交通計画学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 交通計画学
科目番号 0115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市環境デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 エース交通工学 樗木武 他4名 朝倉書店/授業時に配布するプリント資料
担当教員 内田 一平

到達目標

1.調査と将来需要推計の関係を理解し、交通量調査およびパーソントリップ調査を説明できる
2.交通需要推計法の一つとして四段階推定法を認識し、その各行程の内容および動作を説明できる
3.レベル(全国、地方および圏域、都市)ごとの道路網の計画に対する考慮点を説明できる
4.路線の選定にあたりコントロールポイントを踏まえ、代替案を含む複数路線を提案できる
5.交通条件・環境条件に則した横断面を決めることができる
6.道路舗装材の種類と使用想定場面を理解し、特に瀝青材料の特徴・特質を説明できる
7.一般的なアスファルト舗装の施工方法と手順を説明できる。また、各施工工程における注意点を認識し活用できる
8.交通条件・環境条件・使用材料条件からアスファルト舗装の断面設計ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 調査と将来需要推計の関係を理解し、交通量調査およびパーソントリップ調査を説明できるパーソントリップ調査の概要を説明すると共に、調査結果の活用方法を説明できる道路各部の設計毎に必要とされる交通量の状態が異なることを認識し、主たる交通量調査の種類を説明できる パーソントリップ調査の概要を説明できる推計は現在(または経年)のデータから得られることを分からない 主たる交通量調査の種類を説明できない パーソントリップ調査の概要を説明できない
評価項目2 交通需要推計法の一つとして四段階推定法を認識し、その各行程の内容および動作を説明できる四段階推定法の各行程で行われる数学的な処理を説明できる四段階推定法の各行程の内容を説明できる交通需要推計法が複数あることを理解していない 四段階推定法の各行程の内容を説明できない
評価項目3 レベル(全国、地方および圏域、都市)ごとの道路網の計画に対する考慮点を説明できる全国、地方および圏域、都市のレベル毎に道路網の計画に対して、道路に求められている働きを加味した理由を添えて考慮点を説明できる全国、地方および圏域、都市のレベル毎に道路網の計画に対する考慮点を説明できる道路の区分を示すことができない レベル(全国、地方および圏域、都市)ごとに道路に求められている働きを説明できない
評価項目4 路線の選定にあたりコントロールポイントを踏まえ、代替案を含む複数路線を提案できる路線の選定にあたりコントロールポイントを踏まえて代替案を含む複数路線を提案でき、その中から一路線を理由付きで選択できる路線の選定にあたりコントロールポイントを踏まえて代替案を含む複数路線を提案できるコントロールポイントの存在理由を説明できない 路線選定に対する作業手順を理解しておらず、作業ができない
評価項目5 交通条件・環境条件に則した横断面を決めることができる将来交通需要を基にした車線数・交通条件・環境条件に則した横断面を決めることができる将来交通需要を基に、車線数を決定できる 教員の指導の下、上記車線数および交通条件・環境条件に則した横断面を決めることができる基本交通容量の認識がなく、車線あたりの数値を示すことができない 基本交通容量から交通条件を加味し可能交通容量の算出ができない 計画水準を加味し、可能交通容量から設計交通容量を算出できない
評価項目6 道路舗装材の種類と使用想定場面を理解し、特に瀝青材料の特徴・特質を説明できるPCおよびACの特性の違いを説明でき、ACを用いた舗装面の特質を説明できるACを用いた舗装面の特質を説明できるACを用いた舗装面の特質を説明できない
評価項目7 一般的なアスファルト舗装の施工方法と手順を説明できる。また、各施工工程における注意点を認識し活用できる施工方法を説明できるとともに、各施工工程で施工管理者が注意しなければならない事項を指摘できるアスファルト舗装の施工工程を理解し、説明できるアスファルト舗装の施工工程を理解し、説明できない
評価項目8 交通条件・環境条件・使用材料条件からアスファルト舗装の断面設計ができるTA法に則し、かつ経済的な舗装断面設計が実行できるTA法に則した断面設計が実行できるTA法に則した断面設計が実行できない

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
産業基盤を支える交通ネットワーク構築の基礎技術を学習する重要な科目である。ネットワーク要素である路線の計画,調査,設計,施工,管理に至るまでの工学的知識・手法について習得し,更に交通ネットワーク及び高規格幹線道路についても学習する。
現代の都市における交通ネットワークの重要性や,その果す役割について理解を深める。交通工学に基づき交通の在り方について計画する基礎的知識を習得するとともに,道路設計の工程を把握し,実行できるようにする。(授業(90分)+自学自習(60分))×30回
授業の進め方・方法:
授業内容の各項目について,配布プリントを中心に講義を行う(教科書は参考図書として利用)。必要に応じて,演習題や設計項目を実施し、授業内容の理解を深める。
当科目は都市計画(4年次通年),道路工学(5年次後期)との関連性が深い。また、元技術者 本門講師より、技術者として経験してきた技術的解決方法や状況を講義中に盛り込む。
注意点:
配布されたプリントはファイリングをし,各自まとめておくこと。なお,毎回の授業に対しては予習,復習を各30分程度必ず行って欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(交通と道路) 交通と道路の定義、道路空間の重要性を理解し、説明できる。
2週 道路の機能と役割、その種類 道路の3機能を理解し、道路空間の
3週 交通需要等の調査と交通計画
交通需要と交通量,パーソントリップ調査を説明できる
4週 交通需要等の調査と交通計画

OD表の作成,交通需要の将来予測(四段階推定法)の各行程を説明できる
5週 交通需要等の調査と交通計画

OD表の作成,交通需要の将来予測(四段階推定法)の各行程を説明できる
6週 道路網の計画と道路事業の整備効果
交通量調査,交通計画の手順を説明できる
7週 道路網の計画 道路網の計画の手順と検討内容が説明できる。
8週 路線選定 地形図上での路線選定の手順と検討内容が説明できる。
2ndQ
9週 道路事業の整備効果 道路の整備効果,事業の評価・環境影響評価の項目および内容を説明できる
10週 断面設計の基本事項と横断構成 道路区分と設計速度,車線数と横断構成を結びつけることができる
11週 断面設計の基本事項と横断構成 設計車両と建築限界,計画交通量を説明できる
計画水準と設計交通容量を説明できる
12週 断面設計の基本事項と横断構成(設計演習) 設計車両と建築限界,計画交通量を説明できる
計画水準と設計交通容量を説明できる
13週 道路線形の設計 制動停止視距と追越し視距を考慮した平面線形を求めることができる
14週 道路線形の設計 制動停止視距と追越し視距を考慮した平面線形を求めることができる
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週 道路舗装材その1 瀝青材料の特徴・特質を理解し、道路舗装材として最も利活用されていることを説明できる。
後期
3rdQ
1週 道路舗装材その2 瀝青材料とコンクリートの特性の違いを理解し、使用想定箇所の選別ができる。
2週 道路施工 その1 道路の断面構造と使用される材料を理解し、説明できる。
3週 道路施工 その2 断面下部からの施工工程とその注意要素を理解し、説明できる。
4週 道路の断面設計 その1 TA法の概念と行程を理解し、説明できる。
5週 道路の断面設計 その2 TA法の概念と行程を理解し、条件に沿った断面設計ができる。
6週 道路の断面設計 (設計演習) TA法の概念と行程を理解し、条件に沿った断面設計ができる。
7週 交通の特徴 その1 交通流・平均速度・交通密度の関係性と特徴を理解し、説明できる。
8週 交通の特徴 その2 交通流・平均速度・交通密度の関係性と特徴を理解し、説明できる。
4thQ
9週 道路行政と財源 高度経済成長以降の道路財源の歴史、そして現在の状況を理解し、道路行政に求められている事柄を説明できる。
10週 道路の管理と維持 その1 道路管理の主管、巡回内容、情報伝達手段について理解し、説明ができる。
11週 道路の管理と維持 その2 道路管理と維持の連携について理解し、説明ができる。
12週 歩行者のための道路 その1 歩車分離や歩行者優位の道路設計について理解を深め、説明ができる。
13週 歩行者のための道路 その2 歩いて暮らせるまちづくりに向けた、取り組み事例を認識し、活用できる。
14週 将来の交通と道路について 現状から未来をにらみ、交通と道路の将来について推測し、自分の考えが持てる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合100000000100
基礎的能力00000000
専門的能力100000000100
分野横断的能力00000000