応用材料学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用材料学
科目番号 0095 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 都市環境デザイン工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 プリント 〔参考書・補助教材〕コンクリート診断技術 日本コンクリート工学会、セメント系補修・補強材料の基礎知識 セメント協会
担当教員 武若 耕司

到達目標

コンクリート構造物を取り巻く環境は大きく変わりつつある。新たな構造物を造り出すのではなく,既存の構造物を検査・修復し,長期間にわたって維持管理することが求められるようになってきた。本科目は,コンクリート構造物の劣化原因と診断手法さらに,その修復法を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンクリートの劣化の種類と原因,劣化対策の概要が説明できる。コンクリートの劣化の種類を気体によるものか液体によるものかの区別ができ,その原因の概要が説明できる。コンクリートの劣化の種類と原因の説明ができない。
評価項目2コンクリートの中性化の化学反応式を説明でき,中性化速度の計算式を用いてコンクリートの耐用年数を算出できる。中性化の原因と中性化によるコンクリートの劣化と劣化対策を説明できる。コンクリートの中性化を説明できない。
評価項目3コンクリートへの塩化物イオンの拡散式を用いて,塩化物イオンの浸透量を算出でき,浸透による鉄筋腐食のメカニズムが説明できる。コンクリートへの塩化物イオンの浸透による鉄筋腐食のメカニズムが説明できる。コンクリートへの塩化物イオンの浸透による鉄筋腐食のメカニズムが説明できない。
評価項目4コンクリート構造物が建設されている環境やコンクリートの打設状況の資料またひび割れ状況の写真よりひび割れの原因を推測でき応急措置を説明できる。コンクリートのひび割れの種類と原因を説明でき,温度ひび割れや乾燥ひび割れを詳細に説明できる。コンクリートのひび割れの種類と原因を説明でない。
評価項目5アルカリシリカ反応を引き起こすメカニズムを説明でき,アルカリシリカ反応の抑制メカニズムを説明できる。また,多くの反応試験があるが試験方法と目的を説明できる。アルカリシリカ反応を引き起こすメカニズムを説明でき,抑制方法を説明できる。アルカリシリカ反応の抑制対策を説明できない。
評価項目6コンクリートの施工における打設と養生の重要性を理解し、環境条件による施工法や養生方法の対処法を説明できる。コンクリートの打設で注意しなければならない点を説明でき,施工不良により引き起こされる現象と対処法を説明できる。コールドジョイントや凍害について説明できない。
評価項目7コンクリートの設計基準強度と配合強度さらに呼び強度関係をコンクリートの圧縮強度試験による品質管理と関連付けて説明できる。コンクリートの品質管理の方法を説明でき、圧縮強度試験の実施する意味を説明できる。コンクリートの品質管理の方法や圧縮強度試験を実施する意味を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業でコンクリート構造物の劣化診断業務等を担当していた教員が,その経験を生かし,コンクリート構造物の維持管理で必要とされる基礎的な知識について講義形式で授業を行うものである。
建設材料と建設材料実験で学んだ材料学を基本として,コンクリート構造物の維持管理のための総合的かつ実用的な診断手法を理解し、説明できることを目標とする。
授業の進め方・方法:
材料学の基本と材料実験の実験概要を理解し本講義を進める。これにより、コンクリート構造物の劣化原因と診断手法さらに,その修復法を習得する。
注意点:
本科目は学修単位〔講義Ⅰ〕科目であるため,指示内容について60分程度の自学自習(予習・復習)が必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 コンクリートの劣化 コンクリートの劣化の種類を説明できる。劣化の原因を説明できる。
2週 コンクリートの中性化 コンクリートの中性化による問題点を説明できる。中性化のメカニズムと中性化深さの測定方法や中性化速度が説明できる。中性化の抑制対策を説明できる。
3週 コンクリートへの塩化物イオンの浸透 コンクリートへの塩化物イオンの浸透による問題点を説明できる。
4週 コンクリートへの塩化物イオンの浸透 鉄筋腐食のメカニズムを説明できる。劣化の状態を説明できる。
5週 コンクリートのひび割れ コンクリートのひび割れの原因と種類を説明できる。
6週 コンクリートのひび割れ ひび割れ幅やひび割れ深さの測定法を説明できる。
7週 コンクリートのひび割れ 補強の要否の判定ができる.配布したプリントの概要を把握する。
8週 アルカリシリカ反応によるコンクリートの劣化 アルカリシリカ反応のメカニズムを説明できる。
4thQ
9週 アルカリシリカ反応によるコンクリートの劣化 アルカリシリカ反応残存膨張量を説明できる。アルカリシリカ反応の抑制対策法を説明できる。
10週 コンクリートの施工不良による問題点 コールドジョイントや凍結融解等について説明できる。 コンクリートの施工や維持管理の重要性を説明できる。
11週 コンクリートの施工不良による問題点 コールドジョイントや凍結融解等について説明できる。 コンクリートの施工や維持管理の重要性を説明できる。
12週 コンクリートの施工不良による問題点 コールドジョイントや凍結融解等について説明できる。 コンクリートの施工や維持管理の重要性を説明できる。
13週 コンクリートの施工不良による問題点 コールドジョイントや凍結融解等について説明できる。 コンクリートの施工や維持管理の重要性を説明できる。
14週 コンクリートの品質管理 コンクリートの品質管理の必要性を説明できる。
15週 コンクリートの品質管理 管理図の説明ができる。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力000(-20)000
専門的能力800000080
分野横断的能力200000020