交通計画学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 交通計画学
科目番号 0093 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市環境デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 エース交通工学 樗木武 他4名 朝倉書店/授業時に配布するプリント資料
担当教員 内田 一平

到達目標

1.調査と将来需要推計の関係を理解し、交通量調査およびパーソントリップ調査を説明できる
2.交通需要推計法の一つとして四段階推定法を認識し、その各行程の内容および動作を説明できる
3.レベル(全国、地方および圏域、都市)ごとの道路網の計画に対する考慮点を説明できる
4.路線の選定にあたりコントロールポイントを踏まえ、代替案を含む複数路線を提案できる
5.交通条件・環境条件に則した横断面を決めることができる
6.制動停止視距と追越し視距を求めることができる
7.車両にかかる力・車両の挙動を理解した上で、曲線部分を設計できる
8.平面交差部および立体交差部の交通容量の算出し、交差点の設計ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 調査と将来需要推計の関係を理解し、交通量調査およびパーソントリップ調査を説明できるパーソントリップ調査の概要を説明すると共に、調査結果の活用方法を説明できる道路各部の設計毎に必要とされる交通量の状態が異なることを認識し、主たる交通量調査の種類を説明できる パーソントリップ調査の概要を説明できる推計は現在(または経年)のデータから得られることを分からない 主たる交通量調査の種類を説明できない パーソントリップ調査の概要を説明できない
評価項目2 交通需要推計法の一つとして四段階推定法を認識し、その各行程の内容および動作を説明できる四段階推定法の各行程で行われる数学的な処理を説明できる四段階推定法の各行程の内容を説明できる交通需要推計法が複数あることを理解していない 四段階推定法の各行程の内容を説明できない
評価項目3 レベル(全国、地方および圏域、都市)ごとの道路網の計画に対する考慮点を説明できる全国、地方および圏域、都市のレベル毎に道路網の計画に対して、道路に求められている働きを加味した理由を添えて考慮点を説明できる全国、地方および圏域、都市のレベル毎に道路網の計画に対する考慮点を説明できる道路の区分を示すことができない レベル(全国、地方および圏域、都市)ごとに道路に求められている働きを説明できない
評価項目4 路線の選定にあたりコントロールポイントを踏まえ、代替案を含む複数路線を提案できる路線の選定にあたりコントロールポイントを踏まえて代替案を含む複数路線を提案でき、その中から一路線を理由付きで選択できる路線の選定にあたりコントロールポイントを踏まえて代替案を含む複数路線を提案できるコントロールポイントの存在理由を説明できない 路線選定に対する作業手順を理解しておらず、作業ができない
評価項目5 交通条件・環境条件に則した横断面を決めることができる将来交通需要を基にした車線数・交通条件・環境条件に則した横断面を決めることができる将来交通需要を基に、車線数を決定できる 教員の指導の下、上記車線数および交通条件・環境条件に則した横断面を決めることができる基本交通容量の認識がなく、車線あたりの数値を示すことができない 基本交通容量から交通条件を加味し可能交通容量の算出ができない 計画水準を加味し、可能交通容量から設計交通容量を算出できない
評価項目6 制動停止視距と追越し視距を求めることができる条件を基に制動停止視距および追越し視距を求めることができ、もし視距よりも短い線形を選択した場合に何が起こるのか説明できる条件を基に制動停止視距および追越し視距を求めることができる車両の安全交通のために制動停止視距および追越し視距が重要である認識がない 条件を基に制動停止視距および追越し視距を求めることができない
評価項目7 車両にかかる力・車両の挙動を理解した上で、曲線部分を設計できる曲線部および緩和区間を設計できる曲率部で車両にかかる力の状況を説明できる 曲率部における車両の挙動(横滑り・内輪差)を理解し、曲線部を設計できる曲率部で車両にかかる力の状況を説明できない 曲率部における車両の挙動(横滑り・内輪差)を理解していない
評価項目8 平面交差部および立体交差部の交通容量の算出し、交差点の設計ができる平面交差に関して、いくつかの代替案も提出できる平面交差部および立体交差部の交通容量の算出し、交差点の設計ができる平面交差および立体交差の形状を示すことができない 平面交差部の交通容量の算出ができない 立体交差部の交通容量の算出ができない

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
産業基盤を支える交通ネットワーク構築の基礎技術を学習する重要な科目である。ネットワーク要素である路線の計画,調査,設計,施工,管理に至るまでの工学的知識・手法について習得し,更に交通ネットワーク及び高規格幹線道路についても学習する。
現代の都市における交通ネットワークの重要性や,その果す役割について理解を深める。交通工学に基づき交通の在り方について計画する基礎的知識を習得するとともに,道路設計の工程を把握し,実行できるようにする。(授業(90分)+自学自習(60分))×30回
授業の進め方・方法:
授業内容の各項目について,配布プリントを中心に講義を行う(教科書は参考図書として利用)。必要に応じて,演習題や設計項目を実施し、授業内容の理解を深める。
当科目は都市計画(4年次通年),道路工学(5年次後期)との関連性が深い。また、元技術者 本門講師より、技術者として経験してきた技術的解決方法や状況を講義中に盛り込む。
注意点:
配布されたプリントはファイリングをし,各自まとめておくこと。なお,毎回の授業に対しては予習,復習を各30分程度必ず行って欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 交通需要等の調査と交通計画
交通需要と交通量,パーソントリップ調査を説明できる
2週 交通需要等の調査と交通計画
OD表の作成,交通需要の将来予測(四段階推定法)の各行程を説明できる
3週 道路網の計画と道路事業の整備効果
交通量調査,交通計画の手順を説明できる
4週 道路網の計画と道路事業の整備効果
道路網の計画,路線の選定を手順と検討内容が説明できる
5週 道路網の計画と道路事業の整備効果
道路の整備効果,事業の評価・環境影響評価の項目および内容を説明できる
6週 設計の基本事項と横断構成
設計車両と建築限界,計画交通量を説明できる
計画水準と設計交通容量を説明できる
7週 設計の基本事項と横断構成 道路区分と設計速度,車線数と横断構成を結びつけることができる
8週 道路線形の設計 走行時の自動車に係わる力学を説明できる
2ndQ
9週 道路線形の設計 制動停止視距と追越し視距を説明できる
10週 道路線形の設計 制動停止視距と追越し視距を考慮した平面線形を求めることができる
11週 道路線形の設計 制動停止視距と追越し視距を考慮した平面線形を求めることができる
12週 道路交差部の設計 縦断線形,立体線形を理解できる
13週 道路交差部の設計 平面交差部の交通容量,平面交差点の設計を理解できる
14週 道路交差部の設計 立体交差,ランプと織込み区間の交通容量を説明できる
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週
後期
3rdQ
1週 公共交通 交通施設の道路・鉄道・港湾・空港の機能を説明できる
2週 公共交通 infrastructureにおける公共交通機関の動向を説明できる
3週 公共交通 life lineにおけるトラフィック機能とアクセス機能が説明できる
4週 交通ネットワーク 交通・運輸概要とperson trip surveyやtripとの関連が説明できる
交通ネットワークの整備を説明できる
5週 交通ネットワーク 都市交通施設の計画と設計・調査の実務を説明できる
6週 交通ネットワーク 都市交通の技術と鉄道関係法の目的と定義及び概要を説明できる
7週 交通ネットワーク 運輸部門における地球温暖化対策を説明できる
8週 交通に関連する実務 鉄道の軌道構造を説明でき,工法の比較と施工を選択できる
工程(PERT)・品質管理の概要とヒストグラムを説明できる
関連法令の目的と定義及び概要を説明できる
4thQ
9週 交通に関連する実務 コンクリート・鋼構造・アスファルトの施工管理やメンテナンスの問題点を説明できる
品質確保と入札契約(電子入札システム)の適正化ができる
10週 交通に関連する実務 仮設物の設計・施工と建設機械の規格や作業量算定ができる
基礎工(既製杭・場所打ち杭・地中連続壁その他)を理解し,説明できる
11週 交通に関連する実務 三大都市圏と地方圏における交通機関の動向や新幹線・航空・長距離輸送体系の考えを説明できる
linear motor carとpiggy backや最先端技術の駆使と技術動向への対応と最近の諸問題を説明できる
二酸化炭素排出削減に向けた課題等を説明できる
12週 現代の交通諸問題 東日本大震災の交通施設被害状況を説明できる
13週 現代の交通諸問題 阪神・淡路大震災の交通施設被害状況を説明できる
14週 現代の交通諸問題 東日本大震災と阪神・淡路大震災の交通施設被害状況の相違を説明できる
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合100000000100
基礎的能力00000000
専門的能力100000000100
分野横断的能力00000000