック1~4で学んだ内容を踏まえ、自分で設定したテーマについてレポートを作成できる。自分で選んだテーマについて、多様な媒体から様々な情報を収集し、それらを的確に整理し、独自の見解を示し、かつ読者の興味を喚起するようなレポートを作成できた。自分で選んだテーマについて、様々な情報を収集し、分析したレポートを作成できた。レポートを提出できない。
6.人間の“知”における“文化”の役割について説明できる。人間の“知”における“文化”の役割について、具体例を示しつつ自分の言葉で説明できる。人間の“知”における“文化”の役割に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。人間の“知”における“文化”の役割に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。
7.“個人”に関する様々な考え方について説明できる。“個人”に関する様々な考え方について、世界各地の例を示しつつ、自分の言葉で説明できる。“個人”に関する様々な考え方に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。“個人”に関する様々な考え方に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。
8.“家族”や“親族”をめぐる様々な考え方や行為について説明できる。“家族”や“親族”をめぐる様々な考え方や行為について、世界各地の例を示しつつ自分の言葉で説明できる。世界各地の“家族”や“親族”をめぐる様々な考え方や行為に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。“家族”や“親族”に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。
9.コミュニティについて説明できる。コミュニティの定義や具体例について、自分の言葉で説明できる。コミュニティの定義や具体例に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。コミュニティの定義や具体例に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。
10.ライフサイクルにおける通過儀礼の役割について説明できる。ライフサイクルにおける通過儀礼の役割について、世界各地の事例を示しつつ、自分の言葉で説明できる。ライフサイクルや通過儀礼に関する複数の説明文から、適切なものを選択することができる。ライフサイクルや通過儀礼に関する基礎的な用語について、一問一答式で答えることができない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 1 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 1-a 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 4 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 4-a 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 前半部では、自ら“問い”を立て、情報を収集・整理・分析するための基本的な方法論について、先人の行為や言葉を踏まえつつ紹介する。これら学んだ内容を、レポートの作成において実践していこう。
 後半部では、文化人類学や宗教学、社会学等における議論も踏まえつつ、“個人”や“家族”、“コミュニティ”といった、私たちの生活に関わる様々な概念について、世界各地の事例を踏まえながら紹介していく。これによって、私たちが自明視している“常識”の相対化を目指していこう。
 本科目は、2年次の「倫理」の延長として位置し、さまざまな学説の理解のもとで問題を考察する。5年次の人文社会科学の諸教科、「技術倫理総論」、および専攻科2年の「技術倫理」と関連する教科である。
授業の進め方・方法:
 本科目は講義形式で授業を進めていく。講義においては、学生同士で話し合い、授業内容を深めるための時間をとる。
注意点:
 単になる暗記に終わることなく、自分自身で問題を考え抜く態度を身につけること。なお、本科目は学修単位(講義Ⅱ)の科目であり、週ごとの90分の講義に対して240分の自学自習が必要である。そのため、参考書や適宜配布するプリントを参考に毎回復習し、講義1回につき240分以上の自学自習を行うこと。また、こうした自学自習を担保する課題等を課し、試験においても自学自習で獲得される発展的な知識を問う問題を出題する。
 教科書や参考書に指定は無いが、各自で読みやすい入門書を一冊は用意しておくことが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション&知的生産術とは何か? 授業の進め方について理解する(非評価項目)。
知的生産術がなぜ必要かについて説明できる。
2週 知的生産のための基礎テクニック①
~立志術&ヤル気持続術~
以下に示す知的生産のための基礎テクニックの重要性を、先人の行為や言葉を通して理解できる。
基礎テクニック①立志術・ヤル気持続術
3週 知的生産のための基礎テクニック②
~"問い"の変形術&思考の空間術~
基礎テクニック②“問い”の変形術・思考の空間術
4週 知的生産のための基礎テクニック③
~語学学習法&知的交流術~
基礎テクニック③語学学習法・知的交流術
5週 知的生産のためのインプット術① 以下に示す知的生産のためのインプット術の重要性を、先人の行為や言葉を通して理解できる。
インプット術①蒐集術・探索術
6週 知的生産のためのインプット術② インプット術②読書術
7週 知的生産のための情報加工術 知的生産のための情報加工術として、分析術の基本を理解する。
8週 実践!知的生産術!! ここまで学んだ知的生産術を用いて、レポートを作成する。
4thQ
9週 常識の相対化
~認識と文化~
人間の“知”の在り方が“文化”によって規定されることを理解する。
10週 常識の相対化
~個人をどうとらえるか?~
“個人”をめぐる様々な考え方を理解する。
11週 常識の相対化
~家族・親族について~
“家族”や“親族”をめぐる様々な考え方や行為について理解する。
12週 常識の相対化
~コミュニティについて~
コミュニティについて理解する。
13週 常識の相対化
~人生と通過儀礼について~
ライフサイクルにおける通過儀礼の役割について理解し、世界各地の様々な事例を踏まえて説明できる。
14週 補講と総復習の時間 これまで学習した内容について総復習をし、理解度を確認する(非評価項目)。
15週 後期期末試験の答案返却・解説 これまでの理解度を確認する。
試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目)。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600010030100
基礎的能力600010030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000