機械・電子システム工学特別演習Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械・電子システム工学特別演習Ⅰ
科目番号 6025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械・電子システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 〔参考書・補助教材〕 大類重範「ディジタル信号処理」日本理工出版会,佐々木信也ほか「はじめてのトライボロジー」講談社、授業時配布プリント
担当教員 白石 貴行,杉村 奈都子

到達目標

1.ディジタル信号の分類ができ,それを複数の表現方法(パルス伝達関数・状態空間法)で書ける。
2.連続時間システムを離散化でき,その安定性が説明できる。
3.電気,機械システムなどの物理現象をルンゲクッタ4次法シミュレーションできる。
4.摩擦に関わる計算機シミュレーションの方法(モンテカルロ法、分子動力学法、粒子法)を説明できる
5.目的によって計算の手法を選択できる
6.計算機シミュレーションを実施する方法を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1標本化と離散化を理解し信号が分類できる。標本化定理が説明できる。エイリアス雑音が説明できる。標本化と離散化を理解できる。標本化定理の式が書ける。標本化と離散化について理解できない。
到達目標2連続時間システムを離散化し,状態空間表現できる。また,離散化されたシステムの安定性が判別できる。連続時間システムを離散化し,状態空間表現できる。連続時間システムを離散化できず,状態空間表現できない。
到達目標3連続・離散の混合システムに対して,ルンゲクッタ4次法でシミュレーションを実施できる。離散システムに対して,ルンゲクッタ4次法でシミュレーションを実施できる。離散システムに対して,ルンゲクッタ4次法でシミュレーションを実施できない。
到達目標4摩擦に関わる計算機シミュレーションの方法(モンテカルロ法、分子動力学法、散逸粒子動力学法、粒子法)を説明することができ、併せて確率統計論、分子論、流体力学、材料力学に基づいた構成式を説明できる。摩擦に関わる計算機シミュレーションの方法(モンテカルロ法、分子動力学法、散逸粒子動力学法、粒子法)を説明できる摩擦に関わる計算機シミュレーションの方法(モンテカルロ法、分子動力学法、散逸粒子動力学法、粒子法)を説明できない
到達目標5ナノ・ミクロスケールであれば分子動力学法、マイクロスケールであれば散逸粒子動力学法、マクロスケールを考慮する場合には粒子法、統計平均を求める場合にはモンテカルロ法、という具合に対象によって計算の手法を選択できる。併せて、それぞれの計算手法による計算例を上げることができるナノ・ミクロスケールであれば分子動力学法、マイクロスケールであれば散逸粒子動力学法、マクロスケールを考慮する場合には粒子法、統計平均を求める場合にはモンテカルロ法、という具合に対象によって計算の手法を選択できる。ナノ・ミクロスケールであれば分子動力学法、マイクロスケールであれば散逸粒子動力学法、マクロスケールを考慮する場合には粒子法、統計平均を求める場合にはモンテカルロ法、という具合に対象によって計算の手法を選択する必要があるが、その必要性を説明できず、選択もできない。
到達目標6Linuxならびに大規模計算機システムで計算機シミュレーションを実施する方法を説明でき、併せて実施することができる。Linuxならびに大規模計算機システムで計算機シミュレーションを実施する方法を説明できる。Linuxならびに大規模計算機システムで計算機シミュレーションを実施する方法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は,理工学の分野で必要となる物性・物理現象を解析する力をシミュレーションを通して養う。
また,複数の物理現象に対して適したシミュレーション方法について知り,その基本的な考え方やシミュレーションの実行方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
物性・物理現象を表現するためのシミュレーション手法について説明し,演習や課題を通して習得していく。
注意点:
与えられた課題は提出期限を守って提出すること。本科で学んだ力学,電気回路,物性物理,微分方程式の知識が要求されるため,これらに不安がある者は復習しておくこと。また,プログラミングの知識が要求されるため,どの言語でも良いが基本的な演算(if,for,while,関数呼び出し)ができることが前提となっている。1stQでは,Octaveという言語を用いるので,授業開始前までにPCにインストールしておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ディジタル信号処理の概要 (1)標本化と離散化が説明できる。(2)標本化定理が説明できる。(3)octaveで(1)と(2)の計算ができる。
2週 2.連続システムの離散化 その1 (1)ゼロ次ホールドされた連続時間システムが計算できる。(2)パルス伝達関数が計算できる。
3週 2.連続システムの離散化 その2 (1)パルス伝達関数の別表現である状態空間法の概念を理解し,計算できる。
4週 2.連続システムのディジタル再設計 (1)矩形積分と台形積分からシフトオペレーターが算出できる。(2)(1)の違いをシミュレーションで確認できる。
5週 2.離散システムの安定性 (1)離散システムの安定性が判別できる。(2)(1)をシミュレーションで確認できる。
6週 3.ルンゲクッタ4次法を用いた計算 その1 (1)ルンゲクッタ4次法を用いて,1階微分方程式を計算できる。(2)(1)を拡張した高次微分方程式の計算ができる。
7週 中間試験 1 〜 3 の内容に関する試験を実施する。
8週 中間試験の振り返り 試験結果および解説によって自身の理解度を確認できる。
2ndQ
9週 4.摩擦の計算 その1 (1)機械摩擦の状態を検出する計測手法を説明することができる。(2)機械摩擦の計算に必要な固体ならびに液体の運動方程式、エネルギーの式を導出できる。
10週 4.摩擦の計算 その2 (1) 幅広いサイズスケールに対応する摩擦計算手法を説明できる(粒子法)(2)ナノ・ミクロスケールに対応する摩擦計算手法を説明できる(分子動力学法)
11週 5.高分子溶液の計算 その1 (1)潤滑油や高分子溶液をモデル化する方法を説明できる (2)モデル化して計算する方法を説明できる(モンテカルロ法、散逸粒子動力学法)
12週 5.高分子溶液の計算 その2 (1)潤滑油や高分子溶液をモデル化して計算する方法を説明できる(モンテカルロ法(続き)、散逸粒子動力学法(続き)、分子動力学法)(2)スケールをまたぐ計算モデル化の例を説明できる
13週 6.計算機での計算 その1 (1)fortran、c++、python言語で書かれた計算コードをLinux上で動かす方法を説明できる (2)モンテカルロ法と粒子法のコードを読んで内容を説明することができる。
14週 6.計算機での計算 その2 (1)大規模計算機システム(HPCシステム)で計算する方法を説明できる。(2)計算結果を可視化する方法を説明できる。
15週 期末試験 達成度が評価できる基準となる試験点数を得ることができる
16週

評価割合

試験演習レポート授業態度合計
総合評価割合600400100
基礎的能力00000
専門的能力600400100
分野横断的能力00000